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PWL音楽論コミュのTHE HI-ENERGY STORY

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「HI-ENERGY」を無くして「SAW(PWL)」は語れない。
それは84年初期における功績が示すとおりである。
「HI-ENERGY」とは誰もが口にするキーワードですが、「一体どういうサウンドなのか?」と聞かれて答えられる人が果たしてどれだけいるのでしょう?

今回は、SAWと密接に関わる「HI-ENERGY」について熱く語りたいと思う。
自分にとって一番好きな時代音楽とはどれか?と問われると、大抵は「自身の青春時代」に当たる、いわゆる「リアル世代」にフィットした思い入れのある楽曲を挙げるのが自然なのでしょう。

私にとっても「HI-ENERGY」は正に「リアル世代」であり、84〜85年という年代には最も魅力を感じさせるもので、今までずっと大好きなのも当然の事だと感じていた。

しかし、長年と聴き続けている間に「これは客観的にみても、エネルギッシュ且つ、最も輝かしい
DISCOシーンと位置付けられるのでは?」と改めて考えさせられた。

ひとつは、85年当時のDISCO「新宿ニューヨーク・ニューヨーク」人気DJ、「松本みつぐ氏」の言葉が今でも印象強く残っている。

「本国イギリスでは、もう「HI-ENERGY」という言葉は消滅しました!今では「EURO-BEAT」と言います!これからは「EURO-BEAT」ですよ!」

これは本当であった。
85年を期に、従来型「HI-ENERGY」と言われるサウンドは一気に姿を消していったのです。
(SAWサウンド同様)

音楽シーンを常にリードし続けるUK音楽のスピードは凄まじく早く、いつまでも同じサウンドが続くことはない。
それだけに、84〜85年における「HI-ENERGY」にはその名の示すとおり、力強い「情熱や哀愁」を感じさせる楽曲と、原曲に劣ることのない個性溢れる「シンセ・アレンジ」。
確実にこの2つが重なると同時に、ボルテージは頂点を極めていた。

以前に、「渋谷レコード屋店長」(私が「HI-ENERGY・日本一」と自信をもって推薦する)に同じ事を聞いたことがある。
「そーですねー。84〜86年がピークでしょうねー..。」(byハイエナ店長)
86年まで引っ張った理由は恐らく、数多くの作品を知る人だからこそ、名残あるヨーロピアン・サウンドの時期を含めたのでしょう。

では、84〜85年における「HI-ENERGY」サウンドとはどういうモノであったのでしょうか?
様々なタイプの楽曲で検証したいと思う。

「HI-ENERGY」は80年代初期には既に実在しており、
初期では「70年代ソウル・ディスコ」テイストを残したタイプが主流で、メインを盛上げていたのは
「IAN LEVINE」(UK)、「BOBBY ORLANDO」(US)の二者であった。

特に「IAN LEVINE」の場合、UK出身でありながら彼のサウンドは「70‘S−USディスコ」をベースとしたビートを軸に、「黒人ボーカリスト」のパンチある「GROOVE & SHOUT」を活かしたモノが特徴的で、これに「HI-ENERGY」特有である「クラップ音」をアクセントとしていた。

英国「レコード・ミラー誌チャート」上では、「EVELYN THOMAS / HIGH ENERGY」
(84年リリース)が代表作であったが、メイン・フレーズとなるエッジの効いた「シンセ音」が正に
「HI-ENERGY」を演出した傑作ではあるが、ここではまだ「70‘S−USディスコ」テイストが強く残っていた。(ちなみに、AVEX社長のお気に入りは
「MIQUEL BROWN / SO MANY MEN SO LITTLE TIME」だそうです。これもまた名曲!)


どちらかと言えば、同系テイストを残したサウンドの中でも、
「LAURA PALLAS / EMERGENCY」(同年リリース)では「HI-ENERGY」ジャンルにフィットしており、トラックの流れにも「盛上げ」に工夫が見られる。
軽快な原曲イメージを軸に、サビ部分「EMERGENCY!」の後に打ち込むクラップは絶妙なタイミングなノリが演出され、ブレイク部分ではタイトル通り「救急サイレン」によるサンプリングは見事なワンポイント効果となった。
中盤では、サイレン音の後に流れる「輝くような(破線)シンセ」による盛上げ技術。
まるで目の覚めるようなボルテージを感じさせる。

「IAN LEVINE」のひとつの特徴として、専属アーティストの大部分が「黒人アーティスト」であり、
珍しく「LAURA PALLAS」は「白人アーティスト」。
「黒人」特有な「GROOVE感」はド迫力を演出してくれるが、時としてこの「GROOVE」が強過ぎて、「原曲メロ」とかけ離れてしまう。
どちらかと言うと、「メロウ・タイプ」には「白人アーティスト」の方が丁度いい。

そんな「70‘S−USディスコ」テイストの強い「IAN LEVINE」であるが、中には「シンセ・アレンジ」を有効に演出した「80’S」に相応しいクオリティ高い作品もある。

それが、同プロダクション所属の「KEVIN ANTONY ROBERTS」プロデュース、「IAN LEVINE」が
ミックス・エンジニア名義による、
「SIMONE / IT’S TOO LATE」。(84年リリース)

ご存知、「CAROLE KING」の大ヒット・カバーであるが、「SIMONE」のボーカル技術は「HI-ENERGY・アーティスト」として完璧な「しゃくり技術」をはじめとする「GROOVE」センスは素晴らしく、サウンド全体にも「シンセ・アレンジ」が前面にアピールされ、「クラップ&カウベル」も強力に打ち込まれたインパクトで、カバー・ソングとは思えない程に仕上がりはパーフェクトとなった。

一方「BOBBY ORLANDO」は、US出身でありながら「IAN」とは逆に、ヨーロピアンをはじめとする「メロウ」なサウンド・アレンジに影響を受けたセンスがあり、アメリカ人としては非常に稀なタイプ。
まるで「ヨーロピアン・サウンド」と勘違いしてしまう程の繊細な一面を魅せた。

一般に代表的となったのはご本人名義による「SHE HAS A WAY」(82年作)をはじめ、
「SAW」でもお馴染み、アルバム「DIVINE / THE STORY SO FAR」(PROTOレコード)に収録された「NATIVE LOVE」他一連作品が印象強い。
しかし「DIVINE」ワークでは、彼の個性ある声質を活かした「FUNK-DISCO」テイストが強調され、「サウンド・アレンジ」面においても実にシンプルで、正直、ここでは面白さが感じられない。

「BOBBY ORLANDO」センスが発揮された作品とは、どちらかと言うと、彼の専属アーティストによる「GIRLS-GROUP」ワークであり、82年初期から手掛けていた「THE FLIRTS」、「OH ROMEO」が
これに相当する。
ここでは「DIVINE」ワークとは違った、バリエーション豊富な「シンセサウンド」がみられる。

「THE FLIRTS」では「YOU & ME」、「NEW TOY」といった作品が有名ですが、「横ノリ」ベースラインを特徴としたタイプはどちらかと言うと、「ELECTRO-POP」に近いモノで、個人的に推薦するのは
「PASSION(REMIX)」(84年作)。

オリジナルは82年作品ですが、初期バージョンではアレンジが乏しい。
「BOBBY ORLANDO」作品の中でも、クオリティ高い「リミックス・バージョン」は珍しいケースですが、「ヒューマン・ボイス」ストリングスをはじめ、激しいクラップの打ち込みが加わったサウンドは、
見事な「HI-ENERGY」に進化した。

もう1曲は、86年と遅れをとったものの、「MISS YOU」は隠れた名曲「HI-ENERGY」に挙げたい
作品。
これ程にも「カウベル連打」にマッチした楽曲タイプは少ない。
欲を言えば、「BPM」を2%UPしたいところ。

「BOBBY ORLANDO」作品において「OH ROMEO」は欠かせない。

一般に「THESE MEMORIES」、「ONLY A MEMORY」に人気があるようだが、個人的にこれらは
「BOBBY」自身によるオリジナルソングであるが故に「哀愁度」に欠ける。

これを証明付ける作品こそが、「ONCE IS NOT ENOUGH」である。(84年リリース)

ソングライターは「C.SHORE」なる別人物によるモノだが、「サウンド・アレンジ」共に絶妙なクオリティを極めており、BOBBY自身の生音による「電子ドラム」の打ち込みや、カウベル音にもパワフルな
「ハイエナ・魂」が伝わる。
これはカップリング「LIGHT OF LOVE」での隠れたシーンにおいてもその才能が表れており、こちらはどちらかと言うと、シックな「EUROPEAN-DISCO」というイメージだが、「BOBBY ORLANDO」らしい「オーケストラ・サンプル」や「ヒューマンボイス・シンセ」といった魅力がたっぷり味わえるもので、曲が短いのが残念である。

オリジナルソングの中で、「ONE MORE SHOT」(85年)は最も激しい作品に相当する。

軸となるクロスハイハット部分は「YOU SPIN ME ROUND」、エッジの効いた「メイン・シンセ」は
「EVELYN THOMAS」をヒントとしたあたりが魅力的な理由だと思われる。

と、今回はテーマが「HI-ENERGY」ということで、非常に長くなりそうです..。
次回に続く!

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