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PWL音楽論コミュのRAVEに行かなかった訳

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1991年以降において、ダンスフロアを盛り上げた「TECHNO−RAVE」。
PWLレーベルからも「2UNLIMITED」をはじめとする数々のヒット曲が生まれ、
正に「TECHNO−RAVEブーム」となった。

しかし、PETE自らこのジャンルによる楽曲が作られることは無かった。
「STOCK & WATERMAN」作品の中でも、「Malcolm McLaren & Alison Limerick /
MAGIC'S BACK」、「Vision Masters feat Kylie / KEEP ON PUMPIN' IT」がTECHNOサウンドに相当するのだが、「ストライク・ゾーン」と言える程のタイプとは異なる。

「TECHNO−RAVE」は、ド派手な「太いメイン・シンセ」が特徴あるサウンドだが、上記2曲を聴いてみてもそれ程の楽曲とは違って、むしろ「ITALIANO−HOUSE」である、ピアノの打ち込みをメインとした「ELECTORIC−HOUSE」に近い。

では何故、PWLは「TECHNO―RAVE」に行かなかったのか?
それはとても簡単な事である。
PWLファンにとって、彼らに「TECHNO−RAVE」をやって貰いたかったでしょうか?

「やって貰いたかった」と答えるファンがいたとすれば、それは未だにPWLを理解していないという事になる。

彼らが徹底して拘るのは、「POP−IDOL」をメインとする「DANCE−POP」であり、楽曲本来の
メロディの流れをキープしながら、派手な「POP−DISCO」に仕上げるというプロデュース・スタイルである。

このスタイルから外れる事は一切行なわない。
そして彼らがポップ・ミュージックに拘る理由は、本質であるメロディを永遠に聴き続けられる
「GOOD−MUSIC」を追求しているからだ。

「TECHNO−RAVE」や、最近流行した「CYBER−TRANCE」のように、メインである
「太いシンセ・サンプル」ひとつで、一気に盛り上げる「DANCE−INSTRUMENTAL」という
ジャンルは、どちらかというと「消耗タイプの音楽」である。

当時に「TECHNO−RAVE」を聴いて、「恐らくこのサウンドはすぐ消えて無くなるだろう」と思った人は多かったと思う。

こうしたジャンルを否定するわけではないが、PWLスタイルからは大きく外れるという事である。

では、PWLレーベルから次々と「TECHNO−RAVE」がリリースされた動きとは何だったのか?

それはポップ・ミュージック低迷な時代到来に伴う「PWLレコード」の事業存続の為であって、PWLが「RAVEが出来ない」のではなく、「RAVEに行かなかった」という事だ。

この徹底した拘りが、「KYLIE MINOGUE」作品に見ることが出来る。
91年以降にリリースしたシングルのカップリングには、「RAVE」を取り入れたサウンドが収録されたが、メイン・シングルとしてのリリースは無い。
それが以下の3作品である。

・(IF YOU WERE WITH ME NOW) B/W 「I Guess I Like It Like That」
・(Give Me Just A Little More Time) B/W 「Do You Dare」
・(FINER FEELINGS) B/W 「Closer」

「I Guess I Like It Like That」については、「VISION MASTERS」のサンプリングによって
フィーチャーした「KEEP ON PUMPIN' IT」を生んだが、これらのカップリング曲は決して
「手抜きサウンド」というものではなく、「PWL流 TECHNO−HOUSE」といった個性を引き出している。

特に「Do You Dare」での「盛り上げ」は非常に上手い。
「KYLIE」という大物アーティストであるからこそ、カップリング曲にもキッチリと気合の入った楽曲を用意したのだとは思うが、ファンとしては決して見逃してはならない「貴重なサウンド」として捉えたいところである。

なので、91年以降のPWLレコードについて、単に「商業的戦略」などと思ってはならない。

いや、そもそも「商業的」を意識するという事はむしろ当たり前であって、言い換えれば「多くの人達に永く愛されるモノ作り」が結果として「商業的」になるという事であり、ヒット曲の中には
「消耗する音楽」と「永遠の名曲」との2種類が存在するのです。

「VISION MASTERS」なるユニットの正体ですが、「KEEP ON PUMPIN' IT」ジャケット上に
「PAUL TAYLOR & DANNY HIBRID」と記されるとおり、「PAUL TAYLOR」は、
あの「LOVELAND」トリオの一人であった。

後に彼は「LOVELAND」を脱退したが、96年以降は「MARK HADFIELD & 
PAUL WATERMAN」による「NOT LOVELAND」、「MOVERS & SHAKERS」として
再スタートしている。

また、この曲のカップリングとして「PHIL HARDING」による「ASTRAL FLIGHT MIX」が
収録されているが、このレコードにはPWLリミキサーの「世代交代」というものがヒシヒシと伝わる
ものを感じさせる1枚でもある。

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