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PWL音楽論コミュのSAW vs PWL

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皆さんは、「SAW」と「PWLプロダクション(リミキサー)」との実力差をどこで感じますか?
恐らくこの質問に対して答えられる人がどの位いるのでしょう。

しかし、この比較をすることによって、はじめて「SAW」の実力を知る事になるのです。
では、果たしてその楽曲とは?

「それではお題〜っ!テーマはHAZELL DEAN。」「オリジナルは落ち着いたポップ路線で〜っ!リミックスバージョンはお得意ジャンルの派手目なモノで〜っ!」
(何処かのバラエティ番組風)
このテーマに相当する楽曲とは何か?

これは毎度勝手な独断ではありますが、ひとつの視点として捉えて頂ければと思う。
本来のポップ路線を「オリジナル12インチバージョン」とし、PWL(SAW)サウンドの発祥ジャンルとも言える「EURO−DISCO」をリミックスバージョンとした、最もサウンド比較し易い楽曲がそれぞれある。

それは、SAWサイドでは「BETTER OFF WITHOUT YOU」(91年リリース)、
PWLサイドでは「LOVE PAINS」(89年リリース)である。
比較するには年代に少し差があるが、この2曲に与えられたテーマはほぼ同じである。

「LOVE PAINS」の場合、ソングライトは別人であるが、このソングライトの部分は意識しなくとも基本アレンジセンス、そしてプロデュースセンスをそれぞれに比較できる。

はじめにヒットチャートで言ってしまうと、明らかにPWLリミキサー側の勝利である。
「LOVE PAINS」(UK48位)、「BETTER OFF〜」(UK72位)という結果ではあるが、
ここで時代背景を考慮しておきたい。

「LOVE PAINS」のリリース時期は、88年9月の「TURN IT INTO LOVE」を最後に
SAWプロデュースから遠ざかってはいたが、アルバム「ALWAYS」からのシングルは連続ヒット
状況にあった為、世間でのHAZELLへの印象は89年であっても強く残っていたと思われ、ファンにとっても同様な期待感があったのだと思う。
いわば、そのイメージの延長線上にあったという意味では、「48位」というランキングには
納得できる。

これに対し、「BETTER OFF〜」の方は、SAWとしての活動が終結に近づいていたと同時に、
HIP−HOPジャンルが定着しつつある「91年」という時期からすれば、止むを得ない結果だと思われる。
この状況から判断すると、両者はイーブンという考えもある。

この時代背景も考慮しながら、楽曲でみていきたいと思う。
「LOVE PAINS」のオリジナルバージョンを聴いた方はどう感じたでしょうか?
オリジナルとしての落ち着いた中に「原曲を最大に演出したアレンジ効果」というものが表れていたでしょうか?
個人的には、「全く無し」の一言だ。
言い換えれば、リミックスバージョンである「The Rawhide and Bullwhip Mix」を聴いた時、
むしろこちらのバージョンになって、はじめて「原曲に対しての演出」を感じさせた。

一般的には、派手なサンプル音(ウーハーボイスやムチ音)が入ることによって、リミックスバージョン・イメージを感じる傾向があると思うが、よく聴いてみるとそれ程には派手な内容でもなく、むしろ「やっと聴き易い」という域に達したという感じである。

オリジナル・バージョンの方は、兎に角「アレンジが詰まらない」という一言に尽きる。
更に、ボイス・サンプル(PAIN PAIN...)にはSAWとの大きなセンスの違いを感じてならない。

ボイス・サンプルとは、ボーカルの声をサンプリングして、音符に並べることで「打ち込み」特有なノリを加える効果であって、リミキサー技術者気質の強い感覚による、単なる「音遊び」で終わってしまっては魅力が出てこない。
その点、SAWのボイス・サンプルの場合は、基本は立派な「アレンジの一部」として打ち込むという繊細な手法を常に描いている。

話をまとめれば、「リミックス・バージョン」が「オリジナル・イメージ」となり、「オリジナルバージョン」の方は「未完成」というか「駄作」と言ってしまってもいい。
(好きな方には申し訳ありません..。)

これに対し、SAW「BETTER OFF WITHOUT YOU」の方は、元々この楽曲は
UK未発表となってしまった「LONNIE GORDON」のアルバム(90年)に収録されたのが
「オリジナル」という事となっている。

しかし私の憶測では、本来のオリジナルに近いサウンドとは、むしろHAZELLバージョンの方が
基本アレンジ・イメージになっている気がする。
何故なら、SAWの専門ジャンルは「UK−POP IDOL」という「ポップ・ダンス」であり、
LONNIEのような90年代特有な「HOUSEリズム」を原曲としてイメージするタイプの楽曲ではないからだ。

恐らく、「HAZELLイメージ」の原曲が既に作られていたのだが、ポップミュージックが
低迷する時代へと突入してしまった為、「HOUSE−POP路線」として売り出した
「LONNIEバージョン」に、あえて音を入替たのでしょう。

そして91年、SAW終結となるこの時期に「長年の付き合い」であるHAZELL DEANとの
最終ワークとして、レコードセールスを全く意識することなく、あえて本来のSAWサウンドを通したのだと思う。

何故ならば、この時期にHAZELLのような「DISCO−QUEEN」ボーカル・モノが売れるとは到底考えられないからである。(ファンにとっては納得出来る事ではないが...。)

そんな楽曲をリリースした背景はさて置いても、88年あたりであれば確実にヒットしたに違いない。
オリジナルバージョンである「Lickin' Mix」は、「LOVE PAINS」では到底勝ち目のない程の
クオリティに差があり過ぎる。
オリジナルの落ち着いた中にある「原曲を最大限に活かしたアレンジ技術」というものが表れており、地味なサビメロな中にも、正にSAWならではのアレンジ技術によって原曲がメイクアップされている。

なかでも、MATTのギターソロがいい。
非常に細かい部分ですが、後半のサビメロにカブりながらも、ギターの高音を鳴かせ続けるあたりは非常に魅力を感じる。

リミックスバージョンとなった「Touch Of Leather Mix」の方は、以前でも紹介した通り、
SAWの得意ジャンルを最大限に発揮した「2−MIX」作中のセカンド・ミックスであり、
サウンドの方もSAWにとって、84年の始動時期から91年終結までのPWL(PETE 
WATERMAN)を支えた唯一の「永遠のDISCO−QUEEN・アーティスト」に対する
「精一杯の恩返し」の表れそのものだ。
91年というこの時期に、何故このような「PWL HI−ENERGY系」サウンドがリリースされたのか、これこそが全てを物語る答えだ。

そしてこのリミックスバージョンの上手さは、楽曲のミディアムテンポなBPMにも関わらず、
スピーディなアレンジ技術を発揮しているところである。
基本的にオリジナルのアレンジコードを変えずに、特有な音色に合った打ち込みで、オリジナルにない派手な「ダンストラック」としてのノリを生み出している。

87年初期にはよく取り入れられた、懐かしさある「SAW流クラップ」が再び強力に打ち込まれている。
更に2コーラス後のブレイク部分の盛り上げ方も、オーケストラ・サンプルを駆使する等、
相変わらずの上手さだ。
ここが、PWLプロダクションである「お弟子さん達」には一生かかっても出来ない
「SAW−SOUND」の世界なのです。

PWLプロダクションによる作品で言えば、カップリング曲である「Are You Man Enough」が意外にも魅力ある楽曲である。
この手のジャンルのD.Jであれば、是非ともセレクトして頂きたい。
決して「マニアックさ」をアピールする訳ではなく、埋れた「GOOD−TRACK」を見逃す事無く、世間に情報発信して頂きたいという素直な気持ちである。

それにしても、PETE WATERMANは「SAW」をサウンドの軸としながら、
PWLリミキサーをもFULLに活用した幅広いセールス戦略には、積極的な攻撃を緩めることのないパワーを感じさせた。

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