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グッドラック感動のお奨め映画コミュの「パブリック・エネミーズ」

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 映画「パブリック・エネミーズ」は、売れっ子のジョニー・デップを擁して巨匠マイケル・マン監督(「ヒート」「コラテラル」「マイアミバイス」)が、アメリカの大恐慌(1929年)から4年後のアメリカ社会を見事なほどにノスタルジックに描いていた。一人のギャングとその愛人の出会いから二人の逃避行、仲間のギャング達との交流、FBI捜査官との非情な攻防とその結末を余すところなく描いた滅びる男たち(ギャング)の挽歌とも云える作品だ。

 同じマイケル・マンの傑作ギャング映画「ヒート」は現在版だったが、もともとデリンジャーの伝記をモチーフに書かれた脚本だったのではないだろうか。「パブリック・エネミーズ」を見ながらそう考えずにはいられなかった。マン監督は昔からの夢だったデリンジャー映画を思いっきりロマンチックに撮りたかったのではないだろうか。1933年当時のバブル崩壊後の社会と今のアメリカの現状に似たような匂いを感じたのではないだろうか。「コラテラル」や「マイアミバイス」で見せた歯切れのいい現代的スタイリッシュ感は完全に影を潜め、仁義や掟が優先した古き時代のギャングたちを描こうとしたように感じてならない。

 時代背景を紹介しておこう。ウィルソン大統領は1919年1月、憲法を修正し、全国禁酒法を制定した。そして酒の製造・販売を禁止した。もともと酒を飲まない運動が19世紀後半頃からキリスト教信者の間で起こっていたが、そのピークが1919年ということになる。しかし、禁止したところで、愛飲家が酒の味を忘れられるわけがない。当然、密造組織が出現し、マフィアやギャングが暗躍し、結局、ヤクザ社会が市民の間に深く根付いていった。また、禁酒のために予算は使いたくないと、各州も取締を渋ぶり、警察やギャング、政治家との癒着がより深まることになった。10年後の1929年、ハーバート・クラーク・フーヴァー(共和党)が大統領に選出され、禁酒法が失敗だったことを認めた。すでにバブル経済へと突き進んでいたアメリカはさらに株価の高騰という現象が生じた。

 第一次世界大戦後、1920年代のアメリカは重工業の投資、帰還兵による消費の拡張、人口増加、自動車工業の躍進、ヨーロッパの疲弊に伴う対外競争力の上昇、同地域への輸出の増加などによって「永遠の繁栄」と呼ばれる経済的好況を手に入れていた。ダウ平均が5年で5倍という事実からして異常と云うほかない。しかし、バブルが弾ける時がやってきた。1929年10月24日、ニューヨーク証券取引所で株価が大暴落し、またたくまに世界的規模で各国の経済が金融恐慌にみまわれ大恐慌が起こった。世にいう「暗黒の木曜日」である。

 映画「パブリック・エネミーズ」の主人公ジョン・デリンジャーはこんな時代にいた。時代が人を作り上げ、人が時代を動かしていく。司馬遼太郎の作品を読んでいつも感じることだ。高層ビルから多くの人が飛び降り自殺したと云われる「暗黒の木曜日」から4年、4,500社以上の銀行(!?)が倒産し、工業生産は50%減、1933年には失業者が1,300万人に膨れ上がっていた。若者たちには未来が見えてくるはずがなかった。

「今こそ大事、今を楽しく生きる」と広言したデリンジャーは、刹那的に生きることを謳い、汚れた金を集める銀行を何度となく襲撃した。カウンターに置いてある市民の金に手を付けようとはしなかった。貧困に喘ぐ市民も又、彼の生き方を羨望の眼差しで見ていた。そんな先の見えない暗い時代だったのだ。彼の人気を恐れたFBI長官は「民衆の敵、NO.1」としてデリンジャーを血眼をあげて追い始めた。州をまたがる連邦犯罪撲滅法の成立を恐れたマフィア組織もまた、デリンジャーを見捨てる方針を固めていった。そんな一匹狼のギャングに平穏なときなどあろうはずがなかった……。


カチンコグッドラック感動のお奨め度:(71点)

1)オリジナルティーあふれるストーリーと意外な展開は説得力があり、
  しかも様々な愛と哀愁・切なさが含まれている。(20点満点−17)

2)考え抜かれた自然なセリフ(脚本)に何度も胸を打つ(10点満点−6)

3)今までにない主演者の演技とストーリー展開での登場人物の成長・変貌
  ・怒り・悲しみに胸を打つ(10点満点−6)

4)助演者・脇役らに存在感があり、各シーンに溶け込み表情
  ・セリフを自分ものにしている(10点満点−6)

5)動と静の音楽が各シーンの感動を増幅させて、メインテーマは心に残る(10点満点−6)

6)撮影が新鮮で記憶に残るシーンが随所にある(10点満点−7)

7)テンポのいい編集は心地よい緊張と緩和を生み、
  感動のラストシーンへ導いていく(10点満点−7)

8)違和感のない特殊効果は映画の質を落とさずリアリティーを感じる or
  凝った美術・衣装・時代考証は違和感がなく自然で美しい (10点満点−9)

9)総合点:この映画・DVD・ビデオを見てもがっかりしない、満足度、お奨め度(10点満点−7)

コメント(2)

 今日見てきました。

 マイケル・マン監督は相変わらず細部までカメラで追いかけてましたね。
映像へのコダワリは相変わらず凄い。デジタル映像を駆使した、
白黒クッキリした明るい映像美が秀逸でした。
森の中の戦闘シーンの、沸き上がる水蒸気の美しさは絶品!
今までにない手法なのかな。絶品でしょう。

 マリオン はさすがオスカー女優 拷問シーン上手かった。

 感覚的には、映像は美しいんだけど、強盗時のスリリングさが・・いまいち。
ジョニーVSクリスチャンの行き詰まる対決も無しでちょっと、不満。
銃撃戦と言うより銃撃ショーで、
あまり痛み感じなかった。

 最後までラハラドキドキはなかったような・・(;^_^A アセアセ…

 音は良かった。銃撃戦の重低音。映画でしか賞味出来ません。

 
ゴルフfufufu様

>白黒クッキリした明るい映像美が秀逸でした。
>森の中の戦闘シーンの、沸き上がる水蒸気の美しさは絶品!

確かに映像の美しさは凄みがありましたね。

昔、「ゴッドファーザー」を見たときも同じ様な印象を受けましたが、
見ていて思い出したほどです。

クリスチャン・ベイルという役者はどの映画を見ても輝きを放てません。
私にはそう見えるんですがね、残念です。

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