【皐月賞】パンチでホウオーＫＯ！最小キャリアＶで名を刻む
岩をも砕く強烈なパンチだ！ ココナッツパンチが皐月賞最少キャリアＶの伝説を作るか
美浦と栗東の“ヤンチャ”２頭が大舞台での大駆けを狙っている。ココナッツパンチ、ヴィクトリーは、ともに鞍上を振り落としたことがあるヤンチャ坊主だが、パンチはデビュー２戦目の弥生賞で２着、ヴィクトリーも若葉Ｓ優勝と誇れる能力を持つ。完成度が高いフサイチホウオーに迫る粗削りな２頭。本番が楽しみだ。
皐月賞の出走予定馬
◇
ひょっとしたらとてつもない大物なのかもしれない。ココナッツパンチは２月の初陣から、わずか２戦のキャリアで皐月賞の大舞台に立つ。
デビュー前から坂路での動きはひと際目立ち評判になっていた。新馬戦（東京、芝１６００メートル）は返し馬で物見をして吉田豊騎手を振り落とすヤンチャ坊主ぶりを見せたが、レースではしっかりと折り合い、上がり３ハロン３３秒４の脚を使って差し切りＶ。一気に相手のレベルが上がった弥生賞でも、ひるむどころか、直線で外から強烈に伸び、アドマイヤオーラにクビ差まで迫った。いとも簡単にトップレベルとそん色ないレースを繰り広げた。
「（弥生賞は）正直、勝ちたかったけど、この馬の力はかなり見せられたと思う。前哨戦のなかでもレベルは高いほうだったしね」と大久保洋調教師は振り返る。名牝メジロドーベルなどこれまで多くの一流馬を手がけた師が「新馬を使う前からこれだけ手応えのある馬はそうはいない」と言い切る逸材だ。経験の浅さを考えれば上積みはメンバー中一番といっていいし、弥生賞で一線級を物差しにして、非凡な能力、センスを再確認できたことは大きい。
中間は中５週のローテーションを生かし、じっくり調整されてきた。坂路で入念に乗り込まれ、５日には４ハロン５４秒０−３５秒８−１１秒４をマーク。伸び脚は抜群だった。
「先週あたりから気合がぐっと乗ってきましたね。ホントにいい脚を使う馬なので楽しみです」と吉田豊の期待も大きい。調整は陣営の思い描く通りに進んでいる。
かつてトウショウボーイ、ミホシンザン、ディープインパクトなどがキャリア３戦（３勝）で皐月賞馬に輝いたが、２戦での戴冠は皆無。越えなければならない壁は大きいが、ココナッツパンチは皐月賞史に名を刻む資格を十分すぎるほど持っている。
（加藤隆宏）
■キャリア最少Ｖ
ココナッツパンチはこれまで２戦１勝。２歳戦が行われるようになった１９４６年以降、皐月賞最速Ｖはクリノハナ（５２年）、チトセオー（６５年）、トウショウボーイ（７６年）、ミホシンザン（８５年）、ヤエノムテキ（８８年）、セイウンスカイ（９８年）アグネスタキオン（０１年）、ノーリーズン（０２年）、ディープインパクト（０５年）の９頭が記録したキャリア３戦。パンチが勝てば最少キャリアでの優勝となる。なお２歳戦が行われる以前はセントライト（４１年）、アルバイト（４２年）がキャリア１戦で勝っている。他のクラシックではキャリア２戦で、ハギノトップレディが桜花賞（８０年）、フサイチコンコルドがダービー（９６年）を勝っている。
■馬名の由来
ココナッツパンチ（Ｃｏｃｏｎｕｔ Ｐｕｎｃｈ）はココナッツのような硬いパンチのこと。また、ココナッツを使用したカクテル名のこと。
★無敗Ｖへ万全フサイチホウオー！
史上１７頭目の無敗制覇を狙う４戦４勝フサイチホウオーは、共同通信杯以来２カ月半ぶりになるが、坂路で入念に乗り込まれ、「体つき、雰囲気はいい」と松田国調教師は目を細めるばかり。初の中山も「右回りはラジオＮＩＫＫＥＩ杯２歳Ｓでテストしている。スタートは速くペースに合わせて位置を上げたり下げたりできるし、もうひとつ上の“ギア”を入れて全力で走らせたい」と心配はない。きょう１１日には安藤勝騎手を背に追い切り。関口房朗オーナーが栗東を訪れる予定だ。
★ムーンに続くぞアドマイヤオーラ！
弥生賞を快勝したアドマイヤオーラがさらに調子を上げている。「１週前追いの後、馬が戦闘モードに入ってきた。前走で初めて関東へ輸送した疲れはないし、仕上がりは言うことなし」と山口厩務員はニッコリ。ＧＩドバイデューティフリーを制したアドマイヤムーンと同じ、近藤利一オーナー、武豊騎手、松田博調教師の“チーム”でクラシック制覇に挑む。
岩をも砕く強烈なパンチだ！ ココナッツパンチが皐月賞最少キャリアＶの伝説を作るか
美浦と栗東の“ヤンチャ”２頭が大舞台での大駆けを狙っている。ココナッツパンチ、ヴィクトリーは、ともに鞍上を振り落としたことがあるヤンチャ坊主だが、パンチはデビュー２戦目の弥生賞で２着、ヴィクトリーも若葉Ｓ優勝と誇れる能力を持つ。完成度が高いフサイチホウオーに迫る粗削りな２頭。本番が楽しみだ。
皐月賞の出走予定馬
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ひょっとしたらとてつもない大物なのかもしれない。ココナッツパンチは２月の初陣から、わずか２戦のキャリアで皐月賞の大舞台に立つ。
デビュー前から坂路での動きはひと際目立ち評判になっていた。新馬戦（東京、芝１６００メートル）は返し馬で物見をして吉田豊騎手を振り落とすヤンチャ坊主ぶりを見せたが、レースではしっかりと折り合い、上がり３ハロン３３秒４の脚を使って差し切りＶ。一気に相手のレベルが上がった弥生賞でも、ひるむどころか、直線で外から強烈に伸び、アドマイヤオーラにクビ差まで迫った。いとも簡単にトップレベルとそん色ないレースを繰り広げた。
「（弥生賞は）正直、勝ちたかったけど、この馬の力はかなり見せられたと思う。前哨戦のなかでもレベルは高いほうだったしね」と大久保洋調教師は振り返る。名牝メジロドーベルなどこれまで多くの一流馬を手がけた師が「新馬を使う前からこれだけ手応えのある馬はそうはいない」と言い切る逸材だ。経験の浅さを考えれば上積みはメンバー中一番といっていいし、弥生賞で一線級を物差しにして、非凡な能力、センスを再確認できたことは大きい。
中間は中５週のローテーションを生かし、じっくり調整されてきた。坂路で入念に乗り込まれ、５日には４ハロン５４秒０−３５秒８−１１秒４をマーク。伸び脚は抜群だった。
「先週あたりから気合がぐっと乗ってきましたね。ホントにいい脚を使う馬なので楽しみです」と吉田豊の期待も大きい。調整は陣営の思い描く通りに進んでいる。
かつてトウショウボーイ、ミホシンザン、ディープインパクトなどがキャリア３戦（３勝）で皐月賞馬に輝いたが、２戦での戴冠は皆無。越えなければならない壁は大きいが、ココナッツパンチは皐月賞史に名を刻む資格を十分すぎるほど持っている。
（加藤隆宏）
■キャリア最少Ｖ
ココナッツパンチはこれまで２戦１勝。２歳戦が行われるようになった１９４６年以降、皐月賞最速Ｖはクリノハナ（５２年）、チトセオー（６５年）、トウショウボーイ（７６年）、ミホシンザン（８５年）、ヤエノムテキ（８８年）、セイウンスカイ（９８年）アグネスタキオン（０１年）、ノーリーズン（０２年）、ディープインパクト（０５年）の９頭が記録したキャリア３戦。パンチが勝てば最少キャリアでの優勝となる。なお２歳戦が行われる以前はセントライト（４１年）、アルバイト（４２年）がキャリア１戦で勝っている。他のクラシックではキャリア２戦で、ハギノトップレディが桜花賞（８０年）、フサイチコンコルドがダービー（９６年）を勝っている。
■馬名の由来
ココナッツパンチ（Ｃｏｃｏｎｕｔ Ｐｕｎｃｈ）はココナッツのような硬いパンチのこと。また、ココナッツを使用したカクテル名のこと。
★無敗Ｖへ万全フサイチホウオー！
史上１７頭目の無敗制覇を狙う４戦４勝フサイチホウオーは、共同通信杯以来２カ月半ぶりになるが、坂路で入念に乗り込まれ、「体つき、雰囲気はいい」と松田国調教師は目を細めるばかり。初の中山も「右回りはラジオＮＩＫＫＥＩ杯２歳Ｓでテストしている。スタートは速くペースに合わせて位置を上げたり下げたりできるし、もうひとつ上の“ギア”を入れて全力で走らせたい」と心配はない。きょう１１日には安藤勝騎手を背に追い切り。関口房朗オーナーが栗東を訪れる予定だ。
★ムーンに続くぞアドマイヤオーラ！
弥生賞を快勝したアドマイヤオーラがさらに調子を上げている。「１週前追いの後、馬が戦闘モードに入ってきた。前走で初めて関東へ輸送した疲れはないし、仕上がりは言うことなし」と山口厩務員はニッコリ。ＧＩドバイデューティフリーを制したアドマイヤムーンと同じ、近藤利一オーナー、武豊騎手、松田博調教師の“チーム”でクラシック制覇に挑む。
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