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ギリシャコミュのギリシャ現代詩・カヴァフィス

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イタカ        C・カヴァフィス
           訳:ファナ(かなり自由に独断で)


君 イタカに向けて船出するなら
いのれ その旅路の長きことを
あらゆる冒険と発見の驚きとに満ちることを

ライストリゴン人 片目のキクロープス
怒り狂う海神ポセイドン・・・彼らを恐れるな
その旅路で彼らに出逢うことなどない
君が士気高くある限り
研ぎ澄まされた感性がその心身に宿る限りは

ライストリゴン人 片目のキクロープス
荒々しいポセイドン・・・彼らに出くわすことはない
君が彼らをその心の中にひきいれぬ限り
君の心が彼らを映し出さぬ限りは

祈れ その旅路の遠くさまよえることを
初めて訪れる港々に降り立っては 
喜びと愉しみに満ちた夏の朝に迎えられることを
そしてフェニキア人の交易商のいちいちを訪れては
真珠貝や珊瑚 琥珀に黒檀
あらゆる官能的な香料の数々を買えるだけ買うがよい
エジプトの街を訪ね歩いては
賢者に習い そして学べ

いつも心にイタカを抱け
イタカに辿り着くことこそが 君のさだめなのだから
だがわずかとも旅路を急ぐことなかれ
いくとせかかかれば なおのことよい
やがてイタカに錨を下ろす頃には 君は年を経て
その旅路で得た あらゆるものに豊かであり
また賢く
イタカが君を裕福にするなど期待するまい

イタカは君にこの上ない旅を贈ったのだ
イタカなしには君は船出すらしなかったろう
君を送り出したイタカにはもう何も残っていやしないさ

そしてもし君が旅路の果て 貧しきイタカを見つけたとしても
イタカが君をだましたことにはならないさ
豊かな経験とともに君は賢くなり

やがて君は知るだろう

これらイタカのなにを意味するかをさ



コンスタンティヌス・カヴァフィス・・・1863アレキサンドリア生まれ、ギリシャ人。もっとも偉大なギリシャ現代詩人の一人。

この詩はクレタで私が毎日くたくたになるまで働いてがんばっていた頃、市場のカフェニオ(カフェ酒場)で地元の伯父さん達と杯を交わした時に、私の話を聞いた一人が「探せ」といって題と詩人名を贈ってくれました。以後、私の最も愛する詩のひとつとなりました。
先日「アリキアの街」の詩の朗読会で発表した時に、気に入った訳が見つからず急きょ、独断で英語から訳しましたが評判の良かったものです。原文はかなり訛りの濃い、漁師の使うようなむつかしいギリシャ語であるともいわれています。
イタカはイオニア海に浮かぶ島の名でもあります、興味のある方はホメロス「オデュッセウス」へお進みください。

コメント(9)

すばらしい詩ですね。
市場のカフェニオで地元の伯父さんから教えてもらったという出会いがまたすてきです。
「すべての旅人はイタカの市民」という言葉があるそうですね。
いい言葉だと思いました。
私の友人にカバフィスを
研究している
在野の研究者がいるのですが、
ものすごく真摯で謙虚な方です。

その人にこの訳文見せたいな〜〜

上のいきさつまで紹介したら、
ファナさんを尊敬するかも。
まあ、なつかしいところにレスを、
ありがとうございます。

>pirocmaniさん、
ありがとうございます。

>「すべての旅人はイタカの市民」
という言葉があるそうですね。

そうだったんですか。それはまた素敵な言葉ですね。
すべての旅人はイタカの市民。。。
とても気に入りました。
私も、いつか、ひょっとして、
オデュッセウスの帰還した
イタカをみれたら、とおもっていましたが、
この言葉によればすでに、
イタカの市民なのですね。素敵なIdea。

>チェブチェブさん、
カヴァフィスの研究をされている研究者さんですか??
すごい。
いらっしゃるんですね。。やっぱり。。
しかもご友人の方ですか?
、、それはまた、驚かされてしまいます。

>ものすごく真摯で謙虚な方です。
素敵ですね。

>その人にこの訳文見せたいな〜〜
え〜っ!!!大変、だめだめ、笑われちゃいますよ、
いえ、おこられちゃうかも、、
なにしろ、日本語も知らない私です。(おわかりかと思いますが)

、、、でも、その方はひょっとして、
原語から研究されているのでしょうか?!そうでしょうね、
わあ、、。すごいな。。この世界の広がり方。


*****
いきさつ、出会い?
そうでしょうか。。?
ただここには書かなかったんですが、
背景には実は長いストーリーが。

そしてこのとき、この晩の出会いや、
この詩にかなり支えられたのも事実です。
この、女性も一人混ざっていたグループは、
一番とおい奥の席に座っていた常連で、
カウンターで一人レツィーナを飲んでいた私をみつけ、
(私はその日、とてもつらいことがあり。)
ショットを贈ってくれて、
まずは遠い距離から乾杯しただけだったんですよ。

店を出るときには、新しい仲間がいて、
なんとかなるさ、とりあえず明日はカヴァフィスを探そう、と
いつもの私が。

見ず知らずの人でもいつも誰かが、使わされたかのように、
見守ってくれている、そう感じた夜でした。
・・・なつかしいな!

私とカヴァフィスとの出会いです。
聴いてくださってありがとう。

ギリシャコミュをやっていて、よかったなあって、
つくづく感じる今日この頃です・・
IONIC

That we've broken their statues,
that we've driven them out of their temples,
doesn't mean at all that the gods are dead.
O land of Ionia,
they're still in love with you,
their souls still keep your memory.
When an August dawn wakes over you,
your atomosphere is potent with their life,
and sometimes a young etherenal figure,
indistinct, in rapid flight, wings across your hills.

Cavafy
AS MUCH AS YOU CAN

And if you can’t shape your life the way you want,
at least try as much as you can
not to degrade it
by too much contact with the world
by too much activity and talk.

Try not to degrade it by dragging it along,
taking it around and exposing it so often
to the daily silliness
of social events and parties,
until it comes to seem a boring hanger-on.


日本語で紹介するためには、この詩のギリシャ語を探して時間をかけて解釈しなくちゃとおもいます。英語ですみません。力不足の私です。
きゃあっ☆

>フォリオさん。。
実はちょっと期待していました。。(笑)が、こんなにすぐに、しかもタイプしてくださるなんて!!
「求めよ、されば与えられん」もココまでとは。。ず〜っと欲しいなあって、想っていたんですよ。。2年くらい。。ギリシャで探すしかないなって、前からあきらめていたんです。
ありがとうございますっ。。

でもでも、フォリオ先生を前に、訳なんてと〜〜んでもないっですっ(汗)。それより、翻訳されたユルスナールの「カヴァフィス/批評的紹介」とても面白いです。読んでいるとアレクサンドリアが懐かしくなります。フォリオ先生のカヴァフィスの訳が、私はすごく好きです。イタカの訳が、なぜかとても嬉しかったです。
その件は改めてお伝えさせてください。

私はこれを手に、ギリシャ行ってきます?(笑)
まずは早速プリントアウトして持ち歩きます。ありがとうございました。

>皆さんへ
フォリオさんは、上のイタカの詩の後でチェブチェブさんがご紹介されているカヴァフィス研究をされている方です。
チェブチェブさんにご紹介いただき、私がミクシーという世界へ失礼ながらお袖をひっぱって参加していただき、マイミク登録していただき、果てはギリシャコミュにまで参加していただいた次第です。。
カヴァフィスはもちろん、ジョージセフェリスなど現代詩や、ギリシャ文化史などギリシャ語で読まれて研究されていらっしゃる、貴重な貴重なギリシャ〜日本の架け橋のような存在です。

フォリオさん、これからも沢山のギリシャの詩や文化を紹介してくださいね。
管理人の整理べたで混沌としがちなコミュですが、自由に、皆にとって気持ちよく使っていただける場でありたいと想っています。ぜひこちらにも時々お立ち寄りになって、いろいろとお話お聞かせくださいね、よろしくお願いします♪
ギリシャ現代詩のファンがもっともっと増えるといいですね。。

*とりいそぎ、ありがとうございました*
ファナ
「タイプミスがあるかも知れない…」などと言っていたら、本当にかなりタイプミスしていました。ファナさん、すいません。順番が前後してしまいましたが、カヴァフィス詩の原文は以下の通りです。

>ファナさん
御高訳楽しみです。期待していまーす。


 ΙΩΝΙΚΟΝ

Γιατί τα σπάσαμε τ'αγάλματά των,
γιατί τους διώξαμεν απ'τους ναούς των,
διόλου δεν πέθαναν γι'αυτό οι θεοί.
Ώ γη της Ιωνίας, σένα αγάπουν ακόμη,
σένα η ψυχές των ενθυμούνται ακόμη.
Σαν ξημερώνει έπανω σου πρωϊ αυγουστιάτικο
την ατμοσφαίρα σου περνά σφρίγος απ'την ζωή των΄
και κάποτ'αίθερία εφηβική μορφή,
αόριστη, με διάβα γρήγορο,
επάνω από τους λόφους σου περνά.



ΟΣΟ ΜΠΟΡΕΙΣ

Κι αν δεν μπορείς να κάμεις την ζωή σου όπως την θέλεις,
τούτο προσπάθησε τουλάχιστον
οσο μπορείς: μην την εξευτελίζεις
μες στην πολλή συνάφεια του κόσμου,
μες στες πολλές κινήσεις κι ομιλίες.

Μην την εξευτελίζεις πηαίνοντάς την,
γυρίζοντας συχνά κ'εκθέτοντας την
στων σχέσεων και των συναναστροφών
την καθημερινήν ανοησία,
ως που να γίνει σα μια ξένη φορτική.
 >ファナ さん

 昨晩は失礼しました。カヴァフィス原文を書き込んだのはいいものの、タイプミスばかりなので、慌てて打ち直しました。おかげで、ファナさんの有難いコメントの後に原文が来てしまいましたが、全ては私の要領の悪さ。反省しています。

コミュの皆さんにも、私の手落ちでコメントが見づらくなってしまったこと、お詫びします。どうか6番コメントと7番コメントは入れ替えて読んでください。「貴重な貴重なギリシャ〜日本の架け橋のような存在です。」いや、とんでもない。ご覧の通り、要領の悪い田舎者ですから、コミュの皆さん、mixiを通じて色々教えてください。どうかよろしくお願いいたします。

 ところで、ファナさんのカヴァフィスの出会いは意味ありげで、何かしらドラマの匂いが感じられます。ちょっと思い出したのですが、偉大な文学者たちのカヴァフィスとの出会いもドラマティックだったのですよ。
 ユルスナールはカヴァフィスの仏訳者でもあるのですが、彼女とカヴァフィスの出会いがちょっと面白いのです。御存知のようにカヴァフィスは1933年に亡くなり、その二年後にカヴァフィス詩集が出版されます。その頃、ユルスナールはまだ駆け出しの小説家で、アテネに滞在していました。或る晩、自分で書店を開いているギリシア人文学者(おそらく『近代ギリシア文学史』の作者、コンスタンティノス・ディマラス)をタベルナで紹介されて、彼と夜遅くまで文学談義をしていました。すると、ディマラスが「あなたはカヴァフィスという詩人をご存知ですか。あなたのような人は今にすぐ読まないといけません。私の本屋で売っていますから、すぐに行きましょう」と言って、自分の店に彼女を案内しました。もちろん夜中ですから、本屋は鍵がかかって中には入れない。「いいですよ。明日また来ますから」のようなことをユルスナールは言ったのでしょうが、ディマラスは「いいえ。貴方のような人は今すぐにカヴァフィスを読まないといけないのです」と答え、自分の店のショーウィンドーを叩き壊し、ガラスケースに飾られていたカヴァフィス詩集を彼女に差し出したそうです。
 二十年後、ユルスナールはディマラスと共訳でカヴァフィス仏訳を出版しますが、それを読んで痛く感動したのが、イギリスの大詩人W.H.オーデン。感動のあまり、彼は「神々 アントニウス見捨てたまう」を英訳し、友人たちに配っていたそうです。(どんな訳なのか、みたことないですが)。

 偉大な文学者と水道局員詩人カヴァフィスの出会いは、なにかドラマティックなところがあります。それを考えると、カヴァフィスとドラマティックに出会ったファナさんは、そのうち偉大な詩人になるかもしれませんね。

 うん…やっぱり御高訳、期待していまーす。頑張ってください。
フォリオさん、

まったく気にしないでくださいね。
逆にいろいろと気を使わせてしまって本当にすみません。
ミクシーのギリシャ文字って、フォントが小さめなので、タイプミスとかわからないですよね。。
夜遅くまで本当にありがとうございました。
それにしても、こんなに沢山タイプしにくいギリシャ文字をありがとうございました。

ユルスナールのカヴァフィスとの出会いのお話、とても素敵なお話、ありがとうございます。とても印象的で、映像が浮かぶようです。そうだったのですね。ディマラスとの共訳のいきさつ、ドラマティック。出来すぎたお話みたいで、物語のようですね。

そして、、私のいきさつの件、いえいえどうか、くすぐったい話はナシで。お願いします。(笑)
タベルナで話していた話、ギリシャでの生活、次元が違いますから。。ふふ。私は文学的な知識は皆無に等しく。
ただ、、そうですね、カヴァフィスとは本当にいい出会いでした。

ギリシャ人って、本当に哲学的な人が多いとおもいませんか。タフです。考える、深く考える精神力に長けているんですよね。メンタルな意味で、タフでそして繊細なんですよね。

素敵なお話、ありがとうございました。

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