グリムの書いた『ドイツ伝説集』DEUTSCHE SAGEN herausgegeben von den Bruedern Grimm
に、Hans von Hackelnberg ハンス・フォン・ハッケルンベルク について書かれた伝承が幾つかある。
その中に、Der wilde Jäger Hans von Hackelnberg が、よく狩りをしていたという Der Hackel ハッケル山・・・という山が登場する。
ドイツ伝説集172の注には、以下のように書いてある。
1) Im Hackel? Der Hackel: Ein Forst unweit Halberstadt bei der alten Dornburg.
「原注 1 ハッケル山に住むのであろうか。ハッケル山は古城ドルンブルクの近くにあり、ハルバーシュタットから程遠からぬ所。312番を参照のこと。」(『グリム ドイツ伝説集(上)』桜沢正勝/鍛冶哲郎 訳 より抜粋)
参考
http://www.billzhouse.com/landsknecht/sagen/g172.htm
http://www.billzhouse.com/landsknecht/sagen/g312.htm
私は、この der Hackel (ハッケル山)が、ドイツのどこにあるのかを知りたいと思った。
Hans von Hackelnberg は、Braunschweig(ブラウンシュバイク)公国の御猟場管理人であったと言うことだが、ハノーファーの近隣にあるブラウンシュバイクの少し南に、Halberstadtという町がある。
では、der Hackel (ハッケル山)はすぐ近くにあるぞ!
すぐに分かると思っていたが、調べても調べても分からず、数年が経過した・・・。
そのうち、ドイツのあるHPの内容から、Hackelberg の名前は、Hackelberg の両親が Hakelforst(ハ−ケル・フォルスト) 辺りの出身ということから付けられた名前らしいことが分かった。
Ein Forst unweit Halberstadt ということで地図を手に入れて調べてみたら、Hakelforst は、Halberstadt の東の方角20km辺りにあることが分かった。この森の中に、Domburg ドムブルク(m。rn ではない)という城の崩れかけたものがあることが分かった。
しかし、ドイツ伝説集には、古城 ドルンブルクの近く・・・と説明してある。さらに、172に、「ハッケル山については312を参照、」とされているのだが、
http://www.billzhouse.com/landsknecht/sagen/g312.htm
ここには、ハッケル山の名前は出てくるが、詳しい場所についての記述はなく、Der bannte Tut-Ursel in Gestalt einer Ohreule in die Dummburg auf den Harz. と、あるのみ。
今度はDummburg。ということで、混乱してしまった。
ということで・・・「可能性の一つ」として、
Der wilde Jäger Hans von Hackelnberg が、よく狩りをしていたという Der Hackelハッケル山という山は、ハルバーシュタットから程遠からぬ所にある Hakelforst(ハ−ケル森)を候補に挙げることは悪くないと思う。