屋台ラーメン「風に吹かれて」コミュの閉店して丸11年が経ちました

今日で自分の経営していたラーメン屋台を閉店して丸11年が経ちました。
毎年この時期になるとこのことについて書こうと思うのですが、いつも当日になると忘れてしまうのですよ。

最後の営業日は2010年1月31日（日）。
1月いっぱいで閉めて、2～3月は海外旅行して遊んだり、教員になるための準備をしようと思っていました。
最後の日はそれこそ開店から閉店までお客さんが途切れずというか、自分のラーメン作りも途切れる暇がなく、大繁盛のうちに幕を下ろすことができました。

ラーメン屋の日々は酸いも甘いもありましたが、基本的にはとても楽しい思い出として残っています。
今でも半年か1年に一度くらいかな。
ラーメン屋を開く夢を見ます。
大まかなプロットは、なぜか久々に店を開けることになって、昔の作業手順を思い出しながらなんとか開店すると、懐かしい常連さんがぽつぽつとやってくるというもの。
あ、でも昔の手順を思い出しながら開店準備というのは大変なので、基本的には「てんやわんや」系の夢ですけれどね（笑）

ラーメン屋を終えて、教員になって、11年目が終わろうとしています。
改めて振り返ってみると、やはり「ラーメン屋をやってよかった」と心から思える自分がいます。
どう良かったかというと、簡単に言えば「良い経験になった」というすごく平たい言葉になってしまいますが（笑）

教員って、ほとんどの人が社会経験がないままに教員になって、そのまま定年まで行ってしまいます。
たまに民間勤めの経験者もいますが、やはり少数。
自営業経験者に関しては会ったことも噂を聞いたこともありません。

生徒っていろんなバックボーンを抱えていて、そしていろんな生き方をしていきます。
だから、生徒と関わる教員もいろんなバックボーンがあったり、いろんな生き方をしていた方がいいと思います。
勉強がそこそこ得意で、教育学部に入ってとか、そういう人だけでなくてね。
僕は教員として長所も短所も、得手も不得手もある人間ですが、バックボーンや生き方の多様性という部分に関しては自信を持っています。

教員になったばかりの頃、先輩から「ラーメン屋だったことは忘れなさい」と言われました。
そう言われたときは、悔しい思いもしました。
今ならその人が老婆心ながらに、僕に釘を刺してくれたとも思えます。
一方で、「妬みか？」って意地悪に思う自分もいますよ（笑）
そして、ラーメン屋だったことも含めて、すべての自分の生きてきた道筋やバックボーンを現場で生かしていきたいです。
無駄だったこと、忘れた方がいいことなんて、一つもありません。

ラーメン屋だった経験と、教員の今を生かして、例えば公民館でラーメン講座を開きましたし、今でも料理講座をやっています。
そしてまた、そういった講座などで学んだこと、出会った人間関係を教員の仕事の方にも還元できます。
こうやってできる多重で多様な人生が、僕の強みであり、財産です。

人生って、捻りがあった方が面白いですね。
小学校時代の不登校。
中学高校時代の無銭旅行。
大学での野外教育。
ラーメン屋。
通信教育での教員免許取得。
教員に転職。
結婚。
ステップファミリー。
古民家再生。
ヤギとニワトリの飼育。
自給的生活。
こういう転機のたびに、自分の人生に素敵な捻りが加えられていきます。

藁を撚るとしなやかで強い藁縄になるように。
メビウスの輪を何度も捻ると、また思いもかけない作用が生まれるように。
何度も折りたたまれて踏まれたうどんが美味しくなるように。
人生もまた、捻りがあるほどに面白くなっていきます。

これから先、自分の人生にどんな「捻り」が待ち受けているのだろうと思うと、楽しみでなりません。
そんな37歳の現在を、せっかくの記念日なので報告いたしました。
この声が一人でも多くのお客さんに届きますように。

（そういえば、今日も日曜日ですね）

（追記）
ラーメン屋を終えて教員になってすぐに結婚しました。
相手はお客さんで、とてもかわいい女性です。
結婚11年目になります。

高校社会科教員として働いて11年。
2012年暮れに築150年の古民家を買って、自力での再生を今も続けています。
ヤギを飼ったり、ニワトリを飼って鶏卵を自給したり。
長年の夢だったことが一つ一つ実現します。
子どもは3人います。

facebookでも本名の「鈴木良」で、あとはブログもほぼ毎日更新していますので、ご覧いただけると嬉しいです。

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