映画が好きコミュの「愛を積むひと」

北海道は美瑛を舞台にその美しくも壮大な風景に暫し見惚れて　だがアメリカ人作家の原作の為か　それぞれの登場人物に違和感を感じ　生活臭も皆無で人物像も上っ面を撫でただけで　ついに最後まで感情移入ができず　故に何の感動もなく　ましてやお涙も出ず　周辺で報じられる好評判の理由もわからず　老いゆえの不感症かいなと思ったりする残念な映画でもありました･･･

物語のテーマは立派で　会社をつぶした後にこの地に来て　前に住んでいた人がやり残した石の塀を作るために動き出す男だが　石をこつこつと積み上げることが愛を積むことに通じる　そんな風に感じさせながらの物語で　途中で心臓の持病を持つ妻が亡くなったことで途方に暮れるも　残された妻からの置手紙によって深い愛情を感じ取り　娘との長らくの確執も乗り越えて　手伝う若者との対立も解消して　立ち直り石塀を完成させるまでを描いたお話で･･･

だが何といっても素晴らしいのは　佐藤浩市の白髪交じりの渋い表情と　彼に寄り添う樋口可南子の清楚な美しさで　いつも仲睦ましく森の中を散歩したり　家庭内での仕草表情も常にふわっとした雰囲気が漂って　会社倒産の片鱗がどこにも見えない不思議を感じつつ　一事が万事こんな調子の　ちょっと調和の変調を感じたりしての　でもマジメで真っ直ぐな立派な！映画であることには違いなく･･･