映画が好きコミュの「トイレット」

日本映画？でありながら全てのセリフが英語で　場所もトロントで　出てるお人ももたいちゃん以外はすべて外国人で　題名もこんなケッタイな　という妙にして印象に残るある意味スゴイ作品で･･･

荻上直子監督が「かもめ食堂」から「めがね」を経てここに至ったコレは　前の作品から大きく脱皮した生々しくもユニークな人間ドラマで　哲学的とも言える人間の内面の欠落した心の立ち直りを独自の視点から描いて･･･

ここで見せる洒落っ気は　母の葬儀から始まって祖母の葬儀で終るというその間の物語で　そこに食と排泄の大切さを通じて断絶した家族や社会との関わりも盛り込んで　三兄弟とばぁちゃんの会話の無い接点を絶妙のうまさで見せて･･･

ばぁちゃんは娘の葬儀にトロントまで来るが英語が喋れないのか部屋に閉じこもってほとんど出て来ず　同じく長男も優秀なピアノ演奏家ながら演奏会でパニック症状を起こして以来外出できなくなって　次男は研究所で働くがガンダムオタクで同僚の話しかけにも鬱陶しく感じる自己中の男で　妹は大学生だが極めて偏屈な性格のために恋人も居らず　この断絶ゴッコのような家庭で繰り広げられる普通になるための再生と自立のお話ながら･･･

なかなかもって妙なる含蓄と成る程的な示唆を方面にちりばめながら　それぞれの音で持ってその雰囲気や内面描写をして　それは餃子で象徴される美味しそうな焼く音と食する音で　それはトイレで象徴される毎朝の排泄によって流される水の音で　それは使われてないミシンやピアノが再び日の目を見る活発な音で　それは見えないエアーギターからかもし出される聞えない音で　それは人間にとって生きる上で関係のある音や関係のない音で　それはそれは賑々しくも深遠なる音色を聞かせながらの快音を放ち･･･