映画が好きコミュの「１７歳の肖像」

イギリスのイギリスらしいイギリス式上昇志向とイギリス式教育法を描いたイギリス映画で

彼女は名門オックスフォードを狙う成績優秀なる高校３年生の美しい乙女で　級友や教師も一目置く生意気盛りの存在ながら　ある日　雨に濡れてチェロを抱えての帰宅中に若くない男から声をかけられ　雨に濡れるチェロが忍びないからと巧みに車中に誘われ　名車でチェロと一緒に家まで送り届けてもらって･･･

彼女は後日その男と街中で偶然会った事から交際が始まって　演奏会や夜会や仕事も兼ねてオークションにも一緒に行って　両親にも挨拶したいと彼女の家に訪れるが　両親は年の違いに驚きながらも物知りで金回りの良い卒のない男をすっかり気に入って･･･

彼女のそんな年上男との交際が学校でも話題となって　校長や教師から注意を受けるがものともせずにすっかり恋のトリコになって　両親から一泊旅行の許可も得て１７歳になった彼女は旅先で処女を男に捧げて･･･

彼女は男の相棒らと一緒にちょっと胡散臭い仕事にも付き合ううちに世慣れして　婚約指輪を貰った事で学校に行く意味を失くして退学届けを出し　校長や教師が説得するも聞く耳を持たず　あれほど教育熱心で厳格だった両親もすっかり男に垂らし込められての･･･

そしてワクワク気分の一家が男にディナーを誘われて行く途中でガソリン入れて　男が車から離れた時に何気なくダッシュボードを開け　そこに入ってる封書を見た彼女は激昂して家に帰り　それ以後男も現れる事無く･･･さぁ何を見たかはもうお解かりと思いますが　そう　あれでんねん

薄っぺらいメロドラマの様相をしながら　それがなかなかもって骨も身もある作品で　１７歳の少女のそして家族の上昇志向の有り様を眺めながら　両親の厳格にして一見教育熱心な彼女の才能に賭ける中流の家庭おいて　吝嗇家故に外部とのつながりのない偏狭にして世間知らずの家庭の脆く崩れるサマを冷静に見つめて･･･

１７歳の少女の生意気さが高じて安易な金儲けや気楽に楽しく過す甘味な生活のトリコになって　学校に行く意味のない事を校長や教師にぶつけるが　熱病に憑かれたような彼女を論破する事が出来ず･･･

１７歳の少女のやっと眼が覚めた様子は　ひとりで校長に復学を頼み込むがあっさり断られ　散々侮辱した教師宅に赴いて見た風景は　あの地味で陰気な教室の姿とは違って実に明るく清潔そうな部屋に高価ではないが趣味の良い飾り物や書物が整然と並べられて　あなたが来るのを待っていたと云われ･･･まさに教育のなんたるかを示して　安易な近道よりも険しい遠回りの重要性をキッチリと･･･