映画が好きコミュの「月に囚われた男」

ちょっと奇妙な好奇心と恐さを体現さす近未来のＳＦ的ミステリーで

彼は月の裏側で地球に必要な太陽エネルギーを含んだクリーンな燃料を採掘して　ソレを地球に送り続けてやがて任務期間の３年が経って　終了までに２週間と迫り･･･

彼は世界最大の核燃料生産会社に雇われ　たったひとりでこの任務を遂行して　地球には美しい妻と可愛い子供が彼を待ちわびる中で直接の交信はつながらず　昔のモニター画像を見て寂しさを紛らわすが　周辺で世話を焼くロボットがいつも話しかけて･･･

そんなある日　彼は掘削作業中にトラック事故を起こして気を失い　気が付いたベットの前には彼ソックリの男が話しかけて　何とソレは彼のクローン人間で　ちょっと性格の違う男と何となく仲良く過す中で本部から事故に対する救援隊を送ると連絡があり･･･

彼は体力の衰えを感じながら妻と話したく　電波妨害する塔を倒して直接地球の家に電話するがそこで出たのは幼女のはずの娘が１５歳になって　妻は既に亡くなって･･･

彼はこのショッキングな事実を前に何となく不可解な感じを抱き　急遽秘密の部屋を探し出して　そこには幾体もの彼のクローンが眠っており　彼もまたクローンに過ぎない事を知って寿命を感じ出し　結局は永遠に帰れない事に気が付いて　もうひとりの彼に救助隊が来る前に地球への脱出を言い残し　自らを事故者の中へ入れさせてそこで死に　更なるクローンをひとり目覚めさせて数を合わせ　仲良くなったもうひとりの彼は小型ロケットに入って発射ボタンを押して･･･

実にスリリングにしてケッタイな近未来を描き出して　この無機質の世界で唯一救われるのはロボットの妙な親切心で　会社の所有物ながら何代にも渡って彼と彼のクローンに仕え付き合って　それによっていつの間にか人間の感情がロボットの人工脳に刷り込まれて　あげくの果てに彼に有利な行動や発言をしてロボット正義を貫いて　まさに人間社会の不信感を最大限に皮肉っての描写で･･･