ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

いにしえより生きたる大名屋敷コミュの赤石剛次

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

これより第25回男塾入塾式を取り行なう。一号生筆頭赤石剛次!前に出よ!!
『押忍!』
ゆっくりと前に進むその男は この変わり者ぞろいの生徒の中にあって、ひときわ
異彩を放っていた。頭髪は雪が降り積もったかの如く白く、背中には年代物の
剛刀を背負っていた。赤石がステージの階段を上っていくと、ただ者ではない
雰囲気の男が立っていた。
「貴様が赤石剛次だな」
『ああ、そうだが?』
「ふふ、いい目をしておる。貴様になら・・・・」
『は?』
「いや、こっちのことだ。それでは一号生筆頭赤石剛次、及び99名の男を
本日付けをもって当男塾の塾生とする。わしが男塾塾長 江田島平八である!!!」
ものすごい大きさの声だったので、窓がすべて割れてしまった。その声を一番近く
で聞いた赤石にとっては、たまったものではない。
(うるせー声だぜ) 心の中でそう思いながら、赤石は階段を降りていった。
「これにて入塾式を終わる。この後は全員、校庭に集合じゃ〜〜!!」
旧日本兵の軍服を着た男が叫んだ。



「よーし、全員集ったな。わしは鬼ヒゲと呼ばれておる。今日はかわいい貴様らの
ために、この精神注入棒で男塾名物根性バッタを100回ずつくれてやるわ!!
さあ、ズボンを脱げい!!」
『バカバカしすぎる』
そう思い、赤石は木陰で休もうと歩いていった。
「待て待て待て〜い、貴様どこに行こうとしておる。まだ男塾の怖さが・・・・
ん〜〜〜〜?げっ!!」
『どうかしたのか?』
赤石が尋ねると鬼ヒゲは声を震わせながら聞いた。
「き、き、貴様の刀の銘はなんだ?」
『銘だと?一文字兼正だが?』
「す、すると、やはり貴様は一文字流斬岩剣の伝承者か」
『そうだ』
「貴様になら奴に勝てるやも・・・」
『誰だ?その奴ってのは?』
「い、いや、こっちのことじゃ〜」
『塾長って奴も同じような事を言っていたぜ。一体何の事だよ』
「ぬう、そ、それでは話さねばなるまい。奴の名は大豪院邪鬼!この男塾に
入塾して10年というのに、未だに三号生共を率いておる」
『なるほどな、そいつに引導を渡せというわけだな。いいぜ、そいつはどこにいる?』
「ま、待て〜〜!はやまるな〜〜!そこに行ってもすぐに邪鬼と闘えるわけではない
だぞ!!鎮守直廊といって、そこには3人の番人が・・・・・」
『いちいちうるさいぜ。どこにいるかだけ教えてくれればいい』
「ぬ、ぬう、で、では仕方がない。奴は東校舎裏、天動宮を根城としておる」
『分かった。それじゃ行ってくるか』
「さ、最後に一つだけ聞かせてくれ」
『なんだ?』
「なぜお前は自分から死地に飛び込もうとする?」
『そこにしか俺の存在理由がないからだ』
赤石は微笑をもらし、天動宮へと走っていった。
「お前の健闘を祈っているぞ〜〜!!」
遠くで鬼ヒゲの叫ぶ声が聞こえた。



『ここか・・』
天動宮は縦に長い形状をしていた。
赤石は勢いよくドアを蹴り開けた。そこに待っていたのは地面から突き出た無数の
トゲと、その上に座っている男だった。
「わしの名は鎮守直廊 万針房番人の独眼鉄。主の名は?」
『一号生筆頭 赤石剛次』
「ふふ、では赤石、貴様に問いかけをする。見事答えきれるか?」
『何でもいいから早くしろ。』
すると突然 独眼鉄は大声を張り上げた。
「男、とはなんぞや!!? 命、とはなんぞや!!?」
大気が震えるが如くすさまじい声だ。
「さあ答えんか!!男とはなんぞ!?命とはなんぞ!?かかってこい!!」
『ふん、後悔するぜ』
そう言うと赤石は目を閉じ、気を練り始めた。
はぁーーーー!!
赤石の目が開くと同時に名刀一文字兼正も鞘から抜き出された。
一文字流奥義 斬空衝!!!
ゴウッ!!空気が切り裂け、衝撃波が独眼鉄に襲いかかった。
「ふっ、見事だ!」
独眼鉄がそう言うのと同時に、赤石の放った衝撃波は独眼鉄の顔をかすめ、
後ろのドアにぶち当たった。
「お主の男、とくと見せてもらったぞ。さあ、先に進めい」
そう言って独眼鉄は自分に横にあるボタンを押した。
ゴゴゴゴゴ・・・・・・
音を立てながら無数のトゲが地面に消えていった。

赤石は次の部屋に進んだ。その部屋の奥にはろうそくが立っていた。
赤石がそのろうそくを見るのと、自分の足が即効性コンクリ−トで固められる
のはほぼ同時だった。
「ふふ、よく来たな」
不意に天井から声が聞こえてきた。
「わしの名は蝙翔鬼。この鎮守直廊垂溶房の番人よ。貴様の頭上を見
上げて見ろ。面白い物があるぞ」
赤石が自分の頭上を見上げると、そこには水槽がぶら下がっていた。
「その中には濃硫酸が入っておる。そしてその水槽は一本の綱でつながれて
いる」
その綱がくくり付けられている所にろうそくがあった。
「ククク、もう分かっただろう?さあ、早くせんと骨だけとなってしまうぞ。
ん〜〜〜〜?恐ろしすぎて声も出んのか?」
『説明は終わったのか?あまりに長すぎてつい うとうととしちまったぜ。』
「ぐぐぐ、き、貴様ぁーー、そんな戯言は二度と言えなくしてやる。
くらえい、天稟掌波ーー!」
そう言い放ち、蝙翔鬼が掌を赤石に向けたとたん、赤石の体が切り裂けた。
「ふふふ、どうだ、天稟掌波の威力は?」
『あのなあ、俺は急いでいるんだ。もう先へ行かせてもらうぜ』
「なにを世迷いごとを。貴様の足はコンクリ−トで固められておろうが」
『ふん、、、」
赤石は深呼吸をした。
『はあーーーー、一文字流奥義地裂衝!!」
赤石が地面に刀を突き立てると、コンクリ−トが粉々に砕け散った。
「ひ、ひい」
『どうした?もうおしまいか?』
赤石は蝙翔鬼に刀を突きつけた。
「く、くそ、仕方あるまい」
そう言って、蝙翔鬼は横のレバ−を引いた。すると奥のドアが音もなく開いた。
「さ、さあ、行け。だが俺を倒したぐらいでいい気になるなよ。」
赤石は蝙翔鬼の言葉も聞かず、次の部屋へ進んだ。

次の部屋に入るや否や赤石の後ろに柵が降りてきた。
しかも、その柵には電流が流れているというオマケ付きだ。
「ククク」
不意に笑い声がした。赤石が振り返ると奥の方に男が立っていた。
「私の名は男爵ディ−ノ、この鎮守直廊紫電房の番人でございます」
ちょっと間違ったジェントリズムを植え付けられたような格好をしている。
「さあ、お進みなさられい。我等が三号生筆頭殿はこの奥の大広間でお待ちかねです」
『それじゃお言葉に甘えさせてもらうぜ』
そう言って赤石は歩き出した。、
「クク、ただし生きてたどりつけたらの話ですがね」
そう言ってディ−ノはレバ−を下げた。突然、赤石の足元がベルトコンベアー
のように動き出した。
「さあ、あなたを世界一のランナーにして差し上げましょう。速く走らないと
丸コゲですよ」
赤石は柵のほうへと向きを変えた。
「な、なにを・・・?」
赤石の目の前には高圧電流の電気の柵が待ち構えている。赤石は刀を抜いた。
『一文字流奥義 極速剣!!』
赤石が刀を鞘に納めると柵はバラバラになって地面に落ちた。
「な、なぜ刀で斬ったのに電流が流れないんだ?」
『簡単な理由だ。電流が刀に伝わるよりも速く斬ったまでの事。俺は銃の弾道
をも見切る事が出来る』
「私と貴方は根本的に違うようですね。さあ、今度こそお進みなさられい」
そう言うとディ−ノは横のレバ−を上げた。
そして、ベルトコンベア−の動きが止まった。
「ふふ、貴方のような男には久しぶりに会った気がします」
ディーノの言葉を聞きつつ、赤石は最後の扉を開けた。

入ると同時に赤石は異様な殺気を感じ取った。そして、その殺気は身長
17メートルもあろうかという男から放たれていた。
(で、でかい。なんだ こいつは?)
「よく来たな。俺が三号生筆頭 大豪院邪鬼だ。さあ、どこからでもかかってこい。
俺はこの場から一歩も動かん」
『な、なめるなぁーー!』
赤石は一直線に走り出した。けぇぇ〜〜 一文字流斬岩剣!!
ドカッッ!!赤石の刀が邪鬼の肩に食い込んだ。
「ふ、見事な太刀筋だ」
邪鬼は赤石の刀を引き抜き、手で握り締めた。
「ふん!!!」
赤石の刀は粉々にされてしまった。
「では、俺も攻撃するぞ!ぬううううう・・・・
大豪院流真空旋風衝!!!」
邪鬼は天井に向かって技を放った。
邪鬼の技は天井を突き破り、天空へと上っていった。その先にあったのは・・・・
月だ!!!!

ドガァン!!!!!

すさまじい音がした。赤石が空を見上げるとそこにはもう月がなくなっていた。
「貴様にこれが受けられるか。ゆくぞ!大豪院流真空旋風衝!!!!」
(だ、駄目だ・・・・)
赤石はそう思い、目を閉じた。
だが、彼は満足していた。自分が唯一 存在できる場所で死ねるのだから・・・・・

ドガァァァン・・・・・・

「どうした、目を開けい。赤石よ」
赤石はそっと目を開けた。邪鬼の技は赤石の横を通っていったようだ。
『な、なぜ殺さなかった?情けをかけたのか?』
赤石が聞くと邪鬼は微笑を浮かべ、
「ふふ、この俺に傷を負わせた奴は久しぶりだ。貴様の中に男を見た。どうだ、
俺の側近にならんか?」
(か、勝てない。この人には。腕の強さにおいても、心の強さにおいても)
そう思い、赤石は返事をした。
『はっ!喜んで!!』

この数年後、後に男塾総代を務める剣桃太郎が入塾するのである。


[完]

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

いにしえより生きたる大名屋敷 更新情報

いにしえより生きたる大名屋敷のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング