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ナタリー・デセイコミュのMETライブビューング ルチア

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METライブ・ビューングにて、
デセイ出演の「ランメルモールのルチア」観てきました。


デセイだしな…また十八番的な演し物だしな。
たぶん良席は埋まると予測して、
あらかじめ水曜に席を押さえておいた。
でも、行ってみたら結構ガラ空き。


演出のジマーマンは「アルミーダ」の前例もあるので、
結構前衛的な舞台化と思いきや
最初の舞台はスコットランドのヒースを思わせるもの。
で、次は大きならせん階段を中央に配したもの。
いずれも簡素ながら歌を邪魔しないものだった。
時代的には少し進ませてあって、
ヴィクトリア調の出来事として演出がなされている。
茶やベージュを基調としたとても落ち着いたものだった。
また、旧弊なお家事情を表すのに、
ヴィクトリアン・ブレーン的発想が連想されるからよかったのかも。
現代的な読替演出をとことん嫌う人もいるが、
史実を無視してはいるが、こうした効果的な読替はすばらしい。
また、6重唱でのカメラ!や、終場のコウモリ傘など、
小道具も非常に気の利いたものだった。


さて、デセイ。
今回も手の内に入った非常に手難い演唱を聴かせてくれた。
頭声から胸声に下りるときに、3回くらいミスがあったが、
それはご愛敬。実に感動的なルチア。
マリア・カラスは言葉に重きを置いたのは有名。
たとえば狂乱の場のfanntasma!という言葉に、
彼女は空恐ろしいほどの震えを感じさせてくれた。
デセイはもうちょっと長い「セリフ」の単位で、
なおかつ適切な演技を伴いながら劇的表現を行う。
その際、もしかしたら声楽的に破綻をきたしても、
彼女は役作りの方に没頭するのであろう。
それが、舞台に置いて非常に効果的に観客の心を捕らえる。
声楽的と言えば、
彼女の歌唱法は非常にスリリングではあるが、
独特で非常に消耗がはげしいものだと実感する。
往年…といっても数年前だが、
に比べて声の響きがこもりがちになっていることも見て取れた。
ただ、その分やはり卓越した演技力でカヴァーしており、
彼女の今後の自分声との折り合いについて考えさせられた。
とにもかくにも、現代最高のルチアに大拍手。
(アンコールの嬌声!や楽屋の彼女は、
クレイジーなほどに明るかった)


対するカレーハは、
最初はエドガルドには声が軽すぎるかと思ったが、
だんだん調子が出てきて、
ルチアを罵倒する場とか最終場とかは、
非常に感動的な歌を聴かせてくれた。


エンリーコのエジエは、
往年のレナード・ウォレンを思わせる、
まことに重厚な声のバリトンで、
最初のアリアから度肝を抜かされた。
そしてそれがエンリーコの旧弊さを表していて、
この悲劇における悪役にはうってつけであった。


何はともあれデセイと同じ時代に、
生きることができた幸せを喜ばねばなるまい。



脇の人々もそれぞれ上出来。
できればアルトゥーロはもっと醜い(!失礼)
人が演ずればルチアの悲劇も増すというもの。
アリーサを歌った歌手は年配の人だったが、
若い侍女よりもこの方が、
ルチアをかばう乳母的な役割がよくわかった。

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