Stranger & Gladdy [ Over & Over Again / Love Me Today ](W&C)
デューク・リードのトップ・シンガーであったスカ時代から数年後、パッツィーとのデュオ「Your Photography」や「DownThe Train Line」をソニア・ポッテンジャーのもとより大ヒットさせた頃、ストレンジャーは当時コクスンの看板歌手であったデルロイ・ウィルソンと共にレーベルを始めた。彼らの頭文字からW&Cと名付けられたレーベルはリン・テイトと肩を並べる偉大なギターリスト、ハックス・ブラウンやピアノとヴォーカルを担当したグラッディー・アンダーソンを軸とした最高のメンバーをバックに数枚のシングルを録音した。短命であったが残したタイトルは全て素晴らしく、多くのレゲエ・シンガーの愛するビッグ・チューン「I Wanna Love You」や「Once Upon A Time」はここから始まった。今回はこのレーベルの中でも特にコレクターズの評価が高い2曲で、当時ジャマイカ盤しかプレスされなかった。ストレンジャー&グラッディーの切ないメロディーとハーモニーはロックステディの金字塔である。
Millicent Todd ( Patsy ) [ It's So Hard Without You / A Man Is Two Face ](Gayfeet)
何故日本人はパッツィーが好きなのか?それは彼女のもつ哀愁というか黄昏のカリスマと、その切ないメロディーだろう。抒情性溢れる歌唱法と美しいルックスで歌う女心は素晴らしく、今だ右に出るものを僕は知らない。ストレンジャー・コールやデレク・モーガンのパートナーとしてスカ時代に既にスターであった彼女だが、ミス・ポッテンジャーのもとに来るまではソロで歌う事は稀であった。それはアーティストの力量からでは無く、察するに当時ジャマイカにあった男尊女卑の文化的差別意識から男性プロデューサーは彼女だけにスポットを当てる事をしなかったのだと思われる。今も昔もジャマイカでは唯一の女性プロデューサー、ミス・ポッテンジャーこそが彼女の最高の理解者であり、だからミス・Pのプロダクションから「You Took My Love」や「Love So Divine」等、数々の名曲が生まれたのである。今回のリリース、A面はゲイ・フィート・スタイルのラヴァーズ・ロック・ステディでB面はアン・シェラトンの1942年モノのファンキー・レゲエ。