石川県の阪神タイガースファンコミュの首位巨人に接近０・５差

★序盤に攻勢！首位巨人に接近０・５差

雨上がりの甲子園に、大きな２本の“虹”を架けた。
ブラゼルがキングの底力を見せつける１発を放てば、城島が連続試合安打を「１２」に伸ばす会心の一撃で続く。
横浜に強烈な先制パンチを食らわせた。

二回だ。
一死からブラゼルが試合を動かした。
横浜先発・大家のカットボールを思い切りすくい上げた。
強烈な浜風を打ち破り、打球は右中間スタンドに着弾した。
「（打球が）上がりすぎたし、風もあるのでダメだと思った。ファンの声援がひと押ししてくれたね」

３試合ぶりのアーチで、後続を引き離した。
デーゲームで巨人・阿部、ラミレスがそれぞれ１発を放ち、本塁打王争いトップタイに並んでいたが、再び単独首位に躍り出る３０号ソロ。
自身初の大台で先制点を奪い取ると、城島が流れに乗った。

「風、風、ナイス　ウインドよ！」大家の直球を完璧（かんぺき）にとらえた。浜風に乗せて左翼席へ。
７試合ぶりの１５号ソロをたたき込み、２点差とした。
午前中から甲子園は雨。それでも「気持ちは切らしていない」と話していた言葉通り、１打席目で結果を出した。

横浜の先発・大家をまたも攻略した。
６月１４日の前回対戦（横浜）では、４回９安打７得点と打ち込んだ。
相性のいい相手との２戦目。
猛虎打線が勢いを見せつけた。

三回だ。
先頭のメッセンジャーの飛球を、左翼手・スレッジが落球したのをきっかけに満塁とすると、マートンが右前へタイムリー。
打点を挙げれば目下１０連勝中の助っ人の一撃で追加点を奪うと、新井の二ゴロが適時失策となる悪送球を誘い、一死二塁からブラゼルが右前適時打。
一挙４点を奪い試合を決めた。

そして、ついに首位をつかまえた。
中日に３連敗した巨人に、これで０・５ゲーム差。
５月２日にゲーム差なしで首位に立って以来の最接近だ。
１３日からの甲子園での直接対決。そして首位奪取へ。
勢いを増す猛虎打線が、宿敵を迎え撃つ。

★メッセンジャー、６回６安打２失点で来日初勝利

これが真の姿なのか。
来日初先発となったメッセンジャーは６回を６安打２失点にまとめ来日初勝利を挙げた。
ブラゼルと共に初めてのお立ち台に上がると笑顔がはじけた。

「本当に気持ちいいね。競ったペナントレースでチームに貢献できたのは本当に大きい」

１５０キロ超の直球とキレのある変化球を交えて打者を翻弄（ほんろう）。
４回と６回にはいずれも先頭の内川に一発を浴びるも、動揺しなかった。
４回、内川に本塁打を浴びると、続く村田には右前打され無死一塁。
それでもスレッジを１３８キロフォークで空を切らせると続くハーパーはフォークで二ゴロ併殺打に仕留めた。

「時間がかかったけどよかったと思う」

４月１７日の横浜戦を最後に２軍降格。
５月上旬には首脳陣から先発転向を命じられた。
２００３年に所属していた米大マーリンズ２Ａ時代以来だったが、助っ人は腐るどころかそれを素直に受け入れて昇格の時を待った。
「チームの勝利に貢献できるならなんでもやると言って日本にきたんだから」。野球に対する真摯（しんし）な姿勢が実を結んだ瞬間だった。