女たるものコミュの小池系

■2008/09/10 (水) 小池系(1)

「小池百合子　異様な上昇志向の原点は
大風呂敷ブローカー父親の倒産」
悪意が混じった週刊誌の見出しを見て、結局
のところ、日本というのは男社会だなぁと
しみじみする。政治家を志すなら、誰もが
総理大臣になりたいと思うもの、チャンスが
あれば総裁選に挑戦したいでしょ。男性が
総裁に立候補しても何も言われないが、
女性が立候補すると「上昇志向」「野心家」
と言われるなんてちょっとおかしくない？

といっても、私は小池さんを支持している
わけじゃない。クール・ビスと打ち水が
政治家としての業績といわれても何だかな
と思うし、防衛大臣時代のマダム・スシ
スピーチもはっきりいって寒かったと思う。
それなのに、小池叩きになんだかなと思うのは、
そこに「階級闘争」を感じてしまうから。

小池さんをたたく人は、彼女のその「女っぽい部分」
が嫌だと言う。確かに、小池さんは女っぽい。
さっぱりしたコメント（私はいつも直球です）をし、
外見では女らしさをアピール、いつも実力者のそばに
当然のように侍る。本当かどうか知らないけれど、
小泉さんが首相時代、官邸に手料理を持って
通いつめたとか何とか。男尊女卑企業で好かれる
OＬの典型のようなお方だ。
（男尊女卑OＬって何？というあなた。「もさ子の女たるもの」
をお読みいただくと、驚異的に理解できるようになっております！
AmazonへGO！）遠くから見てる分には構わないけれど、
そばにいたら嫌だ。

■2008/09/10 (水) 小池系(2)

にも関わらず、彼女に否定的な気持ちになれないのは、
「何にも持たない人は、何でも利用するしかないから、
しょうがないよね」と思うから。

政治の世界に、二世、三世が増えている。
ここ三代の首相は言うに及ばず、女性議員も
ほとんどが世襲。知名度の高い女性政治家、
たとえば野田聖子さんも田中真紀子さんも
小渕優子さんもみんな親の名前を引き継いだ人。

でも、小池さんは違う。政治家の子供でない彼女には、
引き継ぐ「財産」がないんだから、自分をフル稼働させて、
アピールしていくしかない。男が美人に甘いことくらい
生きてれば誰でもわかることなんだから、彼女が美貌を
有効活用するのも当然と言えば当然だ。

スケールはだいぶ小さくなるけれど、私の今の職場も
世襲の嬢ちゃん、坊っちゃんが多い。
お父さんもおじいちゃんもここに勤めていましたなんて
人はざら。バイトの女の子にもその方針は持ちこまれ、
今働いている子の六割は縁故系となっている。

それでは、後の四割はどんな子かとうと、
「小池系」なのだ。素晴らしい系類は持たないかわりに、
自分のアピールポイントを最大限に利用する。
バイトの女の子は少なからず社員さんと結婚したいと
思ってここの職場にやってくるが、最近「小池系」
の子が社員さんと結ばれることが多く、世襲系の
バイト嬢は文句たらたら。
「私たちはおっとりしているから、あんなことできない」
「女を使ってずるい」。
彼女たちの言い草と小池バッシングに、私は同じ匂いを感じる。

私が知らなかっただけで、日本は結構な世襲社会なんだと思う。
おいしい権利は親から子へばっちりリレーされる。
そこへ新参者の女がわずかな隙間に飛びこもうと思ったら、
「女らしさ」を滴らせて、権力者である男に好かれるしかない。

女性議員が珍重されるのは、彼女たちを前に出すこと
によって、男女平等を実行するリベラルな党である
ことをアピールするためだけれど、その男女平等を
進めようとすればするほど、「女の嫌いな女っぽい女」
が出来上がるというのは、皮肉なことですね。