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半可通のための経済学講座コミュの通貨発行益について

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財政政策の財源として、日銀の国債引受や政府紙幣による通貨発行益(シニョレッジ)の活用が議論されることがありますが、その副作用と通貨発行益の本質と何でしょうか。




「最近、財政政策の資金源としてのシニョレッジに期待する声が聞かれています。例えば、「政府紙幣」の議論はその一例とみることができます。「政府紙幣」の発行は、その仕組み如何によって、「国債の市中発行」か、あるいは「無利息永久国債の日銀引受け」の、いずれかと実質的に同じになります。後者の場合、前節の議論でいえば、財政赤字を民間からのファイナンスに依存するのではなく、結局、日本銀行が国債を引き受けることによって、その分中銀マネーの供給を増やすことと同じになります。こうした国債の日銀引受は、財政規律上の問題から財政プレミアムを拡大させたり、日本銀行の財務の健全性に対する疑念を通じて、通貨に対する信認を害するおそれがあります。

 時間を通じたシニョレッジの使い方に関する問題もあります。物価の安定と、長期的なシニョレッジを最大化するインフレ率が一致するとは限りません。政府が、中央銀行が望ましいと考える安定的なインフレ率から実際のインフレ率を乖離させ、シニョレッジを変化させることは可能です。しかし、図表4でみたように、長期的にはシニョレッジの増加には限界があります。したがって、財政赤字をシニョレッジによってファイナンスするということは、結局、シニョレッジを前借りするということにほかなりません。政府が先取りしてしまう分だけ、中銀マネーの供給の見返りとして得られる、将来国庫に納付されるシニョレッジが減少することになります。

 独立して金融政策運営を任されている中央銀行としては、政策の評価がそのバランスシートで示せることが、透明性と説明責任の観点から望ましいと考えています。しかし、財政政策のファイナンスとしてシニョレッジが先取りされてしまいますと、それによって日本銀行の財務指標が振れ、財務の健全性の評価が困難となり、その責任の所在も不明瞭となりかねません。」

www.boj.or.jp/type/press/koen07/ko0903a.htm





「日本銀行の経理では、皆様の企業のものとは異なり、当期剰余金から法定準備金と出資者に対する配当金を差し引いた残りの全額を国庫に納付する仕組みになっています。日本銀行のバランスシートが損なわれれば、通貨の価値が脅かされるだけではなく、政府は国庫納付金という収入を失います。言い換えれば、現在の財政状況の下では、日本銀行の財務の健全性が損なわれることは財政赤字の増加と裏腹の関係にあるといっても過言ではありません。」

www.boj.or.jp/type/press/koen/ko0111b.htm

コメント(18)

そもそも、貨幣乗数が不安定かつ不確実な状況でマネタリーベースを増やす政策に限界はないのでしょうか。以下参考です。



「貨幣数量説が成り立つためには、まず、名目GDPを貨幣残高で除した「貨幣の流通速度」、ないしはそのトレンドが、安定的でなければならない。」

「しかし、貨幣の流通速度が、景気や金利などの循環要因や、「貨幣」とみなすべき金融資産の変化など構造的な要因によって、少なからず変化することも事実である。」

「このように、貨幣の流通速度が安定的と言えるのはかなり大局的に観察した場合に限られ、マネーとインフレ率の動きもその方向についてすら逆向きになる局面が少なくない。すなわち、非常に大きな物価変動が生じるような場合はともかく、インフレ率の変動が数%ポイント程度の範囲内であれば、その中におけるインフレ率の変動を貨幣面の動きだけから説明することはかなり困難であるように思われる。」


白川方明 門間一夫   「物価の安定を巡る論点整理」
www.boj.or.jp/type/release/zuiji/kako02/data/spri03e.pdf



「マネタリーベースとマネーサプライは、もともと固定比率でリンクされたものではないが、特に金利がゼロに近い環境の下では上記2つの比率が大きく変動し、貨幣乗数も不安定かつ予測困難な形で変化する。こうした状況の下では、マネタリーベースがたとえ大幅に増加しても、必ずしもマネーサプライが同様に増加する訳ではない。」

日本銀行企画室  「最近のマネタリーベースの増加をどう理解するか?」
www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/research/data/ron0208b.pdf
 昔、おじさんが、若かった頃、10万円金貨というのが発行されて、何千億円も国庫に入ったそうな。
 物価に与えた影響は、不明? 少なくとも、この程度ではハイパーインフレにはならなかった。
 バブルの複線にはなったかもしれないけど。
ハイパー・インフレーションは貨幣的現象ではなく、究極的には財政が引き起こすことに注意が必要です。つまり、貨幣数量とは別次元の貨幣の信認問題だということです。以下参考です。




「ハイパー・インフレーション終了の本質的手段をSargent[1986]は、?追加無担保信用を求める政府の要求を法的に拒否しうるという意味で独立した中央銀行の創設と同時に、?経常勘定の大幅な赤字からの脱却を可能とするような財政政策レジームの計画的・抜本的な変更が行われることとしている。すなわち、金本位制復帰を展望した独立した中央銀行の設立と、財政再建の道筋の提示がともに満たされたと信認された瞬間に、物価水準の発散は停止したという意味で、インフレーションは貨幣的現象ではなく、究極的には財政が引き起こす(Sargent and Wallace[1981])。Sargent[1986]の主張の正しさは、チェコスロバキアがこれらの国々と同じ多くの困難に直面していたものの、自国通貨価値の維持と、抑制的な財政レジームを当初から採用し金本位復帰を急ぐことで、ハイパー・インフレーションを回避したことからもうかがえる。」


「ハイパー・インフレーションの教訓は、政府債務の持続可能性(金本位制のもとでは金本位制へのコミットメント)が疑われるとき、それを担保として発行されている中央銀行負債である銀行券の信認も失墜するリスクがあるということである。」


財政赤字とインフレーション
www.imes.boj.or.jp/japanese/kinyu/2000/kk19-2-2.pdf
日本の長期金利は低インフレ・低成長によって低位安定していますが、予期せぬインフレ率の上ぶれが財政リスクプレミアムをも拡大させる可能性には注意が必要です。以下参考。




「●日本の長期金利は景気の弱さと物価上昇率の低さで押し下げられている

 最初に、日本の長期金利は経済成長率等の一般的な経済要因では説明できないほど低いのか、という点を確認する。このため、データの入手可能なOECD28か国について、名目長期金利の水準を、[1]名目短期金利要因、[2]実質経済成長率要因、[3]物価上昇率要因、[4]財政収支要因で説明する式をパネル推計し、各国の長期金利の要因分解を行った。日本の特徴について、アメリカ、英国を比較しつつ、見てみよう(
第1−3−13図)。なお、各国固有の要因(固定効果要因)については、各国それぞれの定数項として表している。
 第一に、日本の長期金利の水準は、短期金利の低さとともに、経済成長率と物価上昇率が低いことで押し下げられている。この傾向は、90年代と2000年代において顕著に見られる。また、短期金利の低さそのものが、景気の弱さや物価上昇率の低さを反映した中央銀行の政策を表していると考えれば、日本の長期金利の低さは景気の弱さと物価上昇率の低さでその多くが説明できることになる。
 第二に、その一方で、日本においては、財政赤字による長期金利の引き上げ寄与が他国よりも大きい。アメリカや英国が90年代や2000年代に財政収支改善を実現したのに対し、日本の財政赤字は拡大基調で推移した。その結果、2000年代において、財政赤字による長期金利の押上げ要因が顕著に拡大している。
 第三に、各国とも80年代から2000年代にかけて長期金利の水準が低下しているが、その要因は異なる。短期金利の低下は各国共通している一方、経済成長率と物価上昇率の低下が主たる抑制要因になっているのは日本だけといってよい。
 財政状況の悪化にもかかわらず、日本の長期金利が低位安定している背景には、[1]短期金利の低さ、[2]実質経済成長率の低さ、[3]物価上昇率の低さといった背景がある。その一方で、近年の財政赤字の拡大が、他国に比して大きな長期金利の押上げ要因になっていることには注意する必要がある。今後、景気の持ち直しが続いていけば、長期金利に対して上昇圧力が生じる可能性が高い。しかし、同時に長期金利の上昇はそれ自体で景気を押し下げる要因ともなり得る。景気の持ち直しとともに財政健全化努力を行うことが、長期金利の安定を持続させるためには重要である。」

内閣府  平成22年度年次経済財政報告(経済白書)
www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je10/10b00000.html





「財政状況の悪化がインフレの進行と相まって国債市況の悪化をまねき、財政危機が現実のものとなる可能性も皆無ではない。たとえば、日本の金融機関による金利リスクテイク余地が狭まってきている可能性も考慮に入れておく必要があるだろう。また、齊藤[2002]が指摘しているように、物価・金利の低位安定期待のもとで、大量発行された国債がシ団引受等を通じて金融機関によって吸収され、潜在的な金利リスクが金融セクターに偏在してしまったことから、経済がインフレに対して脆弱な構造になっていることにも注意が必要である。」

中里 透 副島 豊 柴田裕希子 粕谷宗久「財政のサステナビリティと長期金利の動向」
www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/wps/data/wp03j07.pdf
仮に、政府が政府紙幣や国債の日銀引受などの、安易な財政ファイナンスに依存すれば、財政ディシプリンに対する市場の信認はどうなるのでしょうか。以下参考です。


「財政政策に対する信認が低下すれば、金利が上昇することによって利払い費が増加するほか (注9) 、国債を保有する金融機関のバランスシートにも悪影響を及ぼし、金融面から景気の下押しに繋がるリスクも高まります。信認が重要である点は、中央銀行も同様です。ファイナンス面から財政支出の拡大余地が乏しくなったからといって、中央銀行がファイナンスをする、或いはそうした疑念が生じると、中央銀行が独立して物価安定のために金融政策を運営していくという信認は失われ、金利が上昇することになります(注10) 。政府の予算制約に照らして考えてみましょう。政府の予算を考えますと、財政赤字はその分国債の発行増加に繋がりますので、それを実質化した上で将来にわたって積み上げますと、政府の異時点間の予算制約式が得られます。

国債発行残高/物価水準=財政余剰の割引現在価値(実質ベース)

上式から、政府が財政支出を拡大させると、その分だけ財政余剰の割引現在価値が低下します。そのとき、金利水準を所与としますと、国債発行残高の実質価値の低下、つまり物価の上昇が生じなければ辻褄が合いません。ただし、仮にこうした手法によってデフレ状態を脱却出来たとしても、政府が財政赤字を積み上げ、それをインフレによって消化を図るのではないか、という不安が残るため、今後、中央銀行がいくら物価安定にコミットしても、信認を保つことは難しくなります。そして、結局は経済・物価の不安定化に繋がってしまいます。過去の教訓からも、中央銀行の信認は一度失われてしまうと、取り戻すことは容易でないということを、改めて肝に銘じておく必要があります。」



注9 なお、財務省の試算によると、インフレ率が 1%上昇したことに伴って名目成長率と金利が双方とも 1%上振れた場合、税収の増加額が 0.4 兆円であるのに対し、国債費の増加額は 1.1兆円と、金利上昇による影響が大きいことがわかります(平成 22 年 2 月「平成 22 年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」<財務省>)。

注10 Ben S. Bernanke, “Central Bank Independence, Transparency, and Accountability”, 25 May 2010,Institute for monetary and Economics Studies International Conference, Bank of Japan.


www.boj.or.jp/type/press/koen07/data/ko1006a.pdf
そもそも、政府紙幣の発行はなぜ日銀の国債引き受けと実質的に同じだと言えるのでしょうか。また、どのような弊害があるのでしょう。以下参考です





「「政府紙幣」の発行は、その仕組みの如何によって、実質的には将来の返済が必要な資金調達である「国債の市中発行」と同じとなるか、あるいは、通貨の信認を損なうなど大きな弊害を伴う「無利息永久国債の日銀引受け」と同じとなるか、そのいずれかになるものと考えられます。もう少し詳しく説明します。まず、「政府紙幣」が現在の貨幣、コインと同様の仕組みで発行されるというケースを仮定して考えてみますと、次のようなことになります。現在の貨幣、コインは市中から日本銀行に還流してきた段階で、政府においてこれを回収するための財源が必要となるという点で、「政府紙幣」もこれと同じ仕組みになります。従って、「政府紙幣」の発行は、「政府紙幣」が日本銀行に戻ってきた段階で結局は資金調達が必要になるという意味で、これは国債の発行と具体的に変わりはないと思います。他方、「政府紙幣」が市中から日本銀行に還流してきたときにも、仮に政府がこれを回収せず、日本銀行に保有させ続けるという形で「政府紙幣」が発行されるというケースを仮想的に考えてみますと、この場合、確かに政府は回収のための財源を必要としないことになります。しかし、この仕組みは、日本銀行に無利息かつ償還期限のない政府の債務を保有させる点で、「無利息の永久国債を日本銀行に引受けさせる」ことに等しく、大きな弊害が生じます。この弊害の中身、意味合いについてですが、日本銀行券の裏付けとなる日本銀行の資産として、無利息かつ転売不能な資産を保有することとなり、円滑な金融調節が阻害されたり、日本銀行の財務の健全性が損なわれたりすることへの懸念を通じて、通貨に対する信認が害されるおそれがあります。また、政府が、日本銀行による国債の直接引受けと同じ仕組みにより恒久的な資金調達を行うことが、国の債務返済に係る能力や意思に対する市場の疑念を惹起し、長期金利の上昇を招くおそれもあると考えられます。」

www.boj.or.jp/type/press/kaiken07/kk0902a.pdf
むしろ、スタグフレーションを抑えているオペレーション介入に対して、なぜこの大幅な損失がある時期に そういう議論を求めておられるのか、ヨシナ様の ご本心をお聞かせ下さい。引用ではなく。
まあ日銀などはなくなっても困る者はいないわけですな。

日銀を救うために国民を殺す政策を政治家が採用すれば、国民によって政治家がおろされ、日銀も財務省に吸収合併されるでしょう。

円の評価は、日銀のバランスシートによるのではなく、日本国の生産(GDP)によるわけです。

ですから、日銀があくまでもGDPを押さえつける政策を採用するなら政府紙幣発行権限を使用して国民を助ける必要があるわけです。

もともと紙幣を発行した目的は、日銀を助けるためにあるのではなく、国民の生産を奨励し、国富を奨励する手段として生まれたものです。

日銀の不適切な政策によってどれだけの日本人の生命が奪われたのか。
毎年3万人を超える自殺者が続き、OECDの統計によれば、行き倒れの半数の9万人も加算する結果、約10万人が自殺させられている。

その理由が日銀にあるというのは、言い過ぎだとしても、その半分は日銀の頭の固さにあることは間違いない。

もし日銀が買いオペを実施して、国債を300兆円でも買い取れば、政府も国債を発行しやすくなっただろう。

日銀が買い取った300兆円の国債に対して支払った利息は、そっくりそのまま政府に返ってくる。

日銀は1億円の資本金を持つ中小企業だが、その55%は財務代診が持っている。
この日銀を財務省が吸収合併すれば、政府が300兆円の国債の債権者になる。

法律的には、債権債務が同一人格に帰属するゆえ、300兆円の国債は混同の法理によって自然消滅する。

まあ、そんなことをしなくても、子会社である日銀と財務省の連結決算すれば、国債が問題となることはない。

国債は借金ではない。国債は総需要調節の手段にすぎない。

まあ、この日銀という組織は、自分が何のために作られたのかも自覚できない、頭の方人たちによって運営されており、かつての陸軍にように独立性を主張する。

したがって、政府紙幣発行権限を50兆円分発行することを、明日、閣議で決定し、同時に、その発行権限証書を日銀に買い取らせて、日銀内の政府口座に振り込ませ、明後日には、銀行を通じて、東北の被災者50万人に1人あたり1億円を振り込んであげるのが道徳的にも経済学的にも優れていると思う。

日銀は民主的な組織ではない。

それゆえ、国民を害し続けることによって、まもなく消滅させられるだろう。

中央銀行はなぜ政府や議会から分離して存在しているのでしょうか。以下参考です。



「民主主義国家の中で、中央銀行が独立性を有しているのは、なぜでしょうか。一般的に、金融政策の効果が経済や物価に波及するまでにはある程度時間がかかります。そうした中で、経済・金融の短期的な情勢にのみ基づいて通貨の管理を行うと、中長期的にみて経済の安定が損なわれる事態に陥りやすいことは、過去のインフレやバブルの経験が示す通りです。今回の世界的な信用バブル発生の一つの大きな要因は低金利が長期にわたって続いたことでしたが、この問題が大きくなり始めた2003年から2004年にかけては、インフレやバブルではなく、グローバルなデフレをどのように阻止するかということが多くの欧米の政策当局者やエコノミストの問題意識でした。」


http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2009/ko0910c.htm/




バーナンキFRB議長:中銀は政治の影響から隔離必要日銀で講演 (ブルームバーグ)


http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aJ9BSW6381ug
>そもそも管理通貨制度下における銀行券は、財政の持続可能性への信認を裏付けに発行されており、一度でも財政規律に疑念が生じうる事態が発生すれば、通貨の信認問題に発展する可能性があります。


日銀券であれ政府紙幣であれ、通貨の信認と言うことを考えるとき、ひとつ考え方の参考となるのは、政府と日銀のバランスシートを統合してみることだと思います。

統合政府のB/Sの貸方には国債・日銀当座・通貨の3つが主なるものです。このうち当座と通貨がマネタリーベースです。借方には国債以外の資産項目が入り、国有財産などの実物資産と金融資産が入りそれらを含めても貸方合計に足らないことは明白です。つまり債務超過です。

しかし実は借方に将来税収の現在価値が擬制されていて、それを加算して資産・負債が釣り合い、通貨の価値が維持されていると考えることはできないでしょうか。

統合政府は市中から全ての国債を買い入れて(国債残高はゼロとなります)マネタリーベースを著増させても貸方合計は変わりません。それに見合う資産がB/S上あれば通貨の信認は揺るがない(インフレにならない)と考えられるのではないでしょうか。(これはシニョレッジに裏付け資産を求めているのと同義です。)

逆に、この擬制された将来税収が借方の不足分を補えないと認識されたとき通貨の信認は揺らぎ始めるのではないかと。

>そもそも、貨幣乗数が不安定かつ不確実な状況でマネタリーベースを増やす政策に限界はないのでしょうか。


あまり最近の経済学にくわしくないので自信はないが、古典的な貨幣数量説にしたがっても、

貨幣量×回転数(流通速度)=商品単価×販売(生産)量

となるが、これは結果式であって左辺の一項を増加させたからといって右辺の一項や全体が増加するものではないといえるのではないでしょうか。

貨幣量を増やせば、一義的に右辺の商品単価が上がったり(インフレ)、右辺全体(名目GDPの成長)が増加したりするとはいえません。

貨幣量を増加させたがそれだけ回転数が落ちたので、名目GDP(右辺)は増加しなかったという言い方も成り立ちます。

この考え方は正しいのでしょうか?
「短期的な政治的影響を受ける中銀の政策立案者は、経済を過剰に刺激して潜在成長力を超える水準に生産と雇用を短期間で押し上げるよう求める圧力に直面する恐れがある」(バーナンキFRB議長)との指摘がありますが、実際に従来の拡張的マクロ政策で潜在成長率を大きく上回る成長率を一時的に達成したとしても、過剰の蓄積がすすむため、その後の深く長い調整を余儀なくされます。また財政問題を抱える経済にはソブリン・リスクを高める結果ともなりかねません。



バーナンキFRB議長:中銀は政治の影響から隔離必要−日銀で講演(ブルームバーグ)
www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid%3D90900001%26sid%3DaJ9BSW6381ug



「わが国も、財政事情が非常に厳しい状況にあることを踏まえますと、債券保有に伴うリスクプレミアムが高まらないように、財政規律に対する市場の信認を引き続き確保していくことが大事だと思います。金融政策についても、物価安定のもとでの持続的成長を目的に運営されていることについて市場の信認を維持していくことが重要であると考えています。」
日銀総裁記者会見
www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2009/kk0906b.pdf




「金融政策は、物価安定のもとでの経済の持続的な成長を目的として運営していくということに尽きると思います。日本銀行の金融政策の目的について疑念が生じると、リスクプレミアムが発生することになりますから、結果として、経済の実態を離れて長期金利が上昇することにもなりかねません。」
日銀総裁記者会見
www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2009/kk0909a.pdf



「長期金利を維持する、あるいは財政ファイナンスのマネタイゼーションということがもし目的ということであれば、これは適当ではないと思います。FRBは3月に国債を3千億ドル買い入れることを発表しましたが、これは円に換算すると 27 兆円であり、日本の経済規模との対比で考えれば約9兆円の国債買いオペを行ったことに相当します。この措置は 10 月末に止めてしまいましたが、このFRBのオペについてバーナンキ議長は議会で何度も証言しています。そこでは、自分たちのこの国債買いオペは、長期金利の維持を目的としたものではない、あるいはマネタイゼーションを目的としたものではないということを非常に強調しています。その強調する姿をみると、中央銀行、セントラルバンカーとしての判断はどこも共通していることを感じます。現在、米国では財政バランスが悪化していますが、日本と比べるとストックの数字ではまだ良い状況です。日本のように財政バランスの状況が米国対比悪い国は、先程バーナンキ議長が強調したような中央銀行としての配慮というか考え方は非常に理解できると思います。いずれにせよ、長期国債の買いオペについては以上のように考え
ています。」

日銀総裁記者会見
www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2009/kk0912b.pdf
最近のギリシャの財政問題から波及したユーロの通貨危機問題を見てもわかるように、そもそも管理通貨制度下における銀行券は、財政の持続可能性への信認を裏付けに発行されており、一度でも財政規律に疑念が生じうる事態が発生すれば、通貨の信認問題に発展する可能性があります。以下参考。



「一時的な金利上昇の混乱の結果、新規国債が発行できない事態では、財政規律の信認が失墜し、ほとんど同時に銀行券への信認も失われるリスクは無視しえない。すなわち、インフレーションは貨幣的現象ではなく、究極的には財政が引き起こすことになりかねない(Sargent and Wallace[1981])。このリスクは、制度的に日本銀行が金融政策運営上の独立性を保持していることや、財政法上日本銀行の国債引受が禁じられているということとは無関係に、期待形成の反転によって生じうる。
Itoh and Shimoi[1999]の真意は、日本銀行が国債引受を余儀なくされることを避けるために、国債のアグレッシブな買いオペを率先して行うことにある。ところが、こうした行動を実際に中央銀行が起こした場合、Itoh and Shimoi[1999]が金融緩和の副産物として提起した政府債務削減が自己目的化し「債務削減のためにインフレーションを起こす」という金融政策の目的(物価安定)と予期せぬ結果(財政赤字削減)が逆転した期待形成が発生し、その結果金融政策の信認が失墜するリスクは無視できない。なぜなら、統合政府全体としてみると、予期せぬインフレーションへの誘惑は非常に大きく、中央銀行が非常手段を用いるような状況で、はたして物価安定へのコミットメントが信認されるかどうか、という新たな問題が生じることになる。とくに、期待された予期せぬインフレーションを大量の国債買いオペで予定どおり実現できず、国債の買切り額を増加する圧力が高まる局面は、こうしたリスクが高まることになる。」


財政赤字とインフレーション
www.imes.boj.or.jp/japanese/kinyu/2000/kk19-2-2.pdf

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