米国、南NJ州クリスチャン教会コミュのキリストの福音のはじめ。

キリストの福音のはじめ。
マルコ1:1-8.

新約聖書の初めにおさめられている四つの福音書は、それぞれに特色をもっていますが、いずれも、イエス、キリストのご生涯について書かれています。それは、たんなるイエスという人物の伝記ではなく、彼によって私たちにもたされた、よい知らせ（福音）を伝えるために書かれたものです。

福音という言葉は、もともとは、新しい王が即位したことの知らせや、使者によってもたされた、戦いの勝利の知らせという意味をもっています。そして聖書はイエスのご生涯とその教えの全体を、福音と呼んでいるのです。

信仰深い母マリヤの子として育ったマルコは、パウロとバルナバと一緒に、パウロの第一回伝道旅行に加わり、途中で帰ってしまいました。そのことで、パウロは第二回伝道旅行には連れて行かず、マルコは、いとこのバルナバとキプロス島に伝道に行きました。しかし、マルコはパウロと決定的な訣別をしたわけではなく、パウロが投獄されていた時、一緒に獄中にいて、彼を助けていたようです（コロサイ4:10 .ピレモン24）。

マルコは、ペテロのそばにいて、彼の通訳をしていたようで、ペテロの説教を聞き、それを筆記していたと思われます。そのマルコが、後に、異邦人のため、とくにローマ人を対象とした福音書を書きました。私たちを罪と死の力から解放して、神のご支配のもとに生かすために、彼がこの世においでになったということこそ、私たちすべての人間にとって本当のよい知らせだと言うことです。

私たちは毎日、いろいろの良い知らせを待ちながら生活しています。愛する人の無事を知らせる手紙や、入学試験の合格通知を受け取った時には、それこそ、心の底からこみ上げて来るような喜びにひたります。しかし、私たちはしばしば、良い知らせに対する期待を裏切られたり、悪い知らせを受けとって、絶望の谷間に突き落とされたりします。

イエス、キリストによって持たされた＜神の国は近ずいた＞（1:15）という知らせこそ、私たちにそのような喜びをあたえる良い知らせであることを、学んでいきたいと思います。＜神の時が来た。神の国はすぐそこに来ている。悔い改めて、福音を信じよ。＞（現代訳、1:15）