米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの罪を赦す権威。

罪を赦す権威。
マタイ9:1-8.

日本の歴史にとって、明治維新は画期的な出来事でした。それまでの約二百六十年間にわたる徳川幕府の支配、また中世の鎌倉時代からの武士による支配体制が終りを告げたのです。そうして、日本も近代国家へと生れ変わっていったのです。世界歴史の中には、それまでの歴史を一転させるような画期的な出来事がいろいろと起って来ました。

その最大のものはメシヤなるイエス、キリストの出現です。そのことは、世界の歴史がイエスの出現を紀元の中心に置き、それより以前を紀元前、以後を紀元後として、歴史の年代が述べられているのです。イエスが公衆の面前に姿を現し、メシヤとしての活動を開始してから、イエスによって新しい時代が到来したことは、しだいに人々に明らかにされていきました。この記事は、＜中風の人の癒し＞と呼ばれています。

ここで真に問題にされているのは、イエスが罪を赦す権威を持っていたということです。イエスはこの中風の人に対し、＜あなたの罪は赦されました。＞（9:2）と宣言しました。当時のユダヤ人たちが、病気は罪の結果であると考えていたことと関連があります。それは、罪が赦されることによって、病気が癒されると考えたのです。

ところが、これを律法学者たちは、イエスが＜神をけがしている＞（9:3）と心の中で言いました。罪を赦す権威を持っているのは、神だけである。それゆえ、律法学者たちはイエスが罪を赦すと言うのは、神を冒涜していることだと考えたのです。イエスは律法学者たちの心の中をすぐに読み取って、＜あなたの罪は赦された。＞と言うのと、＜起きて歩け。＞と言うのと、どちらがやさしいか＞（9:5）と質問しました。

それからイエスは＜人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを、、あなたがたに知らせるために＞と言っておいて、病人に向かって、＜起きなさい。寝床をたたんで、家に帰りなさい＞と言った（9:6）。律法学者たちが、イエスの言葉じりをとらえて陥れようと思い、＜罪を赦す＞と言うのは冒涜だと、イエスを非難したのに対し、彼らの偽善の仮面をはぎ取る為にイエスが故意に語った皮肉だと思います。

これに対して、律法学者たちは一言も答えることができませんでした。彼らの完敗でした。そして一部始終を見守っていた群衆は、ここでもまたイエスの権威に驚き、ついには、イエスにこのような権威を与えられた神をあがめたのです（9:8）。人の子は元來父なる神から永遠の主権を与えられた存在です。＜この方に、主権と光栄と国が与えられ、世界中の人々がこの方に仕えるようになった＞。（ダニエル7:14）こうして人類に新しい時代が到来したのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アメーン。