米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの邪悪で不道徳な時代の人々は印を求める。

邪悪で不道徳な時代の人々は印をもとめる。
マタイ16:1-4。

今日、人間の知識は増大し、茶の間に座ってテレビをつけるだけで、今世界で何が起こっているかが手に取るように分かる時代になりました。しかし、人間は本当に理解し合い、すべてを知り尽しているでしょうか。マガダンの地に着いたイエスを待っていたのは、パリサイ人とサドカイ人との論議でした。

サドカイ人と言うのは、ユダヤ人の中の一つの党派で少数派ではありましたが、経済的には富裕で家柄がよく、教養のある貴族階級でした。彼らは、信仰の内容などではパリサイ派と対立していましたが、イエスに反対するという点においては協力してイエスを陥れようとし、議論を仕掛けてきました。

彼らは、＜天からの印を見せるようにと要求しています。＞（16:1）天からの印とは、イエスがメシヤであることを示す、神から与えられた証拠を意味しています。彼らはイエスが行ったメシヤとしての証拠を示す奇跡の数々を見ていたが、それらを悪魔の力による奇蹟だと言って否定していました。（12:24）そして、何か別の証拠を示せと求めています。

イエスがメシヤであるといううわさが民衆の中に定着することを恐れて、本当にメシヤであるならその証拠を見せよと詰め寄ったのです。イエスはパリサイ人たちの言葉を聞いて＜心の中で深く嘆息＞されました。彼らの不信仰に対して、言いようのない失望と霊の悲しみを覚えられました。人の心がかたくななのは、いつの時代にも共通しています。

これに対し、イエスは空模様の見分け方を例にとって逆襲しました。昔は人工衛星による正確な天気予報などなかったので、各自が空模様を見て天気を判断したのです。天気の予想は、空模様を見て見分けることができるのに、メシヤの時がきたかどうかということはなぜ見分けることができないのか、とイエスは彼らに迫っています。

邪悪で不道徳な時代の人たちは、印を求めます。＜ヨナが足掛け三日間、大きな海の生き物の腹の中に入っていた印以外には、時の印としては与えられていません。＞（現代訳、16:4）つまり、イエスの十字架と復活以外に、真にイエスがメシヤであることを示す証拠はないと言いきりました。イエスはそう言って、彼らを後に残して、立ち去られました。バリサイ人とサドカイ人は、イエスにその魂胆を見抜かれ、一言も答えられなかったのです。アメーン。