米国、南NJ州クリスチャン教会コミュのヨハネの福音書について。

ヨハネの福音書について。

福音書は単にイエスの伝記を語る書かれたものではありません。イエスにおいて神がこの世に下り、罪深い人類の救いのために御子を十字架につけ、ご自身の愛と義とを啓示されたという、喜びの音信を宣べ伝えることが福音書なのです。イエスという歴史的人格において啓示された真理の本質を明らかにしようとする点に注がれています。

新約聖書にあるマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書のうち、最初の三つを共観福音書と呼んで、ヨハネの福音書と区別しています。区別されているのは、最初の三つの福音書が共通のアウトラインを持ち、しばしば同一の言葉ずかいで書かれているのに対し、ヨハネの福音書の場合は他の三つの福音書との並行記事が全体の一割にも満たず、その代りこの福音書固有の出来事と教えを多く含んでいるからです。

共観福音書がイエスの宣教のほとんどをガリラヤ地方に位置付けているのに、ヨハネの福音書が舞台をエルサレムとその周辺の出来事に限定していることです。また、ヨハネの福音書の中にこれらの奇蹟が書かれたのは、＜あなたがたがイエスは神の御子キリスト（救い主）であることを信じるためであり、そう信じて、救われるためである。＞（20:31）と目的をはっきり述べています。

ヨハネは、イエスが誰であるかを語り、神の賜物が何であるかを告げ、イエスを信じて従っていくことの意味を明らかにしています。そしてこの主題を何度も繰り返して反復しています。特に過越の祭を重視し、祭のたびにエルサレムに上るイエスの姿を描き、十字架上で過越の小羊としてほふられたイエスの贖いの真理を強調しています。

特に重要と思われるのは、イエスが敵対的なユダヤ人に答える時、旧約聖書に訴えておられてことです。＜あなたがたの持っているあの確かな旧約聖書の中には、地上の王たちや預言者たちのことを、いわゆる神さまたちと呼んでいる箇所があります。＞（10:34）これらのことから、旧約聖書全体はキリストを指し示していることが明らかになるのです。イエス、キリストは旧約聖書の成就そのものなのです。アメーン。