米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの詩編について。

詩編について。

人は誰でも心の深いところにある思いを表す時、散文でよりも詩の形をとります。イスラエルの人々は、自分の心の深いところにある思いを、信仰という観点から詩として表現しました。それは、神への賛美であり、信仰告白であり、証です。詩編はありのままの姿を、人生の喜び、悲しみ、恐れ、失望、落胆、迷い、疑いといったさまざまの経験を赤裸々に描いています。

時代が変わっても、現代のキリスト者の問題は、詩編の中に見られる旧約時代の聖徒たちによってすでに経験済みで、そのみ言葉は、約2500年もの歳月を一挙に飛び越え、強い光となって私たちの魂を照らしています。詩編の3分1近くは著者不明ですが、他の3分の2の著者は知られており、各詩編の表題にその名が記されています。　

へブル語において詩編は＜テヒリーム＞と呼ばれています。＜ハレルヤ、主をほめよ＞の＜ハレル＞と言う動詞から由来した名詞の複数形で＜賛美歌集＞と言う意味です。英語のPsalmsは（ギ）ブサルモイから来たもので、70人訳においては（へ）ミズモール（楽器を弾く歌）の訳語として用いられています。

これも全詩編中、57の詩にだけあてはめられているもので全体を意味するには不適当であると言われています。日本語の詩編はこれらの名称とは無関係につけられたものです。（新聖書注解）本書の150篇の詩は、もともと幾つかに分かれて存在していた詩集を集めたものであって、その集成を一つの時代、一つの場所に限定することはできません。

この中には、神への直接的な賛美もありますし、また個人的な感謝の賛美もありますし、民族的な感謝の賛美もあります。また、個人的な嘆きの歌もありますし、民族的な嘆きの歌もあります。さらにまた、信頼の賛美もあります。少しのダビデ以前の要素と、主としてダビデ時代から捕囚後の時代に至る数百年のあいだの歌が、いろいろな状況のもとで集められたものです。

聖書の他の部分では神が人に語られますが、詩編においては関係は逆で、人が神に語りかけています。詩編は主観的な面が強いとも言えます。詩人たちは神の教会の正会員であり、彼らは全体として教会を意識しており、彼らの歌は教会の賛美であり、また嘆きでもありました。イスラエルと教会の共同体としての生活が強調されています。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アメーン。