米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの救いをもたらす神の力。

救いをもたらす神の力。
ローマ1:1-16。

イエス、キリストの福音を、ユダヤ人だけではなく全世界に伝えるために使徒として召されたパウロの切なる願いは、＜何とかしていつかは神の御心によって＞まだ見ぬ教会を訪ね、お互いに励まし合いたいということでした。彼は、さらにローマ教会を基点として、当時、地の果てとされていたスペンにまで伝道しようと計画していたのです。

しかし大ローマ帝国の政治経済文化の中心にあるローマの人々にたいして、辺境の地で十字架につけられたイエス、キリストこそ救い主であるという福音を宣べ伝えることは、この世の常識からすれば気おくれのすることであり、恥ずかしいことでした。科学技術の高度に発達した時代に生きる私たちにとっても、職場や学校や地域社会で、自分がキリスト者である事に、いささか気おくれすることがあるのではないでしょうか。

しかしパウロは、福音は＜ユダヤ人を始め、ギリシア人にも、信じる者すべてに救いをもたらす神の力＞（1:16）であるから、「私は福音を恥とせず」、むしろ誇りをもってこれを宣べ伝えるのであると言明しているのです。それは死者の中から復活されたイエス、キリストにおいて現わされ、罪と死の力を滅ぼしてこの世界とその中に生きる私たちすべてのものを新しい生命に生かす神の力です。

今日の、文明を築き上げた科学の力も、この世のいかなる富や権力や武力も、文明を救う力にはならないどころか、むしろ地球を破壊し、人類を滅ぼす力になろうとしています。如何なる政治的経済的な手段方策も、どのような人間の善意や努力も、私たちを滅ぼそうとする罪と死の力から私たちを救い出すことはできません。

イエス、キリストの十字架と復活によって神から持たされた福音こそ、罪と死の力から私たちを救い、新しい生命に生かすことのできる神の力であると、パウロは富と権力を誇るローマの人々に向かって誇りを持って宣言しています。アーメン。