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インタビュー/秋田県山岳連盟遭難対策部長・中川 広三郎さん

●最近の冬山遭難事故は。 
 「昨冬の遭難事故では、2月に太平山で単独登山者が滑落により重症を負いました。5月には鳥海山に春山スキーに出かけた5人が道に迷い遭難しましたが無事で見つかりました。17年3月には乳頭山で集団遭難事故があり、その後無事に全員助かりました。全国的には冬の連休に天候が荒れると必ずと言っていいほど遭難事故が発生しています。最近バックカントリー(山スキー)ブームにより冬の登山者が増え、各地で雪崩や遭難などの山岳事故、死者も増えています。以前は″山の掟″として冬の入山は慎重でしたが、最近は人が出かけて大丈夫だったという話を聞いて真似してバックカントリーに出かけ、急に山の条件が変わって雪崩に遭遇する例が多く見うけられます。また柔らかい雪を求めて沢の中に入っていくスノーボーダーが事故に巻き込まれる例が増えています」。

●2月に冬山レスキュー講習会を開催しましたが。
 「冬山での雪崩遭難事故に備え、登山やバックカントリーに入る前に冬山でのリスクを知り、冬山での安全確保には″経験と判断力″と、科学的な手法のバランスを取り両方を同時に活用する方法が必要だということで講習会を開催しました。山岳会会員や消防署関係者、バックカントリーヤー、スノーボーダーなど40人以上が参加しました。鳥取から県消防防災航空室隊員の参加もありました。雪崩に巻き込まれた場合、外傷、窒息、低体温と重なった原因で死に至ります。昔は雪崩が発生しそうな箇所を通過する場合は赤い毛糸を20メートルほど引きずって歩き、これを頼りにしていました。最近では電波発信機(ビーコン、アバランチトランシーバー)やゾンデ(2メートルほどの棒)、スコップの3種類をレスキュー装備することは必携とされています。特に電波発信機の装備による生存率は無い場合の3倍とされています。また雪崩に埋没してから15分程度で急速に生存率が下がりますが、これは呼吸空間が確保できるかで大きな差が生まれます。15分を過ぎると低体温の後遺症になることも考えられます。今回の講習会では、上記のことを含め、雪崩のメカニズムや積雪断面観察、埋没体験、ビーコン捜索、掘り出し、搬送、低体温症などについて日本山岳協会遭難対策委員会の講師が説明しました」。

●雪崩が起きやすい状況を事前に観察するには。
 「例えば降ってくる雪や積もった雪を見た場合、新雪や濡れざらめ雪、しもざらめ雪が積もった場合、球形の大粒のあられやひょうが降った場合、表面霜になった場合など弱層になる危険が考えられます。また傾斜が30〜45度くらいの地形や方向の変わった地点や下降に入る斜面で直径40センチの円を70センチ堀り、円形の上部を両手で引っ張って円盤が軽く引っ張ってはがれたら雪崩誘発の危険があります。この弱層テストは回数をこなし自分なりの判断基準を確立する必要があります」。

●冬山に出かける場合心がけてほしいことは
 「慎重に、登山計画を練り上げ山を甘く見ない、行動中は常に油断しないということです。輝かしい登山歴のある経験者でも『遭難するはずない』と過信して遭難する例も多くあります。山に登るとき天気が良く、その後天気が急変して遭難する場合も多くあります。ルートを迷わないよう目印に標識を設置しながら登るということも必要です。まず山を知るということです。技術や知識、体力、装備が備わっていないと遭難しやすいと言うことです。遭難した時に雪穴を掘って救助を待つ時に寒さから身を守るためにビバーク装備と非常食や燃料を持参することも忘れてはなりません。冬山入山者は万が一の場合を考えて寒さや空腹に耐えることができるよう、山に出かける前に例えば雪の中で寝てみたり、食料を軽量化するなど耐寒訓練をし鍛えてから出かけることです。山に行くときはGPS付きの携帯電話も携行しています。油断すれば自分の負けです」。

週刊アキタ より

コメント(3)

バックカントリーフィールドへ一歩踏み込めばそこから先は自然対人間の世界です。昨今の事故から皆さんは多くを学ばれたことと思います。ですが今一度山へ出かける際は、もう一度自分に問いかけてみてください。「本当に大丈夫ですか?」と
幸い今シーズンは各地で降雪に恵まれています。くれぐれも事故の無いようにしたいものですね。
GPSつき電話は電波のこないとこではつかえないので、普通のGPSも持つべきかと。
>まだこ さん
おっしゃるとおりですね、ただGPSをはじめ装備全般に言えることですが、機能や使い方を十分に理解したうえで使いこなせることがやはり重要だと思います。

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