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・・・コミュの◎ミステリ好きのあなたへ・・・・

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ミステリが好きで好きでたまらないという人へ・・・

ミステリには少しだけ約束事が存在してます。
そしてそれは、

●ノックスの十戒 Father Knox's Ten Commandments
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=3727127&comm_id=118999

探偵小説十戒
ロナルド・ノックスの十戒
つまり「推理小説の禁じ手」の10法則です。
(1)犯人は小説の初めから登場している人物でなくてはならない。又、読者が疑うことの出来ないような人物が犯人であってはならない。(例、物語の記述者が犯人)
 (2)探偵方法に超自然力を用いてはならない。(例、神託、読心術など)
 (3)秘密の通路や秘密室を用いてはいけない。
 (4)科学上未確定の毒物や、非常にむつかしい科学的説明を要する毒物を使ってはいけない。
 (5)中華人を登場せしめてはいけない。(西洋人には中華人は何となく超自然、超合理な感じを与えるからであろう)
 (6)偶然の発見や探偵の直感によって事件を解決してはいけない。
 (7)探偵自身が犯人であってはならない。
 (8)読者の知らない手がかりによって解決してはいけない。
 (9)ワトスン役は彼自身の判断を全部読者に知らせるべきである。又、ワトスン役は一般読者よりごく僅か智力のにぶい人物がよろしい。
(10)双生児や変装による二人一役は、予め読者に双生児の存在を知らせ、又は変装者が役者などの前歴を持っていることを知らせた上でなくては、用いてはならない。

●「ヴァン・ダインの二十則」 というのもあります。
(訳・藤原宰太郎「真夜中のミステリー読本」1990年 KKベストセラーズより)

1.事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはならない。
 これは「ノックスの十戒」同様のことを言ってますね。

2.作中の人物が仕掛けるトリック以外に、作者が読者をペテンにかけるような記述をし
てはいけない。
 ヴァン・ダインは所謂「叙述トリック」というものが嫌いだったようで、このような規則を
 加えています。

3. 不必要なラブロマンスを付け加えて知的な物語の展開を混乱させてはいけない。ミス
テリーの課題は、あくまで犯人を正義の庭に引き出す事であり、恋に悩む男女を結婚
の祭壇に導くことではない。
 要は途中でラブロマンスまがいの話をダラダラと引き延ばすな、と言う事でしょうか?

4.探偵自身、あるいは捜査員の一人が突然犯人に急変してはいけない。これは恥知らず
のペテンである。

5.論理的な推理によって犯人を決定しなければならない。偶然や暗合、動機のない自供
によって事件を解決してはいけない。
 上2項は「ノックスの十戒」と同じ事を言ってますね。

6.探偵小説には、必ず探偵役が登場して、その人物の捜査と一貫した推理によって事件
を解決しなければならない。
 これは基本中の基本。探偵役がいなければミステリーは成り立ちません。

7.長編小説には死体が絶対に必要である。殺人より軽い犯罪では読者の興味を持続でき
ない。
 勿論例外も多いがやはり一番インパクトが強いのは殺人事件、と言う事ですね。

8. 占いとか心霊術、読心術などで犯罪の真相を告げてはならない。
 あくまでもミステリーは推理小説であるから、オカルトには頼るな、と言う事です。

9. 探偵役は一人が望ましい。ひとつの事件に複数の探偵が協力し合って解決するのは推
理の脈絡を分断するばかりでなく、読者に対して公平を欠く。それはまるで読者をリ
レーチームと競争させるようなものである。
 最近は複数の探偵役がチームで組んでいる場合も多いから余り重要でないかも。

10. 犯人は物語の中で重要な役を演ずる人物でなくてはならない。最後の章でひょっこり
登場した人物に罪を着せるのは。その作者の無能を告白するようなものである。
 「ノックスの十戒」の第1項のルールをもう少し緩くしたものです。

11. 端役の使用人等を犯人にするのは安易な解決策である。その程度の人物が犯す犯罪な
らわざわざ本に書くほどの事はない。
 勿論使用人が前項のように「重要な役」であればこの限りではありません。

12. いくつ殺人事件があっても、真の犯人は一人でなければならない。但し端役の共犯者
がいてもよい。
 まあ、確かに現実の事件でも「主犯」と「共犯」がいますね。

13. 冒険小説やスパイ小説なら構わないが、探偵小説では秘密結社やマフィアなどの組織
に属する人物を犯人にしてはいけない。彼らは非合法な組織の保護を受けられるので
アンフェアである。
 いわば「コナン」で殺人事件の犯人が「黒の組織」の一員だった、と言うのは避けろ、と
 言う事です。

14. 殺人の方法と、それを探偵する手段は合理的で、しかも科学的であること。空想科学
的であってはいけない。例えば毒殺の場合なら、未知の毒物を使ってはいけない。

15. 事件の真相を説く手がかりは、最後の章で探偵が犯人を指摘する前に、作者がスポー
ツマンシップと誠実さをもって、全て読者に提示しておかなければならない。
 この辺は「ノックスの十戒」と同じ事を言ってますね。

16. よけいな情景描写や、わき道にそれた文学的な饒舌は省くべきである。
 勿論「情景描写」が事件解決の手がかりになれば話は別でしょうけど。

17.プロの犯罪者を犯人にするのは避けること。それらは警察が日ごろ取り扱う仕事であ
る。真に魅力ある犯罪はアマチュアによって行われる。
 第13項と同じようなものです。

18. 事件の結末を事故死とか自殺で片付けてはいけない。こんな竜頭蛇尾は読者をペテン
にかけるものだ。
 短編ならとにかく、長編だったらこのような結末では「今までの話はなんだったんだ」と
 言う事になりますしね…。

19. 犯罪の動機は個人的なものがよい。国際的な陰謀とか政治的な動機はスパイ小説に属
する。
 まあ、普通殺人事件というのは「個人的な怨恨」が動機ですからね。

20. 自尊心(プライド)のある作家なら、次のような手法は避けるべきである。これらは
既に使い古された陳腐なものである。
 A.犯行現場に残されたタバコの吸殻と、容疑者が吸っているタバコを比べて犯人を
 決める方法。
 B.インチキな降霊術で犯人を脅して自供させる。
 C.指紋の偽造トリック
 D.替え玉によるアリバイ工作
 E.番犬が吠えなかったので犯人はその犬に馴染みのあるものだったとわかる。
 F.双子の替え玉トリック。
 「ノックスの十戒」第10項と同じで、この場合あらかじめそれとなく解るようにしな
 ければいけません。
 G.皮下注射や即死する毒薬の使用
 何だかよくわからないが、「こっそりと注射をして殺害してはいけない」ということ?
 H.警官が踏み込んだ後での密室殺人
 どうやら「密室に偽装した部屋に、犯人が発見者のふりをして、警官といっしょに踏
 み込んだ後に隙を見て、犯人が被害者をすばやく殺す」(「真夜中のミステリー読本」
 より)ことをしてはいけない、ということのようです。
 I.言葉の連想テストで犯人を指摘すること。
 J.土壇場で探偵があっさり暗号を解読して、事件の謎を解く方法。
 暗号を解く際にはそれなりの過程と言うものが必要ですからね


そしてさまざまな人がもうトリックや密室、暗号などは語りつくされてるでしょうからこんな辞典はいかがですか?


少し詳しく日記に書きましたので興味のある方は見てください。
http://ameblo.jp/librarydetective/entry-10010099476.html

コメント(10)

 中学・高校時代にクリスティが好きで読んでいました。探偵小説十戒、無視しまくりですね(笑)。未読の方もいらっしゃると思うので、作品名には触れませんが、私はクリスティの十戒の一番それは駄目だろうと思われる戒律に抵触している2作品が特に好きで、今でもたまに読み返します。はじめて読んだときの印象がとても鮮やかで面白かったので。その作品が発表された時、ルール違反だということでかなり非難されたという話しがあとがきの中にもありました(笑)。

 殊能将之なんかもこの十戒の方が読んだらきっと叱られるだろうなぁ・・・と思い、ちょっと笑ってしまいました(笑)。

 ・・・というようなもろもろも含め、興味深く読ませていただきました。LDさんのトピックはいつも素敵で、興味深いです。これからも楽しみにしています(笑)。
上記の十戒と20則に照らし合わせたら、私の気に入っている探偵さんたちも
ほぼ全員退場を余儀なくされそうですね・・(笑)。

そして誰もいなくなった・・・!
2: natural woman さん

>そして誰もいなくなった・・・!

うーん、ほんとにありえそうで怖い……


ちなみに日本ではこの手の「法則」を明示している本・作家はいないのでしょうか。個人でなくても、「日本推理作家協会」みたいなところで出してるとか。

別トピ(「ノックスの十戒」の元トピ)でも別の方が書かれてますが、私はアシモフの「ロボット三原則」が好きです。「われはロボット」を読んだときは、これは「ロボット三原則」を使えば必ず解けるミステリ短編集とも読めるなぁと思いました。

ミステリとSFって読者層はあまりかぶらないかもしれませんが、「日常の謎」系が好きなミステリファンの方は一度、ミステリのつもりで「われはロボット」を読んでみてください。「読者への挑戦状」は表示されませんが、最初に謎が表示され、結末を読む前に「これをロボット三原則のみで論理的に説明するためにはどうしたらいいか」を考えると、立派なミステリになると思うんですがいかがでしょう。
みんさー さん

中島河太郎氏が『探偵小説辞典』 というのを出しておりまして以前の創元推理文庫ではこの方が解説をほとんど書いていた時期がありました。日本推理作家協会やその前身の日本探偵作家クラブも江戸川乱歩氏が作ったものですがその乱歩氏の作品に造詣が深かったのですが、時代が変わるとミステリそのものも変わってきたので十戒と20則も約束事としてはもうある意味では古すぎるのかも知れませんね。ただ初期の作品にはこういう約束事が必要だったという紹介なのですよ。ですからこれがミステリの約束事全てだという意味ではなくスポーツでも何でも始めはルールがなければ始まらなかったと理解してくれればいいのです。
>LDさん

詳細なご回答ありがとうございます。
仰るとおり、こういった法則は時代によって変わって来ますしね。でも、こういう法則を考えよう、という考え方は好きです。そしてこういったルールを一旦明示してみると、その人の拘りというものが明らかになりますしね。あまりに自然に思われていて名前のなかったものに名前をつけることで新たなカテゴライズとその研究がなされるように、可視化することにより改めて気づかされる部分もあって面白いですよね。当方のコミュでも皆さんの傾向がうかがえて非常に興味深いです^^
僕が最近のミステリでイヤなのは、
犯行の動機の貧弱さです。
最近は特に「幼時のトラウマ」、「多重人格」、「犯人は気が狂っていたから」の三つが多い気がします。
前の二つは便利なんでしょうが安易過ぎるし、
三つ目は非常識を常識としている点で魔法と大して変わらない気がします。
まあそれらを非常にうまく使った作品もあることはあるんですが。

最近読んで酷かったのは浦賀和宏の「地球平面委員会」(幻冬舎文庫)。
動機がどれだったとは言いませんけど、この作家の中でも最もつまらない作品らしいので読まないほうがいいです。
こういう点、トリックは陳腐だとよくいわれますけど、
赤川次郎は「人」をしっかり描けている点で偉大なんだろうと僕は思います。
> 真悠信彦さま

動機、大切ですよね。

今まで読んだ中で一番共感できた(?と言っていいのか?)動機は
クィーンの『ドルリー・レーン最後の事件』です。
X・Y・Zの悲劇3作品が布石だったの?とも思えるような。
ミステリーを読んで涙腺がゆるんでしまう、という
想像もしなかった経験をしてしまいました。
それは是非読んでみたいですね。
今度探してみます。
ありがとうございます
「ドルリイ・レーン最後の事件」

  1959年に最初の鮎川信夫氏の訳で創元推理文庫 から出たとき(「レーン最後の事件」で出てまして実際にこれはX・Y・Zの悲劇を含めた4部作なんですよ。そうやって考えるとXYZは前ふりです。そしてハヤカワ・ミステリ文庫から 1996年に宇野利泰氏の訳で出たときは「ドルリイ・レーン最後の事件」にしてますね。原作はDrury Lane's Last Case ですからこの方がいいかもしれませんし、探偵の名前はフルネームのほうがインパクトがありますよね。そして最後の事件として読者に別れの挨拶を告げる。シェークスピアの短編集「情熱の巡礼」の初版本というものがものすごく見たくなりましたね。読んだときは・・・・そして本来XYZで終わるつもりが書ききれず、シェイクスピアの四大悲劇にあわせるために無理やり4冊目を書いたという説があるくらいです。実はミステリ好きの人はもちろんご承知でしょうが、エラリィ・クィーン(「フレデリック・ダネィ」と「マンフレッド・リー」の2人の共同ペンネーム)は二人で一人で執筆スタイルはダネイが考えリーが書くというパターンであったのに、リーが1958年の『最後の一撃』で事実上引退してしまった後、ダネイは代作者の手を借りねば作品をものにすることが出来なかった事からXYとZでは矛盾点(スタイルの不統一)が生じているのだが(実はバーナビー・ロス名義で最初はだされてます。)、まぁ、細かいことはいいでしょう。

*内容に関してはもちろんミステリですから書きません
ちなみに僕が先に挙げた駄作ミステリ「地球平面委員会」の主人公は、
エラリィ・クィーンの孫、大三郎・クィーンという青年です。
偶然の一致(笑)
でも読まなくていいです(はあ)

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