1959年に最初の鮎川信夫氏の訳で創元推理文庫 から出たとき(「レーン最後の事件」で出てまして実際にこれはX・Y・Zの悲劇を含めた4部作なんですよ。そうやって考えるとXYZは前ふりです。そしてハヤカワ・ミステリ文庫から 1996年に宇野利泰氏の訳で出たときは「ドルリイ・レーン最後の事件」にしてますね。原作はDrury Lane's Last Case ですからこの方がいいかもしれませんし、探偵の名前はフルネームのほうがインパクトがありますよね。そして最後の事件として読者に別れの挨拶を告げる。シェークスピアの短編集「情熱の巡礼」の初版本というものがものすごく見たくなりましたね。読んだときは・・・・そして本来XYZで終わるつもりが書ききれず、シェイクスピアの四大悲劇にあわせるために無理やり4冊目を書いたという説があるくらいです。実はミステリ好きの人はもちろんご承知でしょうが、エラリィ・クィーン(「フレデリック・ダネィ」と「マンフレッド・リー」の2人の共同ペンネーム)は二人で一人で執筆スタイルはダネイが考えリーが書くというパターンであったのに、リーが1958年の『最後の一撃』で事実上引退してしまった後、ダネイは代作者の手を借りねば作品をものにすることが出来なかった事からXYとZでは矛盾点(スタイルの不統一)が生じているのだが(実はバーナビー・ロス名義で最初はだされてます。)、まぁ、細かいことはいいでしょう。