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竹輪句会コミュの自習その3;岸本尚毅

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「彼のうまさの秘密は、定型に関する抜群の勘のよさと、古今の通例に対する常軌を逸した博識強記ぶりに由来する。だから彼の句には絶対無理がない。言いたいことは分かるが、この表現はやはり辛いといったケースがないのだ。狙いが決まれば、コンピューターの如く一瞬にしてもっとも正確な措辞を見つけてしまうのだ」
 小林恭二『俳句という遊び』より抜粋。
「彼」とは岸本尚毅。
 というわけで、今回の自習は句集『舜』より20句、写経。
『舜』(1992年)に収められているのは、おもに20代の後半の作品だという。
 では、参ります。

パンジーの中に光るは箒の柄

手をつけて海のつめたき桜かな

葉牡丹に鼻血ぽとりと子供かな

酔ふ人を押せば倒れてきりぎりす

草餅に鶯餅の粉がつく

白蟻に山蟻襲ひかかりけり

草も木も無くて妻ゐる蟻地獄

牛肉を妻に食はさん青嵐

二つある万年床や土用波

風鈴や暗闇がよく見える人

着ぶくれて鳩に驚く男かな

襟巻の人をつれたる自衛官

夏風邪の人のいささか好色に

破魔矢手に汚き雪を蹴りに蹴る

一斉に飯食ふ僧や青嵐

芋二つしなびて冬の空があり

焚火して幾筋も来る日ざしかな

墓石に映つてゐるは夏蜜柑

なきがらに投げたる菊の弾みけり

歩みゆく霧の中よりチューリップ

コメント(3)

尚毅さんは、学生俳句会の合宿にもよく来てくれ、おハガキなどもいただいたり、懐かしい人です。ひょうひょうと、いろんなものを手帳にメモしては、あとで端正な句に仕立てておりました。ともかく句会の好きなかた、吟行の好きなかたでした。
http://www.weblio.jp/content/岸本尚毅
「手をつけて海のつめたき桜かな 」の青春リリック、また「青大将実梅を分けてゆきにけり」がよく取り上げられますが、私の好きなのは「音もなく歩くお方や城の秋」で、おそらく吟行でみんなでどこかのお城の天守閣にでも入館したのでしょう(私は郷里の松山城を思い浮かべます)。ちょっと取り澄ましたような、あるいは人間の修業が積まれた方なのでしょうか(笑)、「音もなく歩くお方や」という措辞のおおらかなユーモアにその人を見つめる岸本さんのちょっと皮肉も含んだでも暖かいまなざしや(俳人らしい)、「城の秋」という一語で高い高い秋空に映える天守閣がありありと目に浮かぶ、俳趣あふれる句だなあ、と愛吟しています。
永易さん

おはようございます。
「学生俳句会」、いいですね。ぼくもそのころから俳句に目覚めていたらっ、く〜っ。
岸本尚毅さんの句は、ほんとうに「端正」という言葉がぴったりですね。
この安定感、見習わなければ。

音もなく歩くお方や城の秋

ぼくも品があってすてきな句だなぁと思います。
想像がふあっと広がりますよね。
それにしても、面識があるとは、さすがっ。
今度間接キス(死語?)してください。

金蠅のきらきらとして遍路かな
永易さんが書かれているように、視点のユーモアさ、ちょっとしたシニカルさがいいですね。僕もそういう句詠みたいな。この中で好きな句は…

手をつけて海のつめたき桜かな
酔ふ人を押せば倒れてきりぎりす
破魔矢手に汚き雪を蹴りに蹴る
芋二つしなびて冬の空があり

岸本さんにちょっと興味を持ちました。今度なんかのときに見てみます。こういう風に頭にインプットしておくと、何かのときにちゃんとアンテナにひっかかるんですよね。自習効果、笑 ありがとうございます。

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