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格好いいけど、飛べたか?コミュの『およげ!たいやきくん』 の報復

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第一次世界大戦が勃発した頃、ゲッチンゲン航空研究所で「複葉機の上下翼を胴体で繋ぐと、揚抗比が向上する」という、珍奇なレポートが纏められた。

これをまともに信用した鉄道製造会社のリンケ・ホフマン・ブッシュ (Linke-Hofmann-Busch) は、航空機事業への進出にあたり「複葉機の上下翼を胴体で繋ぐ」コンセプトで重爆を製作することになった。

そして出来上ったのが一部で有名な R.I で、15.6m の全長に対し全高が 5m もあり、側面形は『鯛焼き』そっくりになった。

異様なのはそれに留まらず、銃座からの視野を良くし、かつ空中での視認性を下げる(今で言うステルス性を追求)ために、胴体及び尾翼がセルロイドの厚板張りとされたことである。余計なことに、水平尾翼・垂直尾翼まで昇降舵・方向舵が独立した、複葉・三葉式になっている。

メルセデス 260 hp エンジン×2は、抵抗削減のため胴体内に収容され、2本のベベルシャフトによって左右両翼のプロペラを回した。エンジンの上に操縦席と無電手、航空機関士席があり、その下は爆撃手席と燃料タンクで、胴体は文字通り3階建であった。

1号機は1917年春に初飛行したが、只でさえ横風に弱く安定性が極めて不良で、そのうち外皮のセルロイドが黄変し歪んで、表面が凸凹になり胴体も捻れたため真っ直ぐ飛ばすことさえ困難になり、初飛行からたった2ヶ月で、初号機は低空で空中分解して失われてしまった。

セルロイド厚板張りを排し、通常の羽布張りとした2号機も製作されたが、鈍重かつ性能劣悪で 3000m まで上昇するのに2時間も掛ったという。

鉄道会社の経験を活かし、主輪はリーフスプリング内蔵の二重式とされ、地上での乗り心地は良好であったというが、6m 高の操縦席からの離着陸は非常に困難で、2号機も間もなく滑走中の逆立ち事故を起こし、計画は中止された。

パイロットの「あれは飛行機ではなく、病気だ」というコメントだけが後世に伝えられている。

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R.I が使い物にならないと気付いたリンケ・ホフマンは、第2作 R.II の開発に没頭する。しかし、これまた「軽快な単座戦闘機を、そのまま大型化した超重爆」という代物。

全幅 42.2m という当時図抜けた巨人機でありながら、胴体前部に R.I と同じ 260hp エンジンを4発収容し、それを減速ギアボックスで1本に纏めて、機首にある直径 6.7m ( C-130 や Tu-95 よりでかい)の巨大プロペラを回す、二代目バカヒコーキが出来上った。

R.II はそこそこの性能で「確かに単座機のように軽快だった」というが、初飛行はドイツ敗北後の1919年で、当然、何の役にも立っていない。

単一プロペラ機としては、未だに世界最大だという記録が残っているだけである。

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しかし、馬鹿にしてばかりもいられない。R.I, R.II の大失敗に懲りたリンケ・ホフマン社の航空機部門は、液体ロケットの研究開発に邁進し、20年後に報復兵器 V2 (A-4) を完成。連合国側を恐怖のどん底に突き落とすのである。

コメント(2)

かっこええっ!
だけど・・・・説明読んでて気づきました。でかすぎるだろ(笑)
この飛行機を作った人がV2ロケットを作ったのですか。
この人、おもしろい
バルト海に鯛は居らず、ドイツに鯛焼きも存在しないため、R.I は「鯨」と呼ばれたそうです。

その「鯨」は全幅 33.2m 、全長 15.6m 、全高 6.2m (!) 、総重量 11,200kg (!) 、翼面積 265 m2 という巨体で、それをたった 500ps で浮ばそうとしたんですから、まともな飛行機になれる筈がありません。

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次回作の R.II では更に巨大化し、全幅 42.2m 、全長 20.3m 、全高 7.1m (!) 、総重量 12,000kg (!) 、翼面積 320 m2 。

写真ではスケールが分かりませんが、並べてみると B737 よりデカい。幾ら何でも馬鹿デカ過ぎます。

前述の通りプロペラの直径が 6.7m で、地上とのクリアランスが 20cm 程度しかなく、如何に離着陸が困難だったか想像しただけでも怖ろしい。

このヘリコプターのような巨大ペラは、最大で毎分100回転したと言います。つまり1秒当り 1.6 回転で、オランダの風車と大差ありません。

しかも燃費節約のため、空中で4発→3発→2発→1発と任意にエンジンを停止して、巡航速度 120km/h で計算上30時間滞空できたと主張するのですが、「富嶽」のように米本土爆撃でもする心算だったんでしょうか。

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