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懐かしい物ふぁんくらぶ♪コミュのスパイ大作戦

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プロローグ

【ブリッグス・スカッド】
 デシル・プロダクションは1951年にコメディ女優ルシル・ポールと当時の夫であったデシ・アルナズが設立した会社である。1951年にアメリカで放映された 「アイ・ラブ・ルーシー」(日本でも1957年に放映)の大ヒットを始め、その他のドラマも認められてデシル・プロダクションも隆盛を極めていたが、1960年代に 入ると次第に衰えていく。財政の建て直しが図られている中、ブルース・ゲラーが書いた「ブリッグス・スカッド(BRIGGS' SQUAD)」という脚本に目を止め、ゲラ ーが映画化を望んでいたにもかかわらず、30分用のテレビドラマとして書き直させた。
 「ブリッグス・スカッド」とは、使命を実行する特殊部隊ということで、デヴィッド・ブリッグス中佐をリーダーとし、6人の部下がいるという設定だった。車のディー ラーで利益にならないことはしないアルバート・ネー、プレイボーイでかつて女性にノーと言わせたことのないジャック・スミス、電気工学、数学・物理学のエキス パートでギャンブル依存症のバーニー・コリア、恐らく世界でもっとも力のある男のウイリー・アーミテージ、武道のエキスパートでプロの殺し屋テリー・ターゴ、 変装と魔術とスリの名人で、15ヶ国語を流暢に喋れるマーティン・ランドである。ブリッグスは政府高官であるものの、その他のメンバーは犯罪者崩れという内 容だった。そして、ブリッグスは彼らを率いて、船に乗り込んで航海をし、いろいろな武器や小道具を使用して公海強盗を働くというものである。ブルース・ゲラ ーは、たとえ彼らが罪を犯す側にいても、視聴者は彼らの側に立って彼らを応援すると考えていたようだ。
 しかし、テレビ番組として放送コードに適合させるために、ブルース・ゲラーは「ブリッグス・スカッド」の大幅な変更を余儀なくされる。まず、内容がラテン・アメ リカの独裁者によってホテルの金庫室に厳重に保管されている核弾頭を盗み出すというストーリーに変更され、次に、登場人物のアルバート・ネーとジャック・ スミスが廃されて、麻薬常習者である20代の魅惑的女性のシナモンに置き換えられた。また、犯罪者集団から半官的な立場で全員を秘密諜報員にすること で、アメリカ政府のための任務を遂行するというような設定になった。これによって、たとえ彼らが法を犯すような行動をとっても、それが常に正当化されるという ことになるのだ。
 ルシル・ポールはこのテレビドラマ用として出来上がった脚本に対して、読んでも意味不明と難色を示すものの、彼女の新しい夫ゲーリー・モートンらが非常 に気に入ってドラマ化を決定し、タイトルは後に「MISSION:IMPOSSIBLE(スパイ大作戦)」と変更される。また、「ブリッグス・スカッド」という部隊も、「IMF (Impossible Mission Force)」と改称される。IMFは民間の組織という設定であったものの、その活動範囲については漠然としており、時々スパイ活動をする 探偵物語のように当初は考えていたようだ。また、パイロットに向けてシリーズ構想が練られたが、その中では、ブリッグス、シナモン、バーニーの三人がレギ ュラーで活動し、三人の技術で足らない場合は、毎回違うゲストスターを秘密諜報員として登場させるつもりだった。そして、サスペンスをさらに高めるために、 そのうちの何人かを劇中で殉職させることも考えていたらしい。

【パイロット製作】
 「スパイ大作戦」のパイロットを製作するにあたって、ブルース・ゲラーはゲストスターの役割を設定する。金庫破りのテリー・ターゴ、俳優のマーティン・ランド と怪力の保持者ウイリー・アーミテージの三人の設定がなされた。キャストにはゲラーがかつてロサンゼルスでプロの俳優たちを養成するためのワークショップ であるシアター・ウェストで知り合ったマーティン・ランドーとバーバラ・ベインが選ばれた。グレッグ・モリスもシアター・ウェスト出身である。俳優のマーティン・ラ ンドという役名もマーティン・ランドーのために準備されたようなもので、後に役名はローラン・ハンドと改名される。また、スタッフについても、ゲラーは古い仲間 を引き入れるように働きかけた。
 監督には、当時テレビ界でもっとも成功していたバーニー・コワルスキーに白羽の矢が立てられた。ブルース・ゲラーは、視聴者の心を突然奪うような展開を 好み、コワルスキーはこの点を配慮しながら、製作したと言われる。IMFの表舞台と裏舞台、そして、悪漢サイドのシーンが同時進行するような複雑な構成で あるため、歴代の「スパイ大作戦」の監督は、製作の遅延や一種のタイミングを備えたジブソーパズルのような構成に悩むことになる。
 1965年12月8日(水)にパイロットの撮影が、マウント・セント・マリーカレッジで行われた。13日間の撮影スケジュールが遅延して19日間かかった。さら に、ブルース・ゲラーはかなりの箇所の修正を要求したため、CBSへの指定納期を逃してしまい、CBSは別のパイロットであるシカゴの刑事「ナイトウォッチ」 を採用してしまった。その後に、「スパイ大作戦」のパイロットが納品され、もはや「ナイトウォッチ」の決定は覆らないと思われていたが、奇跡が起こったのであ る。
 当時としては、「スパイ大作戦」のライセンス料が破格の金額であったことや、パイロットの質と同様の質を毎週維持するのは困難だという懸念にもかかわら ず、これを見たCBSの会長や幹部たちの心を動かすような仕上がりだったことと、デシルのルシル・ポールが、「スパイ大作戦」がそのシーズンの最高のパイ ロットであると主張し、採用しなければ当時のCBSの看板番組である「アイ・ラブ・ルーシー」を中止すると脅したと伝えられている。しかし、誰の目にも、「スパ イ大作戦」のパイロットがその年のショーであったことに疑問はなかったようで、結局、CBSの選択は正しかったということが後に証明されることになるのだ。

【シリーズの特徴】
 1965年当時、秘密諜報員が登場するドラマとして、「ナポレオン・ソロ」、「ワイルド・ウェスト」、「アイ・スパイ」などが存在し、ブルース・ゲラーは「スパイ大作 戦」をこれらのシリーズとは明白な差別化をしたかった。そこで、既存のスパイドラマとは明らかに趣向が異なる設定が数多くなされたのである。その中で顕著 に現れている特徴について書き記してみると以下の通りとなる。
 まず、考えられたのがIMFメンバーのキャラクター描写の欠如ということだ。主人公たちの人間特性を極力抑えることにより、彼らを歯車としての機械的な人 間に見せ、彼らの行動を職人芸的に描くことに成功した。とはいえ、メンバーのキャラクターが具体的に描写されなくても、彼らの行動の中で十分滲み出てお り、視聴者は彼らの活躍する行動を見ながら、演じる俳優の魅力、彼らのチームワーク、組織への忠誠心、メンバー相互の信頼性などを感じ取ることができ る。メンバーの一人が危機に陥った時、他のメンバーが協力して危機に晒されているメンバーを救出するというシーンが毎回、違った形で表現されることにな る。
 次に考えられたのが、精巧に練られ、複雑に入り組んだIMFの戦略である。敵の悪漢に対して表舞台ではローランとシナモンが直接接触する一方、バーニ ーとウイリーが敵の見えない裏舞台でほぼ同時進行という形で任務が展開される。そして、秘密兵器を数多く取り入れて論理的に組み立てられたストーリー ではあるものの、彼らが何をしようとしているのかがリアルタイムでは非常にわかりにくい。ところが、毎回最後に彼らの作戦の全貌が明らかになって、敵の悪 漢が驚くような展開で結末を迎えるというものだ。視聴者にとっても、最後に思いもつかない弱点を突かれたような同様な気分にさせられる。
 さらに考えられたのが、IMFメンバー間の会話におけるユーモアの欠如である。これは、ブルース・ゲラーが明らかに「ナポレオン・ソロ」を意識してこのような 設定にしたと思われる。これはリアリズムを重視し、IMFが任務を真剣に取り組む姿勢を示すものであり、「ナポレオン・ソロ」がユーモア描写のために自己パ ロディ化して短命に終わってしまったのと比較し、シリーズに長い寿命を吹き込む役割を果たしたと言える。
 また、ストーリーに現実感を持たせるため、登場する秘密兵器の小道具の実現可能性について、専門チームを組んで事前に入念に検討された。そして、原 理が有効ならば、たとえ世の中に存在しなくても、バーニーはドリームマシンを建造するという設定にしたようだ。ジョニー・バークが中心となったこのチームに は、それぞれの分野のトップ技術者が集まり、舞台裏のヒーローであったと言われている。
 そして、大きな特徴になったのは暴力の追放と心理作戦の多用であろう。確かに、第1シーズン初期には銃撃戦や殺人をするIMFメンバーも描かれたが、 次第にIMFによる暴力シーンは激減していく。その代わり、相手を倒すときは空手チョップを使用したり、催眠針を刺して相手を仮死状態にするような戦法が使 われるようになる。特に、1963年のケネディ大統領暗殺後は、テレビ業界自体も反暴力論が巻き起こって、劇中で暴力シーンを演じるのがやりにくくなったと いうこともあるのだろう。
 ということで、IMFは暴力以外の、詐欺、イカサマ、窃盗、誘拐などの手段を好んで用いて、メディアの裏をかいたり、敵を罠にかけて犯罪に陥れたり、あるい は、部下をそそのかして上司を殺害させるというようなことをやってのけるのだ。人間の心理をうまく利用した作戦が毎回見られ、IMFは敵の悪漢をよく研究 し、その弱点となる出世欲、金銭欲、性欲などをうまく突き、最終的に敵をものの見事に騙すのである。


オープニング
http://www.youtube.com/watch?v=_cE7Gb9px1k

オープニング その2
http://www.youtube.com/watch?v=ca2Ix3be3V8

第1シーズン

【放映時期】66/09/17―67/04/22 (全28話)
【レギュラー】第1シーズンのオープニングに流れるレギュラー出演者のクレジットは下記のようになっている。
Starring STEVEN HILL,
also starring BARBARA BAIN,
GREG MORRIS,
PETER LUPUS
マーティン・ランドーについては、レギュラー扱いにはなっておらず、たいていは、本編に入ってダンがファイルよりメンバーを選ぶシーンで、特別出演扱いのクレ ジットが入る。
Special Appearance by MARTIN LANDAU As Rollin Hand
【製作】ジョセフ・ガントマン(27)、ブルース・ゲラー(1)
【脚本】ウッドフィールド&バルター(10)、エリス・マーカス(4)、ローレンス・ヒース(3)、ロバート・レウィン(3)、エドワード・J・ラクソ、ジェローム・ロス、ジュデ ィス&ロバート・ガイ・バローズ、ジュリアン・バリー、チェスター・クロムホルツ、ブルース・ゲラー、マン・ルービン、リー・チャプマン
【監督】チャールズ・R・ロンドウ(5)、レオナルド・J・ホーン(5)、バーナード・L・コワルスキー(3)、リー・H・カッツィン(3)、アレン・マイナー、シャーマン・マーク ス、ジョセフ・ペヴニー、トム・グリーズ、ハーシェル・ドーハティ、ハリー・ハリス、マーク・ダニエルズ、マイケル・オハリヒー、ラルフ・セネンスキー、リチャード・ベ ネディクト、ルイス・アレン、ロバート・ダグラス
【エミー賞】 6部門でノミネートされ4部門で受賞
ドラマシリーズ作品賞:「列車偽装作戦」
ドラマシリーズ主演女優賞:バーバラ・ベイン
脚本:ブルース・ゲラー 「核弾頭を奪え」
フィルム・音響編集:ポール・クラズニー、ロバート・ワッツ
【解説】アメリカ本国で、1966年9月17日にパイロット版である「核弾頭を奪え」が放映され、翌週から第1シーズンがスタートし、1967年の4月22日の「裏 の裏」までの全28話(パイロット版を含む)が放映された。製作はパイロット版がブルース・ゲラーである以外は、すべてジョセフ・ガントマンが担当している。脚 本については、「武器弾薬を渡すな」より参入したウッドフィールド&バルターがメインライターとして10作品を手がけている。
 「スパイ大作戦」のスタートした1966年秋、デシル・プロダクションにはもう一つの大作「スター・トレック(宇宙大作戦)」を抱えていた。両者とも、革新的なコ ンセプトを持ち、製作費が高価であるという共通点を持っていた。デシル・プロダクションの当時の副社長のハーバード・ソローは家族的な親密感溢れる経営を めざしていたこともあり、両者のスタッフとキャストはお互いに良く折り合い、雰囲気もなかなかよかったと伝えられている。
 ブルース・ゲラーが製作者として招いたのが、「ナポレオン・ソロ」の製作に携わっていたジョセフ・ガントマンであった。しかし、パイロットの「核弾頭を奪え」を 無事製作したものの、ブルース・ゲラーにはシリーズの概念や基準書みたいなものが全くなく、ジョセフ・ガントマンはこのことに苦悩するのであった。また、ブ ルース・ゲラーは撮影後の編集や音楽に極度に口を出し、スクリプトの作成にはあまり関わらなかったため、ジョセフ・ガントマンはプロデューサー兼ストーリー エディターの役割を担うことになる。そして、困ったガントマンは、知人である脚本家数名に連絡を取り、呼び出されたのがウィリアム・リード・ウッドフィールドと アラン・バルターであった。この二人によって良質で魅力あるIMFの秘密兵器が多数登場するようなスクリプトが次から次へと量産され、二人が辞める第3シー ズン半ばまでは、スクリプトの不足の問題は起こらなかった。
 スタッフにとっての一番の悩みの種は、製作の問題であった。通常、毎週放映されるドラマの製作スケジュールは6日間で組まれるらしいが、「スパイ大作 戦」は7日間で組まれ、それも常に遅れがちで8日以上かかることも珍しくなかったと言われている。ブルース・ゲラーには経費を節約する気が毛頭なく、製作 予算も常にオーバーし、これが経営者の目に留まるのは、奇しくも次シーズンになってからである。
 しかしながら、毎週のように「スパイ大作戦」が放映されるにつれ、ほとんどの視聴者はこのドラマの内容を完璧に理解できなかった。「スパイ大作戦」では、 視聴者はテープシーンとアパートシーンのわずかな情報を手がかりに、IMFメンバーと一緒にアドベンチャーの世界に入っていくことを強いられる。途中で作戦 の解説がほとんどなく、目の前に展開される速いタッチの画面についていかなければならなかった。おまけに、表舞台と裏舞台に分かれて遂行されるIMFの 作戦と敵の悪漢登場の複数の場面が同時進行で展開され、入念に練られた作戦も複雑に入り組んでいてわかりにくく表現されている。当時は家庭用ビデオ デッキもなく、テレビで放映されると同時に1回ですべてを理解しなければならなかったのだ。
 第1シーズンはジム・フェルプスがIMFのリーダーでないということで、すっかり印象の薄くなってしまったシーズンではあるものの、注目すべきエピソードは 数多く存在する。「大量殺戮者」では、時間のトリックが初めて採用されたエピソードで、初めて偽装旅行のトリックを用いた「列車偽装作戦」とともに、内容の 充実度においても第1シーズンの代表作として双璧をなすものである。パイロットの「核弾頭を奪え」についても、CBSの役員の心を動かし、本シリーズの購入 を決定させたという重要なエピソードである。
 また、超自然現象をテーマにした「幽霊を呼べ」や、シナモンが敵のスパイに本気で恋に陥る「暗殺者レディキラー」など異色の作品も見られ、シリーズの方 向性を模索するようなものとして位置づけられる。さらに、シリーズ初の二部作となった「刑務所突破作戦」においては、いつもと趣が異なり、メンバーの人間性 やキャラクターが十分に表現されたエピソードとなっている。
 作品の出来はともかくとして、第1シーズンのエピソードの中には、今後のシリーズの方向性を示唆するものも少なくない。ウッドフィールド&バルターによる 最初の作品「武器弾薬を渡すな」では、ギャンブルが絡んだIMFの作戦の基本形が見られるとともに、魅力溢れるIMFの秘密兵器が多数登場する。「越境作 戦」においては、一度敵から奪ったものを一旦敵に返し、再びIMFが敵から奪うというおなじみの戦術が登場し、「二重替え玉作戦」は同じ顔をした人物が同一 の部屋に三人登場するという変装術の極致を描いている。また、「生贄」では、敵が心理作戦を巧みに使ったエピソードで、今後のIMFの作戦にも同様のもの が頻繁に用いられるようになる。そして、ナチスを初めてテーマにした「ヒトラーの遺産を奪取せよ」は出来映えもよく、「新スパイ大作戦」でリメークされている。
 第1シーズンにおけるIMFのレギュラーチームのリーダーはダン・ブリッグスであり、アメリカ合衆国政府からは明らかに独立した組織であり、彼の部下として は、変装と声帯模写の名人で手品も得意とするローラン・ハンド、妖艶な美女で元カバーガールのシナモン・カーター、電子工学のプロフェッショナルで破壊工 作も得意とするバーニー・コリア、重量挙げの元世界チャンピオンで並外れた怪力の持ち主であるウイリー・アーミテージの4名である。
 マーティン・ランドーについてはレギュラー出演としての契約をしておらず、当初、数話登場するだけの予定で、パイロット版では、単なるゲスト出演となってい た。彼の演じる役割が、それほどレギュラーにするほど重要視されていなかった点もあるが、回を重ねるごとに、彼の演技力や演じるキャラクターのユニークな 才能、可能性や存在感などが、スタッフのみならず視聴者にも支持されることになり、番組にとっても欠かせないものとなってしまった。そして、レギュラーでな いにも関わらず、第1シーズンのほとんどのエピソードに登場することになった。結局、ローランが出演しなかったのは、「越境作戦」と「暗殺者 レディキラー」 の2作品で、残りの26作品に登場している。
 CBSはダン・ブリッグス役で主人公となるスティーヴン・ヒルの起用に対して難色を示していた。彼のキャラクターが地味でIMFのリーダーとして商用的でな いと考えたのである。これに対してブルース・ゲラーはスティーヴン・ヒルのことを大変気に入って、ヒルのキャラクターが面白くて型破りな可能性があると主張 して、CBSの幹部たちを押し切るのであった。
 ところが、スティーヴン・ヒルはユダヤ教の敬虔な信者であり、金曜の夜には、一切仕事をしないという条件の折り込まれた契約を締結することになるのだ。 製作サイドでは、金曜といえば最終日ということで真夜中まで撮影が行われることも珍しくなく、スティーヴン・ヒルのこの条件は大きな障害になった。このこと が原因で、ダン・ブリッグスは大半の作戦の実行に加わることができないことになり、指令の受領とメンバーの選定とアパートでの作戦会議のみしか登場しな いエピソードが必然と多くなったのである。
 きちんと契約書で謳われていても、スティーヴン・ヒルと製作スタッフとの確執はしばしば見られ、お互いに神経質になることも珍しくなかった。そして、致命的 な事件が、「偽造フィルムを暴露せよ」の撮影中に起こったと言われている。それまで、スティーヴン・ヒルは2日分の撮影を終え、撮影所の階段を垂木まで駆 け上がるシーンを撮影する時、突然、彼はシーンを演じることを拒否し、楽屋のドアをロックして撮影がストップする事態に陥ったのである。拒否した理由につい て、ブルース・ゲラーとハーバード・ソローにも言わなかったため、ハーバード・ソローはスティーヴン・ヒルを降板させ、テープシーンは、シナモンがエステティッ クサロンで指令を受け取るという設定に書き直された。ブリッグスが登場しない理由については劇中で一切語られず、本シリーズでIMFリーダーが登場しない 唯一のエピソードになった。これによって、それまで彼をひいきにしていたブルース・ゲラーですら完全に切れたと言われている。
 この事件を境にスティーヴン・ヒルの登場は必要最低限に抑えられる。彼の任務はテープシーン、メンバーの選定シーン、アパートシーンの三つが基本とさ れ、本来、彼が行うはずだった任務については、毎回、ゲストスターが交代で務めることになる。こういう状況になっても、スティーヴン・ヒル本人は自分が降板 になることを自覚していなかった。1967年3月6日に「極秘情報を奪回せよ」の撮影中、スティーヴン・ヒルの降板とピーター・グレイヴスが後任と伝える記事 で、彼にとって最も不幸な形で解雇の知らせを聞く結果となった。
 第1シーズンが終了して視聴率も振るわず、ニールセンの格付も51位と低迷する。普通なら、これで番組終了となってもおかしくない数字だが、幸運にもCB Sの強力な支持があって、シリーズの続行が決定される。また、1966年の年末に「核弾頭を奪え」と「大量殺戮者」の再放送がされ、初回放映時よりもかな り高い視聴率を稼いだ。そして、運命の1967年3月25日の夜、エミー賞の4部門で勝ち取ったことで、さらに多くの視聴者を獲得するのに有効だった点は間 違いなかった。
 第1シーズンの一番の大きな特徴といえば、やはり、IMFリーダーがダン・ブリッグスだったということだ。いつも同じメンバーを選ぶとは限らず、任務もほとん ど参加せず、作戦もよく失敗して途中で変更をよく強いられたリーダーだった。また、殴り合いや銃撃戦を好み、緊張を解すためにメンバー間で冗談の掛け合 いも頻繁にされるという意外と人間臭さも垣間見られる。「核弾頭を奪え」で突然登場したのと同様に、第1シーズン終了とともに突然と去るIMFリーダーにつ いて、劇中では一切語られずにダン・ブリッグスが任務中に死んだのか、あるいは、IMFを辞任したのか永久に謎である。そして、「スパイ大作戦」に第1シー ズンがかつて存在したことさえ、人々の記憶から忘れ去られようとしているのである。

コメント(2)

一番最初のバージョンが一番好きですねぇ〜。
チャリ・エンもそうですけど、やっぱり映画よりドラマのほうがいいわぁ。

同じプロダクションが抱えていたせいなのでしょうか、「スター・トレック」のスポックことレナード・ニモイが出ていた時期もありましたよね?
バーニー(かな?破壊工作担当者)の息子さんが「新スパイ」でおんなじポジションの役を担当されてましたが、そーっくりでしたねー。小さい頃、現場に出入りしてたという話は本当かしらん。
女性エージェントで「シナモン」って言う役名で出てた人・・・・
名前忘れましたが綺麗でした〜

あれ以来「シナモン」と聞けばこのドラマのOPが頭の中で流れ始めますw

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