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イワジャわるどコミュのかるチャーセンター。

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「普通の女とそうでない女。」

はあ。
普通って概念がひとそれぞれ違うから、そんなものあてはめることがナンセンス。

だとは思わない人が多いってことに
最近、気付いたわたしだった。

「わたし」は結婚して、仕事もして、ついでにカルチャーセンターへも行っている。

モノを書く事が好きだったから。

でも「才能」というには、みじめな文才だと思っていたから。
かるちゃーセンターで十分。
それで満足だと思っていた。

でも。

なに?これ?

先生はちょっとおしゃれな背の高い
あまり有名では無いエッセイ作家。
そして生徒は、40代50代が主なおしゃべり好きの女性が主。
20代の若い子もいる。

「わたし」は真ん中の?30代。

毎回、テーマを与えられ、教室で発表する。
なので、前日、家で必死で書く。
先生がコメントをつけてくださる。
そして、いいものには、先生に指名され、みんなの前で
読まされる。

「金沢さん。読んで。」

わたしは指名され、その日は生活エッセイを読んだ。

まあまあの出来だったし、満足だった。
趣味だし、なによりも気楽だ。
生活のオアシス(ふるくさいな)だと思った。

なのに、だ。

「ちょっと。金沢さん?先生に何かしたの?」

はあ?!

取り囲む50代のおば様方。
このおばさま方は集団行動をひどく好み、
おそろいのバッグさえ持つ輩もいる。

「いいえ。何もしていませんが。」

「そうお?!あやしいわよねえ?」
「ねえ?」
「ほんとにい?」

下世話だ。
ほんとにこいつら暇人(むしろ暇陣)だなあ、と感じた。

「エッセイに選ばれたことが不快なんですか。」

「べつにい。。。」

「じゃあ、なんなんですか。どいてください。」

掻き分けて、さっさとセンターの玄関を開ける。
背後から声がする。

「だって、あなたいつもお茶会に参加しないし。」

はあ????!

お茶会、とは。
先生を囲んで、エッセイ教室の後にお茶をすることである。
そんなのする暇無い。
夕食の支度だってしたいし、何より、
意味の無い、つまらない世間話をだらだらすることが苦手だった。
むしろ、帰って次の作品をどう仕上げるか、
考えることの方がわたしには大事。

「ふつうじゃないわよねえ、、?」
「ちょっと変わってるわよね?」

なにがだ。

変わってるのはあんたらのほう。

何を習いに来ているの?
自分より年下の先生に色目使って気持ち悪いったら。

「先週、旅行に行きまして」と言いながら
渡す菓子折り攻撃にも見ないフリしてたのに。

あんたらにとって、
モノを書く事なんて、どうでもいいんでしょ。
「趣味」の範囲だもの。
固執して、上達したい人ばかりじゃないのは、
そんなのわかってる。
でもね。
あからさま過ぎるのよ。あんたたち。

暇つぶしに色目使わないで!!!

(ハア。。。)

ガッコウとカルチャーセンターの違いは、
「青春」が「恋愛」が
美しいものか汚いものか、分かれることだ。

若いと理想や想像や未来があって美しい。

なのに

トシいってしまうと醜悪だ。

彼女らには彼女らの美しい青春があったのではないか。
それをどこに捨ててきたのだ。
醜悪だ。最低。

「まあ、いいんじゃない?それしか楽しみが無いのよ。」

と友人に言われた。

「・・・・。」

そう。
そうね。
いくら嫌なモノを見ても「かわいそう」と思えば、
耐えられるのかもしれない。

わたしは、お茶会に出席はしないが、
そのカルチャーセンターに半年も居続けた。









※フィクションです。







コメント(4)

「ねえ、聞いた?あれ。」

お茶会の始まりはいつもこう。

「知ってる知ってる。金沢さんでしょ。」

「結婚して8年?9年?だっけ?・・もしてるのに子供いないんでしょ。」

「変よねえ。」

「なにか病気なのかしら?」

そんなことどうでもいいだろが。
と毎回ツッコミたくなる話題を提供してくれる。
それがこのおばはんたち。

アタシはそんなくだらない「情報」が欲しかった。
だって「リアル」な事は、現実に起こっていること、だから。
このくだらない話題が、世の中で取り上げられることがあるから、だ。

アタシはこの中で一番若い20代後半の独身女。
いつもへらへらと笑って調子よく相槌を打っている。
差し支えないように、でしゃばらないように、
いつも安全体制で話を聞いている。

「どうなんでしょうね。私には、よくわかりませんね。」

こう答えるのが一番いい。
こっちに火の粉が飛ばない術だ。

話題になっている人は、うちの教室でも一目置かれている人だった。本人はそうは思っていないが。
何度も先生に作品を取り上げられている(=授業の参考にされている)ので、このおばはんたちは面白くないのだ。

まあ、あとは、・・・・暇なのだろう。

むしろ、こんな他人同士が集まる場所で
そのような個人情報をどこから仕入れてくるのか。
それが不思議でたまらなかった。

「金沢さんの同級生だった子が、行きつけの店の美容師でさあ。そこでちょっとだけ噂を耳にしたってわけ。」

「へえ、そうなんですか。世間は狭いですね。」

怖い。
個人情報なんていともたやすく他人に入るのだ。
それが親しいほどに詳細まで語られることはどうなんだろう。
・・・裏切りなんじゃないだろうか。

「とにかく。ここだけの話でね。」

ここだけではない話なのだ。
きっと公民館などでも、話すキッカケさえあれば
話しているのだろう。

そう思いながらも、耳を傾ける。

「ひとり、流産したんですって。」
「あら。」
「まあ。」
「お気の毒に。」

「しかも仕事中にわかって、切迫流産だったのにもかかわらず、仕事を続けてたんですってよ!」
「ええ?」
「しんじらんないわ。」
「そんなに働かなくても、いいご家庭に育った感じよね?」

「可哀想よねー、赤ちゃん。」

何人かは神妙な顔で、頷く。
(これもカタチだけなんだが。。。)

「可哀想なのは本人だと思いますが。。。」

思い切って、クチに出してみた。
専業主婦歴の長い人はどう反応するか、見てみたかった。

一斉に、主婦たちは、自分の顔を見た。

「結婚もしてないくせに何言ってんのー!」
「そうよー?」
「産みの苦しみも分からない子が、知ったかぶってえ。」
「サキちゃんは、いい人いないの?
もう後が無いのよ?30で結婚すればいいや、なんて今の人は言ってるけど、遅い、遅い。早くしなさいよ。」
「子供はいいわよー?」
「いい人、紹介したげるわよ。ね。どんな人がいい?」

いつの間にか、話題は自分の見合い話に流れていた。
結婚しない自分のことを、

「仕事に生きていていいわねえ。」

とか

「今っぽいわねえ。」

とか

言ってませんでしたっけ。?。

本音はそれか。。。

「いいお話があれば、いいのですが、ね。なかなかね。こればっかりは。。。」

そう言いつつも、電話番号は一切教えない。
誤魔化して終わる。

アタシはこの毒に犯されたくないから、結婚しないのだ。
恋人はいるのだ。

そんなこと言わなくてもいい。必要ない。

おばさんラジオは、次から次へと話題が変わる。

きっと死ぬまでこうなのだろう。
曖昧な情報を右から左へ流し続けて、話し続けて、
時間を潰し、暇をつぶし、

人生を潰しているのだ。

そう思うと、にっこり微笑んで、
「先生のタイ、今日も素敵でしたね。」
と自ら、ネタを振って、彼女らを遊ばせてみようという
邪悪な心が私を掴んで離さない。
「ああ。今日も、見てたのよ。」

「のよ。」の後にハートがついてる。
毎週木曜日はいつもこう。

カルチャーセンター文芸講座の帰り道、あやこは思う。
母は講座へ通っていた。
小説家になりたかった、という夢が少女時代あったそうだ。

「ふうーん。それで?」

「んもう!ちゃんと聞いてよ!」ばしっ。
あの瞳の奥が語っていたの。
「今日の君は、素敵だよ。。。って。。。」
「それ、勘違いよ。」
「もう!夢が無いわねえ!あんたって子は!」

55歳の母がはしゃぐ姿は、娘のあたしから見ると
滑稽だ。。。

まあ、シアワセそうだし。。。いいけどね。。。。

これがラブホとか行って、不倫騒動になったら、
大変だけど。

・・・・。

ううん、むしろそのほうが面白い。
お父さんビックリするだろうな。ふふ。

「なによお〜笑ったわね?!素敵なのよ?まじでえ!」

「やめてよ、その言い方。。。」

トシが行くと若いこの真似したがるのはナゼなんだろうなあ。
まあ、いいけどね。別に。。。

夢見る乙女の母を見るのも
まあ、悪くないな、と思いつつ、

頭の片隅では、好きな曲を再生しながら、
母のノロケ話?を聞いていた。
「君は・・・憎んでいるんだろう?」

「え。」

初めての恋愛エッセイの講評は、こんな言葉で始まった。

「この文章は、この世の全てを憎んでいる文だよ。
並みの人間には書けないね。もっと書きなさい。もっと書いて、壁を越えてごらんよ。」

講師の先生は36歳のエッセイストだった。

「あの。あたし、そんなつもりは無いンデスガ。普通に書いただけなんですけど。。。」

「いいから、書きなさい。君の力を見せてくれ。」

うーん。わけわかんない言葉を言われて正直戸惑う。
エッセイなんて、どうかけばうまくいくなんてわからないし、
第一、これは友人の話だ。

友人をネタにしていいものか、悩んだけれど。
あたしにはネタになるような素材も関係を持った人間さえもいなかった。
全て想像。
全て創造。

先生は、また次の作品、楽しみにしてるよ、と言って、
行ってしまった。

褒められると素直に嬉しいものだ。

その気持ちをバネにして、あたしはまた書く。
想像の創造。。。

「はははははは!!」

2作目は、悲恋小説のつもりだった。
講師は笑い飛ばした。

「・・・あの。・・・どこか、おかしいですか?」

「ああ。ごめん。ついね。。。」

講師はじっくりと読んで、こう言った。
「もっとラストを考えてごらん。これじゃあ、主人公が軽すぎるよ。もっと、年齢を考慮してごらんよ。」

「はあ。」

「日常でよくありがちな不倫、なんてものはね。非日常的なんだよ。そこの感覚の違いかな。もっと勉強してごらんよ。
肯定的に見るか、否定的に見るか。読者はどちらを望んでいると思う?どうやってラストで、裏切られたいと思う?主人公は君と同じ女性だろう?」

「ええ。そうですが。客観的に見ることも大切かと。。」

もう一回。

書き直し、と言われて、もう一ヶ月近くになる。
さすがに案が出てこない。限界。
自分の才能の限界を知ることは、つらいことだ。

 上手ねえ!!すごいわ。あなた。

なんて小さいころから周りに言われて、おだてられて、いい気になった自分が簡単に、どん底に突き落とされる。

電話が鳴った。

講師の声だった。
「できた?今から持ってきてよ?まだセンターにいるよ。」
時間はもうセンター内の講義が終わっている時間だった。

少しでも出口を見出したかった。

何か掴めるだろうか。
何か。

こんな時間に出かけるなんて、何年ぶりだろう。

外は真っ暗。
街灯がつきはじめるこの逢魔が刻(とき)。
月はうっすらと見え始める。
初冬にふさわしいものすごく細い明るい月。
コートを羽織って、サイフ一つ持ってあたしは出て行く。

それが講師の策だとは知らずに。
「とにかく、面白いんだよ。」

この男の話の始まりはいつも同じだ。
文化講座教室で講師をやっているミナミはいつも通り、そう言って、話し始めた。
何でも?作家講座なるものに20代?ええと23歳だっけ?の若い子が中々興味深いモノを書くらしい。

書く仲間、「月刊ブンヒツ」(なんちゅうネーミングだ)
の仲間としては、ちょっと気になる話だった。

「へえ。そんなに面白いの。どのへんが。」

「持ってきたんだ。読んでみるか?」

文化講座のビルの下には小さな喫茶店があった。

そこに俺は呼び出された。

がさがさと原稿用紙を牛革鞄からファイルで束で取り出した。

「おいおい。いいのかよ。本人に内緒で。。。」

そういいつつも、目を通す。

短い話だ。

愛人の子供の話。
愛人の子供として生まれた女の子。
母親は笑顔を見せない。子供は不安な顔立ちになっていく話。
祖母に育てられたその女の子は、年頃になって、
母親と同じ愛人の道を辿ることになる。
女の子は素直で正直者。頑固。でも人を見る目が無いのだ。
何度も騙される。
騙されても、騙されても、愛人の立場から離れることは無いのだ。
普通の人の幸せと自分の幸せを女の子は考える。
同じだ。どっちも同じ。
手に入らないものを追い続けるのが彼女のシアワセなのだ。

「・・・・・。」

「どうだ?面白いだろう?」

「これは、彼女自身の話なのか???」

「そうかもしれん。」

「大丈夫なのか?そんな子を・・・オマエがみて。。。」

何しろヤツは女をとっかえひっかえ弄ぶ遊び人だ。

「おれはな、こう思うんだよ。」

こんなに暗いモノを抱えている子は吐き出さないといけない。
自分の感情を出さずに生きてきたんだ。きっとな。
だから、俺が書くことで吐かせてあげるんだ。

いわば 慈善事業 だよ。

「おいおい。。。」

ちょっと飛躍しすぎなんじゃねえのか。。。?

「今から、会わせてやるよ。あ。来た。」

「ええ?!どういうことだよ?!」

「いや、こういうひねくれた子はオマエに合う、と思って。」

おーい。こっちこっち!

紺色の地味なコートを着たロングヘアの彼女が、
息を切らして店に入ってきた。

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