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能村庸一チャンバラ倶楽部コミュのテレビ昔話(76)【おまささん・梶芽衣子】

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テレビ昔話(76)能村庸一(時代劇プロデューサー)
【おまささん・梶芽衣子】

 先日、久し振りに「鬼平犯科帳」スペシャルが放送された。今回は云わば<おまさ篇>とあって梶芽衣子の好演が目立った。思えば彼女とのお付き合いも長い。平成元年の「鬼平」スタートからだから二十年にもなろうとしている。但しその間、他の仕事と云えば「剣客商売」のおもと、そして「忠臣蔵」でおりく役をお願いしただけだから、わずか三本なのだが、筆者にとって、又梶芽衣子さんにとっても楽しい仕事だったろうと思う。
 芸能生活四十年以上の大女優だから、それ以前にもっと、様々な映画、テレビで活躍した時間があった事は云うまでもない。

 日活デビュー後しばらくは青春映画に主演していた彼女だが、マキノ雅弘監督の映画「日本残侠伝」(主演高橋英樹)の演技が高く評価されて、以後次々と映画の主役、準主役を務めるようになる。中でも「女囚さそり」シリーズは彼女の人気を決定的にし、その主題歌「怨み節」が空前のヒットを記録した。この映画から「怨恨を持った復讐者」としての役どころが多くなり、クールな美貌と感情表現が彼女のイメージとして定着していった。「修羅雪姫」もその一つ。クエンティン・タランティーノ監督は彼女のファンとして知られ、映画「キル・ビル」にも「修羅雪姫」の影響が見られ、「怨み節」が使用された事からCDが復刻されたのも記憶に新しい。

 デビューした日活は裕次郎らアクションスターの全盛時代で、その相手役に優しい感じの女優が期待されていた中にあって、強い女を演じた唯一の女優だった事が、むしろ彼女にとって幸運だったかもしれない。やがてテレビに進出した彼女も、強い行動力のある女優からスタートする事になる。「大江戸捜査網」は日活では珍しい時代劇。しかも彼女は何の経験もなかったが、芸者から密偵ならぬ「隠密同心」に変身するという役で、立ち廻りが出来ず、監督はアップを多用するなどして殺陣の未熟さをカバーしてくれたと云う。
 「戦国ロック・はぐれ牙」はタイトルからも明らかなように彼女の当り役の一つだった。「野良猫ロック」のテレビ時代劇版。彼女にとっては初の主役時代劇だったし、梶芽衣子にあわせたハードな企画であったが、当時のテレビ界では少し早過ぎた企画だったようだ。むしろ翌年の「寺内貫太郎一家」などホームドラマに彼女の新しい魅力が次第に茶の間に根づいていった。

 そんな彼女にとって「鬼平」との出合いは、一つの大きな曲がり角になったと云えよう。役名も本名の太田雅子と同じ<おまさ>。
 彼女にとって中村吉右衛門という歌舞伎の名優との出合いが何ものにも替え難いものになった。
 「私みたいな役者の芝居をキメ細かく受けて下さる。それが嬉しいんです。あまりすばらしい演技に見惚れて、自分のセリフを忘れそうになる事さえあるんです」と彼女は言う。密偵の中の紅一点。平蔵は父親のようであり、兄のようでもあり、恋心みたいなものも抱いていると彼女は感じている。「台本に書かれているわけではないし、口にも態度にも出せない。密偵として命がけで働く事で、そういう思いが報いられるだろう、その女の微妙な切ない思いを、毎回意識してやっているつもりです」
 縁側で報告する場面だけでもその切ない思いを持っていれば、おまさの感性が表現できるのだ。
 「年齢的な限界は考えないようにしています。今でもファンに“おまささん”て呼ばれる。ファンだけじゃなくてスタッフにも愛がある。『鬼平』は特別な番組です。体が続く限り同じキャストでやれたら嬉しいです」

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