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9月17日生まれ集まれ!コミュの9月17日のコラム

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お誕生日おめでとうございます。

カチンコ朝日新聞

東京都文京区の旧鳩山邸を訪れた。町名から「音羽御殿」と呼ばれた洋館だ。首相だった鳩山一郎は自らの半身不随もあって、大物たちを自宅に呼ぶことが多かった。玄関の階段を上がって右手の第2応接室。主(あるじ)が愛した椅子(いす)と、六つの客用ソファがテーブルを囲んでいる▼54年前、緒方竹虎、三木武吉、大野伴睦、岸信介らが、保守合同で生まれる大政党について論じた部屋である。党名は自由民主か、民主自由か。当時、政治はこの洋間を中心に回っていた▼自由、民主、社会。3語の離合が織りなす戦後の政党史である。二つをつなげて祖父らが旗揚げした党を追い落とし、民主党代表の鳩山由紀夫氏が首相に就いた。「民社国」連立政権が船出した▼閣僚には党幹部や論客が並び、朝まで野党だった割にはなじみの顔が多い。無論、政権交代の評価は、誰がではなく何をやるかにかかる。衆目注視の下、すべてはこれからだ▼新人議員の大群も登院した。こちらはひと夏で売った顔が目立つ。当座は政権を頭数で支える役回りでも、いずれ官僚に負けない専門性を身につけ、世直しの力になってくれようか。与野党が政策を競う中で、利権や情実で動く政治を終わらせたい▼その日、鳩山氏は「未知の世界に遭遇していく。失敗もあろうかと思う。その時はぜひ、内向きにならず外向きに」と仲間に訴えた。そう、新政権が見聞きし、感じるべきは、与党の名に共通する「民」である。くらしの、喜怒哀楽の現場に身を置き、どうか応接間の似合わない政権党であってほしい。


カチンコ産経新聞

演出家の福田陽一郎さんは、親しかった渥美清と、よく映画や舞台を見にいった。始まって15分くらいたつと、隣の席の渥美から、無言の軽い「肘(ひじ)突き」が、来る場合がある。「こりゃダメだから、一幕で帰ろうぜ」の合図だった。

 ▼渥美はいう。「最初の15分でお客を舞台に引っ張り込めなきゃダメだろう? 余程のことがなけりゃ後はしれてるよ」(『渥美清の肘突き』岩波書店)。きのう、鳩山内閣の幕がついに上がった。「政権交代」の宣伝文句が効いて、世界が注目している舞台である。

  ▼主役の鳩山由紀夫首相(62)をはじめ、菅直人副総理(62)や岡田克也外相(56)ら、メーンキャストが次々に登場し、カメラのフラッシュを浴びていた。米国には、新政権発足後の100日間は、野党、マスコミともに厳しい批判を控えて見守る、「ハネムーン期間」の慣習がある。

 ▼鳩山内閣の成否も、最初の15分ならぬ100日間で、国民の心を引っ張り込めるかどうかにかかっている。だからといって、外交安全保障政策を性急に見直したり、財源の裏付けのないばらまき政策にばかり夢中にならない方がいい。

  ▼渥美は、鬼面人を威(おど)すような舞台が、大嫌いだった。渥美ほどの見巧者(みごうしや)ではないにしろ、国民の政治を見る目は、小泉劇場を経験した後は、とみに肥えている。何より自公政権がなしえなかった、「脱官僚」と「財政のムダ遣い見直し」の道筋づくりを優先してほしい。

 ▼肘突きの後、なじみの店で聞いた渥美の雑談が抜群に面白いから困ることはなかった、と福田さんはいう。一方、鳩山内閣が一幕で帰りたくなる出来栄えだったら、日本にとって一大事である。第一、国民はただの観客ではない。出し物を決めたプロデューサーなのだ。


カチンコ読売新聞

幕末の歌人、大隈言道(おおくまことみち)に酒の歌がある。〈今日は今日あらん限りは飲みくらし明日の憂は明日ぞ憂へむ〉。愛唱し、かつ実践している身ゆえ、一世一代の祝い酒に酔う人をたしなめるヤボは承知している◆政権交代を成し遂げて昨夜、鳩山由紀夫首相が本物の酒を飲んだかどうかは知らない。「歴史」という言葉の酒は、かなり聞こし召したようである。「ついに今日、歴史がつくられた」等々、その言葉を幾度も語った◆心もとない景気回復の足取りや、ギクシャクしかけている日米関係など、「明日の」というよりは一夜明けてすでに「今日の」憂いの種は目白押しである◆改革はどしどし進めてほしいが、外交には相手があり、内政も一つひとつに過去の経緯がある。白地に絵を描くようにいかず、ときに遠回りや足踏みの忍耐を要する場面もあるだろう。自身を鼓舞する薬としてならば「歴史をつくる」美酒に酔うのをとがめる筋合いはないが、歴史の創造者たるわが辞書に遠回りや足踏みはない――と、悪酔いして柔軟性が失われても困る◆理想も、燗酒(かんざけ)も、舌の焼けつく熱々よりは心もち冷め加減が旨(うま)い。


カチンコ毎日新聞

「整備文」−−霞が関の役人の書く文章をかつてこう名づけたのはカナダ人翻訳家イアン・アーシーさんだった。「○○基盤整備」「××整備計画」など役所の書類で見るこの「整備」、彼によると霞が関では破壊以外のほとんどの作業を示すのに使われる▲いや、よく調べると自然破壊の「整備事業」も多いから「破壊」の意味すら含むと言い直している。つまり分かりにくく、漠然とした抽象的な漢語こそ役人の好む言葉で、その代表が国民の税金を際限なくのみ込んでいく「整備」だという▲「検討」「…等」「…を図る」などを連発するのも整備文の特徴である。アーシーさんによると、役人の整備文は内容をぼかすためわざと難解にするが、逆に政治家の話は一見分かりやすい日本語なのに中身が何もない不思議な言葉という▲国民をケムに巻く役人言葉と、耳に心地いいが内容空疎な政治家言葉。戦後長らく続いたこの二つの言葉の組み合わせを根本から覆そうという「政治主導」のスローガンだ。いわば国の統治をめぐる文化革命に挑む鳩山新政権が誕生した▲確かに「脱官僚依存」の本拠となる国家戦略局や行政刷新会議の担当相に重鎮を配し、要所に各行政の実情に通じた論客を布陣した閣僚人事である。組閣後恒例の閣僚への各省次官の政策説明も廃され、新閣僚が役所の「整備文」にもとづき応答するような会見はご法度となった▲だが今後求められるのは役人批判でなく、役人をリードする政治の言葉の力だ。従来の政策調整に代わる首相官邸主導の政策決定システムにはまだ目鼻がついていないが、「早急に整備を図りたい」という釈明なら要らない。


カチンコ日経新聞

これも東京の新名所なのだろう。文京区音羽の高台に鎮座する鳩山家の旧邸である。きのう晴れて首相になった由紀夫氏の祖父一郎氏が大正時代に建て、今では一般公開されているこの洋館を見物しておこうという人が引きもきらない。

▼歴史を感じさせるサンルームで談笑する中高年のグループ。美しい庭園で記念写真に納まるカップル。いやはや時ならぬ観光地の風情だが、新政権への注目が生みだした出来事には違いない。首相もここで育ったというから、そう思って邸内を歩いてみれば「宇宙人」などと評される超俗のおもむきに納得もいく。

▼物見高い世の人々はしかし、アラ探しの名人でもあろう。政権交代の4文字に酔ってくれるのも今のうち。「高速道路の無料化ってやっぱりヘンだよ」とか「あの大臣どうもムチャだね」とか、感心はあっという間に寒心に変わりかねない。そうならないよう目配りを欠かさず、大局観を持てる宇宙人なりや否や。

▼かの旧邸はあちこちにハトの装飾が施されている。見応えがあるのは、舞い上がる群れを写したステンドグラスだろう。見物客も目を見張るが、首相ならこれを新閣僚たちの姿に重ね合わせようか。「身震いするような感激」とは初の記者会見の弁だ。世間はもう少しクールに、ハトの群れの行方を見つめている。

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