ニューヨーク在住です。
今日Never Let Me Goを観てきました。
前半は、小説をなぞりながら、ひとつひとつ確認するような、半信半疑な気持ちで観ていたのですが、後半はそんな事を考えないくらいに、感情移入してしまいました。
mirasdadさんがポストされている、YouTubeビデオクリップでイシグロが、「監督の以前の作品を初めて見た時に、その作品の中でRepressed Energyが描かれているという事に心を打たれた。それは私が時に描こうする物だからだ。」と言っていました。
Never Let Me Goもそういう点でイシグロの原作のトーンと映画のそれが一致していたと思います。
そしてさらに重大なことに、
キャシーが「Never Let Me Go」のテープを聴きながら
躍るのを見てマダムが涙ぐむエピソード、
後年キャシーとマダムとがその時の思いについて
語り合うエピソードが映画にはなかった。
これは「Never Let Me Go わたしを離さないで」
という題に込められた意味を探る上でも
欠くことのできない場面であるはずである。
製作者として映画化に関わったイシグロが
なぜこの重要な点が割愛されるのを許したのか、正直理解に苦しむ。