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ぶっ飛んだ事をしたいコミュの★最南端からの手紙★第3話

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ザクザクザク、トントントン。

料理を作るのがこんなに楽しいものか。

少しごへいがあるか。時間がある中で余裕をもった料理は楽しい。

半年前まで、こんな時間も心の余裕もなかった。

本来の自分の姿を取り戻した感じもするし、本来の自分を探している感じもする。


今日は休み。5日がキビ狩りの初日やったのに6日が休みって、なんや。

ちょうど風邪っぽくて体調も良くないし助かった。ゆっくりする事にする。


まだ13時かと何をしようかワクワクする。

小説の題材となる文章をつくる、三線をひく、料理の仕込みをつくる、けん玉をするなどなど。

めっちゃ素敵やん。洗濯物もまわそっと。

そんな感じでゆっくりしてると、


『にぃさん居てる?』

トシおばぁだ。

『ロープをよ巻き方教えるから後で降りておいで』

どうやら、刈ったキビを集めて巻くときに使うロープの事のようだ。

このロープはキビ畑で使いやすいように巻かれて設置されている。

料理と洗濯とを終え、トシおばぁの元に。

『明日、うちの畑だってよ。すぐ近くだよ。』

どうやら明日の仕事の畑の場所を伝えに誰かが来たようだ。

『準備教えるからよ、車でいこ』

よっしゃ車乗ってドライブや。この時僕はこんな軽い気持ちでいた。


『枕刈り少しやるか』

キビを刈り倒すトラクターが入れるスペース分だけ、手作業で斧を使ってキビを倒す事だ。

この時、雨はパラパラ、気温はちょうどよかった。


トシおばぁが、ドンドンとキビを倒していく。

僕はそれを拾い集め端に寄せていく。

『ここ斧で倒さんでもトラクター入れるやん。。』

って心の中で思いながらひたすらキビを運んだ。

『根っこの部分を揃えて並べんと後でやりにくいよ』

駄目だしを食らいながら作業を進めていった。

一瞬にしてスベリ止め付きの手袋はびちょびちょに。


『やり方分かったんで、トシおばぁ車で休んでていいよ。』

僕は半分気遣い、半分行かないでという気持ちでこう言った。

『そうか、あと50mくらいはあるけど大丈夫か?』

そう言い残して、トシおばぁは車の方へ行ってしまった。


まずい、キビを倒しても倒しても前に進まない。

一体、何本キビを植えてるんだろう。

斧を持つ手の握力が弱まっていくのが分かる。

調子に乗って被ったワラでできた笠も邪魔で脱いだ。タオル巻いてたら十分。

キビ狩りはどの作業をしていても単純作業のようで同じの事の繰り返しでない。

だからおもしろい。考え事をしながら、ザクザクザクとキビを倒していく。

『与作は木を切ぃる、ヘイヘイホーヘイヘイホー』

なぜか、つよしがキビを倒しているのにこの曲を口ずさんでいた。

しかし続きが分からないのでこのフレーズを復唱した。


後ろを振り返ると遠くの方でトシおばぁが何かキビのふもとで作業をしている。

働き者の元気なおばぁだ。とても77歳とは思えない瞬間が多々ある。

僕は休憩なしにキビを刈りキビを運んだ。

この瞬間が将来、笑いの瞬間になることを悟った。

ノドが乾いて口の中が枯れ果てそうだ。

天に向かって口をあけた。

全然入ってこない。おばぁに水をくれとも何となく言いずらかった。

ここは自分の戦いだと、おばぁが帰るぞって言うまでひたすら斧を振り回す事にした。


5時のチャイムが鳴った。このチャイムが島全体にあるってのが凄い。

しかし振り返ってもおばぁは黙々と作業を進めていた。

『おーい、帰る時間だよー手も体もビチャビチャだよぉ』

心の中でそう叫んだが、おばぁには届かなかった。

やけくそになって、斧をキビの根っこに振りかざしたが、だんだん命中しなくなってきた。

やばい、タオルも邪魔や。雨に直接打たれながらキビを倒しまくった。

ざっと200本くらいだろう。


『にぃさーん』

トシおばぁが何か言ってるのが聞こえた。

『何ですかぁ?』

まだ僕は作業を進めますよ、という雰囲気を出しながら近づいていった。

本当は終わりにしよっていうのを期待しまくっていた。

『明日にしよ、後何mくらいあるかな?』

キビの茂みをかき分けながら後何mあるかを確認しにいった。

足腰がへばりきっていて何度もこけた。そして笑いこけた。

奥までいけなかったが、ざっと30mあった。

今自分が進んだ距離はざっと20m。

今日中には絶対無理だ。


車までの帰り際に、トシおばぁが倒したキビを数本拾い集めようやく車に。

自分は全然まだまだいけましたよ、っていう表情で常にいた。

そして自分は決めた。

ギャグであろうと本気であろうと、キビ刈りめっちゃしんどいって絶対に言わない。

そして楽とも言わない。島の人に聞かれると大変だから。

『キビ刈り本当に大変ですよね。でも自分体動かすの好きなんで楽しいです!』

素晴らしい!ベストアンサーだ!


『雨具着たままホースで流せ。』

トシおばぁと一緒に家の庭で雨具の泥を落とした。

『そこは畑だから踏むな、ホウレンソウがあるよ。』

ただの土山だと思って踏んだ場所は野菜を植えてる場所だった。

甲高い声で謝ると、優しい声で、いいよって言ってくれた。

『夜風があるから干したら一晩で乾くよ。』

トシおばぁが教えてくれる豆知識は優しくて温かい。ほっこりとした気持ちになる。

とりあえず、シャワーで汗とモヤモヤした気持ちを流す事にした。

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