ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ぶっ飛んだ事をしたいコミュの★最南端からの手紙★第5話

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
『お父さん、お母さん、ごふけいの皆さま』

『本日はお忙しい中、お集まり頂きありがとうございます』

子供たちの声はしっかりと揃っている。


波照間地区学力向上推進実践発表会に参加してみた。

海が出るから見に来てって言ってくれたから。

会場は小さな公民館で参加者は子供がいる父兄。ざっと50名くらいかな。

やたらと蚊が多くて、ペチペチ蚊を叩く音がそこら辺で響いている。

内容はタイトル通り、島の子供たちの学力を上げる為の会だ。

18時から20時半までという長い時間だった。

まず、子供たちの歌の合唱や、楽器演奏から始まった。

全校生徒、小学生21名、中学生9名だ。

子供といっても、中学校までしかこの島にはない。

高校から石垣島にでるのだ。

その後は、小、中学校、幼稚園の教育プログラムのプレゼンが各先生方よりあった。

例えば、11月に宿題強化週間を設けた結果、それ以前より小テストの結果が20%伸びたなど。

そして、婦人会といって、学校以外での島での活動についても発表があった。

最後に偉いさんが出てきて、各教育プログラムについてのアドバイス。

なんとなく、波照間の教育内容について分かった気がした。

波照間の水泳が、海で行われるのには羨ましかった。


この日は昼から休みで、ゆっくりと体を休めた。

そして、この発表会。穏やかな一日だ。

発表会の後、商店に寄ってみた。

島にコンビニはなく、商店と呼ばれるちょっとした食べ物を売っている店が5店舗ある。

まるま商店。今住んでいる地域の商店で僕のいきつけになるお店。

キビ刈り仲間のヒロコさんと、眼鏡をかけたキレイな姉さんがいるからだ。

『あんた、お酒飲める?もらいもんだけど』

淡麗ビールとチーズを頂いた。

『おい、お前がんばってるか!?』

ヒロコさんの旦那さんの仁四朗さんだ。

こんな感じで、お店は立ち飲み屋のようにしばしばなる。

この時間がたまらなく優しくて落ち着く。

この流れで仁四朗さんの家にいき、島酒と豚足をゆでた『てびち』を食べさせてもらった。


『トゥルルトゥルル』

そめちゃんからの電話だ。

そめちゃんとは、ほぼ毎日飲んでいる。大泉ように似てる優しいお兄さん。

去年は長野県にある八ヶ岳てっぺんの山小屋で4か月働いてたって。

北海道にいた事もあるし、千葉、東京、大阪、と色々な所に住んだらしい。

旅人だ。それがゆえに全てを受け入れる覚悟を感じる瞬間もある。

そめちゃんは、キビ刈り仲間だからきっとうんと仲良くなると思う。

前2班。それが僕らの班の名前。

島には全部で15班あって、それぞれ担当の畑がある。

他の班の人にも会ってみたい。

そめちゃんの家はプレハブ小屋。ざっと10畳強もある最高の部屋だ。

製糖工場の工場長、金さんに雇われているから金さんの家になる。

気軽にいつでもおいでぇって言ってくれるから、しばしば暇のある仲間たちが酒を持って集まる。

製糖工場で働く女の子4人は常連さんだ。あと、神様みたいに髪の長い笹川君。

そめちゃんが山小屋で一緒に働いていた仲間。

寂しくなればココに来れば誰か来るっていう場所。素敵な空間だ。


『そめちゃんと、つよぽん、でよろしくー』

『私は、さつきです。5月生まれだから単純にさつきなんです(笑)』

金さんちの娘さんの、さっちゃんが差し入れのビールを持ってやってきた。

『よかったら中で、ゆんたくしようよ』

ゆんたく、というのは沖縄用語で、お店とかじゃなくて家や、民宿で酒を持ち寄って飲むことだ。

宅飲みに近いかも。

さっちゃんは普段、石垣島で働いている。休みが取れたから、親の畑を手伝いにきたのだ。

昼過ぎくらい畑に登場したさっちゃんだったが、そめちゃんと僕のテンションの上がり方は凄かった。

『今日は何かがんばれそうな気がします!』

僕は思わず口にしてしまった。

黒木メイサ似のさっちゃん23歳。おそろしくカワイイ。

この日は僕も、そめちゃんも全然疲れなかった。

さっちゃんには彼氏がいる。同じ教育実習で知り合った人らしい。

かなり、そいつに腹が立つ。

束縛が激しいらしくて、友達と遊びにいってもすぐに電話がかかってくると。

『それが嬉しいんやろぉ。今一番いい時期やな』

そめちゃんは笑いながらそういった。

『今日は羽を伸ばせるんで嬉しいです。』

沖縄なまりの喋り方もかなりやばい。笑い方、話し方、飲み方、座り方、全てが純粋だ。

こんな純粋な女の子にどうやったら育つんやろ、正直こんな女性と将来結婚したと思った。

真っすぐで、人が好きで人に優しく、明るい女の子。

この日、そめちゃんがロールキャベツを3時間かけて作ってくれてたけど、二人ともどうでもよかった。

さっちゃんに夢中だ。

ゆんたくしていたけど、テンションが上がりすぎて島酒も進み、僕はいびきをかいて寝てしまった。

朝起きて腕時計をしようとすると、左手首に『つよぽん』と書かれているのに気づいた。

さっちゃんが笑いながら昨晩書いたらしい。 


さっちゃんが帰る日の朝、僕の家の前にさっちゃんが立ってたのに驚いた。

この日は寝坊して、ダッシュで家を出た。

『おぉーびっくりしたぁぁ』

動揺してこんな気の利かないセリフしか言えなかったのは恥ずかしい。

『遅刻しますよぉ』

『今日帰るんやんなぁ?』

帰る前の挨拶に来てくれたらしい。

『腕に落書きすんなやぁ〜』

こんなしょうもないセリフを最後に僕は原付で畑に向かった。

『一瞬でも気ぃ抜いたら好きになってまいますよね。。』

後日、そめちゃんと僕はこう言った。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

ぶっ飛んだ事をしたい 更新情報

ぶっ飛んだ事をしたいのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング