今回の宝塚大劇場花組公演はポスターからして奇妙奇天烈だ。なんせ、衣装は和服らしいがなんとも奇妙なデザインの着物、文字盤に漢字で干支が書いてある時計が映っているのだ。どんな芝居かと思って11月23日（祝）15:30からの公演を見てきた。大劇場は大入り、ほぼ満席でなないだろうか。劇場中にざわめきがあふれとても良い雰囲気になっている。
この「元禄バロックロック」の作・演出は谷貴矢、これが大劇場デビューだと言う事である。この公演は11月６日から12月13日まで、だからだろうか、これは一種の「忠臣蔵もの」だ。とはいうものの、かなり変えてある。なんせ舞台は江戸、ではなく「エド」なのだ。架空の「エド」を舞台にしているのか、それとも一種の「平行世界」なのか。
緞帳が上がると道具幕が現れる。数々の時計があり動いている。最初からプロジェクションマッピングを使っている。舞台に動画を使うのはもう普通の事になってしまった。演奏は日本で唯一の劇場専属オーケストラである宝�爛�ーケストラ、指揮は佐々田愛一郎。いつものようにチューニングの音が聞こえてきたけど、今回はオケにオーボエが入ってないようだ。
エドの街は天下太平、将軍ツナヨシの治世下賑わいを見せている。しかし、エド城内で事件が起こる。赤穂藩主タクミノカミ（聖乃あすか）が松の廊下でコウズケノスケに切りつけたのだ。タクミノカミは切腹、舞台はそのタクミノカミの亡霊のモノローグで始まる。
忠臣蔵の主役と言えば大石内蔵助だが、トップ柚香光が演じるのはクラノスケではなくクロノスケ。彼は時間を巻戻す事の出来る時計を持っている。だから、「クロノス」ケなのだ。ではトップ娘役は何を演じるかと言うとキラ、賭場ラッキーこいこいの女主人、実はコウズケノスケの娘。こういう名付け方が面白い。その賭場でやっているのが、ルーレットみたいな丁半博打というのもまた良い。
クラノスケ（永久輝せあ）はそこに入り浸っているフヌケ、と見せかけて、と言うのは原作と同じ。でも、妻リク(華雅リリカ）にはボロクソに扱われるのが面白い。華雅リリカ、出番は少ないが儲け役ではないか。
時を巻き戻してもう一度やり直せたらどんなに良いだろう、と誰しも思うだろう。しかし、これには落とし穴があるのだ。SFの時間ものでも時を巻戻す、と言う話は少ない。また、このようにループになるのも少ない。それに、その小道具として時計を使うと言うのも、僕知る限り初めてだ。
将軍ツナヨシ（音くり寿）がまたもや傑作、犬のロボットをつれた少年なのだ。ケイショウインがコウズケノスケと以前恋仲だったと言うのは、あ、ここ変えているな、と判った。桂昌院とデキていたのは柳沢吉保である。芝居ではこの柳沢吉保が悪人として描かれる事が多いが、ここではヨシヤス（優波慧）はCIAみたいな感じで、天下を狙う大悪人はコウズケノスケ（水美舞斗）になっている。水美舞斗の大悪ぶりがなかなかのもの。芝居は敵役がよくなければ面白くない。
コウズケノスケも時を巻き戻す時計を狙い、それを使って天下を手に入れようとしている。その時計を巡っての攻防戦となる。あとはおなじみの忠臣蔵、吉良邸討ち入りもある。しかし、それをハッピーエンドにしているのが、なんともはや人を喰ったやり方だが、あっと言わせ、こんなやり方もあるのか、と思わせるようになっている。確かにファンタジーではあるが、濃厚に江戸時代で、題材は日本人なら誰でも知っている忠臣蔵と言う趣向、大成功である。忠臣蔵なんて飽きるほど見てきたけど、なるほど、こんなやりかたもあるのか、と感心した。谷貴矢、これからが楽しみな作家・演出家である。
続くショーは、レビュー・アニバーサリー「The Fascination!~花組誕生100周年 そして未来へ〜（中村一徳作、演出）」と言うたいそうな題名の通り、花組100周年の記念作品である。道具幕こそプロジェクションマッピングを使た今風なものだが、なんともオーソドックスな感じの典型的な宝�爐離轡隋爾砲覆辰討い襦�
今回、芝居が１時間25分、ショーが１時間５分と、芝居が５分短くなりショーが５分延びた。また、花組100周年記念として高翔みず希組長の紹介により、「ピアノ・ファンタジー」が再演された。
ちょっとしたハプニングがあった。最後の方でダルマ、と言うのだろうか、の衣装で踊っている娘役さんの一人が転倒したようだ。「ようだ」と言うのは僕のいる二階B席からははっきりとは見えなかったのだ。踊りながらその人が銀橋に出てきて驚いた。双眼鏡でみても黒いストッキングに穴があいているのがはっきりわかったのだ。それでも、何事もなかったかのように踊りながら退場、たいしたプロ根性だと感心した。ここまで書いて初めて気が付いたのだが、彼女ストッキングの穴に気がついてなかったのではないだろうか。
パレードが一番最初のピンクの燕尾服と羽根扇と言うのがオーソドックス。僕が見たときは、三井住友カードと宝�猴Г硫颪龍ζ嘘�催と言う事で、終演後、もう一度幕を上げトップの挨拶があった。得した！
この「元禄バロックロック」の作・演出は谷貴矢、これが大劇場デビューだと言う事である。この公演は11月６日から12月13日まで、だからだろうか、これは一種の「忠臣蔵もの」だ。とはいうものの、かなり変えてある。なんせ舞台は江戸、ではなく「エド」なのだ。架空の「エド」を舞台にしているのか、それとも一種の「平行世界」なのか。
緞帳が上がると道具幕が現れる。数々の時計があり動いている。最初からプロジェクションマッピングを使っている。舞台に動画を使うのはもう普通の事になってしまった。演奏は日本で唯一の劇場専属オーケストラである宝�爛�ーケストラ、指揮は佐々田愛一郎。いつものようにチューニングの音が聞こえてきたけど、今回はオケにオーボエが入ってないようだ。
エドの街は天下太平、将軍ツナヨシの治世下賑わいを見せている。しかし、エド城内で事件が起こる。赤穂藩主タクミノカミ（聖乃あすか）が松の廊下でコウズケノスケに切りつけたのだ。タクミノカミは切腹、舞台はそのタクミノカミの亡霊のモノローグで始まる。
忠臣蔵の主役と言えば大石内蔵助だが、トップ柚香光が演じるのはクラノスケではなくクロノスケ。彼は時間を巻戻す事の出来る時計を持っている。だから、「クロノス」ケなのだ。ではトップ娘役は何を演じるかと言うとキラ、賭場ラッキーこいこいの女主人、実はコウズケノスケの娘。こういう名付け方が面白い。その賭場でやっているのが、ルーレットみたいな丁半博打というのもまた良い。
クラノスケ（永久輝せあ）はそこに入り浸っているフヌケ、と見せかけて、と言うのは原作と同じ。でも、妻リク(華雅リリカ）にはボロクソに扱われるのが面白い。華雅リリカ、出番は少ないが儲け役ではないか。
時を巻き戻してもう一度やり直せたらどんなに良いだろう、と誰しも思うだろう。しかし、これには落とし穴があるのだ。SFの時間ものでも時を巻戻す、と言う話は少ない。また、このようにループになるのも少ない。それに、その小道具として時計を使うと言うのも、僕知る限り初めてだ。
将軍ツナヨシ（音くり寿）がまたもや傑作、犬のロボットをつれた少年なのだ。ケイショウインがコウズケノスケと以前恋仲だったと言うのは、あ、ここ変えているな、と判った。桂昌院とデキていたのは柳沢吉保である。芝居ではこの柳沢吉保が悪人として描かれる事が多いが、ここではヨシヤス（優波慧）はCIAみたいな感じで、天下を狙う大悪人はコウズケノスケ（水美舞斗）になっている。水美舞斗の大悪ぶりがなかなかのもの。芝居は敵役がよくなければ面白くない。
コウズケノスケも時を巻き戻す時計を狙い、それを使って天下を手に入れようとしている。その時計を巡っての攻防戦となる。あとはおなじみの忠臣蔵、吉良邸討ち入りもある。しかし、それをハッピーエンドにしているのが、なんともはや人を喰ったやり方だが、あっと言わせ、こんなやり方もあるのか、と思わせるようになっている。確かにファンタジーではあるが、濃厚に江戸時代で、題材は日本人なら誰でも知っている忠臣蔵と言う趣向、大成功である。忠臣蔵なんて飽きるほど見てきたけど、なるほど、こんなやりかたもあるのか、と感心した。谷貴矢、これからが楽しみな作家・演出家である。
続くショーは、レビュー・アニバーサリー「The Fascination!~花組誕生100周年 そして未来へ〜（中村一徳作、演出）」と言うたいそうな題名の通り、花組100周年の記念作品である。道具幕こそプロジェクションマッピングを使た今風なものだが、なんともオーソドックスな感じの典型的な宝�爐離轡隋爾砲覆辰討い襦�
今回、芝居が１時間25分、ショーが１時間５分と、芝居が５分短くなりショーが５分延びた。また、花組100周年記念として高翔みず希組長の紹介により、「ピアノ・ファンタジー」が再演された。
ちょっとしたハプニングがあった。最後の方でダルマ、と言うのだろうか、の衣装で踊っている娘役さんの一人が転倒したようだ。「ようだ」と言うのは僕のいる二階B席からははっきりとは見えなかったのだ。踊りながらその人が銀橋に出てきて驚いた。双眼鏡でみても黒いストッキングに穴があいているのがはっきりわかったのだ。それでも、何事もなかったかのように踊りながら退場、たいしたプロ根性だと感心した。ここまで書いて初めて気が付いたのだが、彼女ストッキングの穴に気がついてなかったのではないだろうか。
パレードが一番最初のピンクの燕尾服と羽根扇と言うのがオーソドックス。僕が見たときは、三井住友カードと宝�猴Г硫颪龍ζ嘘�催と言う事で、終演後、もう一度幕を上げトップの挨拶があった。得した！
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