宝塚が好き！（Gay Only）コミュの宝塚歌劇「NOBUNAGA信長」―下天の夢―、シャイニング・ショー「Forever LOVE!!」

観劇日６月26日（日）15:00開演　２階B席10列91番　９列までがA席だから端っこだけど結構良い席

この公演あまり人気がないらしい。歌劇団からはDMが何度も来るし、チケットキャンプでは額面割れしている公演もある。しかし,僕が行ってみると日曜日と言う事もあってほぼ満席だった。

指揮は芝居・ショー共西野淳。芝居・ショー共ずっと棒を振っていたが、時々ヘッドホンをしている。それが気になった。オケボックスの中にはPCらしきものも見える。

まずは「信長」から。作演出は大野拓史。開演ちょっと前、光秀（凪七るみ）と秀吉（美弥るりか）の会話で、録音録画禁止、携帯電話の電源を切れなどの注意を知らせるのが面白い。

まずは、能の「敦盛」から。そう「人間五十年下天のうちをくらぶれば夢幻の如くなり～」、「信長」と言えばこれを舞うのはお決まりになっている。なかなかオーソドックスな作品になるのかなと思わせる幕開きだ。プログラムによると能楽師がお囃子をやっているが、信長・龍真咲の足がイマイチ。

しかし、そう思ったのはつかの間、「桶狭間の戦い」での今川義元（上月るう）の歌唱があまりにもひどいので興を削がれる。それに、あまりにも史実無視な展開、あれもこれもと盛り込み過ぎて、収集がつかなくなっている。「エドワード８世」、「一夢庵風流記前田慶次」と大野作品を見るのはこれで三回目だ。。いずれもトップの退団公演だった。ちょっと話が込み入っていてわかりにくい所もあるが、ドラマを見せると言うよりトップをかっこよく美しく見せると言う事に徹してこれはこれで面白かった。しかし、今回、それも出来ていない。信長よりローマ出身の騎士ロルテス（珠城りょう）の方が格好いいのだ。ロルテスは実在が怪しい。しかし、芝居だもの、面白ければそれで良いが、なんかご都合主義に出ている感がある。

それでも、面白い所がないわけではない。信長の正妻・帰蝶（濃姫ではなくこの名を使っている）をはじめ武将達の妻が活躍するのだ。それもくノ一になって。その上、旦那の尻をたたいて出世させようとするところなんか笑える。主題歌は退団公演らしい詞になっている。最後の展開も、本能寺から信長の死体は出来なかったから、ま、いいか、と思わせ、新旧交代を告げるようになっている。大野作品と言う事で期待したが、期待外れに終わった。

ショーは、作演出藤井大介。洋物ながらチョンパで幕開き、主題歌が退団公演を思わせる内容になってなかなか良い。しかし、いつものショーと言う感じで特に面白いわけではない。芝居よりちょっとはましな程度。

全体的に、チケットサイトで額面割れするのもうなずける公演となった。心なしか、あの豪華な宝塚大劇場が寂しく思えた。