宝塚が好き！（Gay Only）コミュの宝塚歌舞伎絵巻　一夢庵風流記　前田慶次、　My Dream TAKARAZUKA

観劇日　６月15日（日）　15:00開演　２階B席　14列41番　（後ろの方だけどほぼ中央）

今回の公演を持ってtopの壮一帆・愛加あゆが退団する。なんとも惜しい。

演目は大劇場公演では久しぶりの和物、隆慶一郎原作の「一夢庵風流記」である。脚色・演出は大野拓史。今回、場面場面は美しいし、印象的な場面が多い。しかし、全体としてみると、話が入り組んでいてわかりにくい。原作をよく読んでいないと、何が何だかよくわからなくなってくる。プログラムを読んでみると、詳しい解説がある。前田慶次の解説には「是非、原作をご一読いただきたい」とある。つまり、大野脚本は話を進める・小説を舞台化すると言うことよりも、壮一帆を見せるとこに重点が置かれている。
大野作品を見るのはこれで二回目。前回は「エドワード８世」、霧夜大夢の退団公演だった。前回も、話が入り組んでいてわかりにくかったが、今回もそうだった。。確かに演劇の質としては前回の「Shall we ダンス？」の方が良く出来ている。しかし、壮一帆がかっこいいのは今回である。

だから、これからご覧になる方は観劇の前に原作を一読しておくことをお勧めする。

指揮は御崎恵、振り付けは山村若、馬協力に片岡千蔵、千蔵は歌舞伎役者である。

まず、冒頭映像から始まる。後に慶次の愛馬となる「松風」が出てくる。この松風は元野生馬で乗りこなせるのは慶次だけである。それから、タイトルだ映像が出て・・・まるで新感線のようだった。

この「馬」が見事だった。情報によると、以前松竹座で愛之助が前田慶次を演じた時出た馬で、今回松竹からの特別出演だと言うことだった。馬にまたがった壮一帆のかっこいい事。斎藤実盛のようだった。

京の御土居のシーンが美しい。大きな満開の桜の下で主演二人が寄り添う姿は誠に美しい。

前田慶次は有名な「傾き者」、衣装が大いに「傾い」ている。この時代、現代にもあるような着物はまだ一般的ではないが、裃・素襖が実に「傾い」ている。他にも「傾き者」が出てくるがこの衣装も実に面白い。特筆すべきは男役の足袋である。色とりどり、着物と反対色だったり、着物と同じ柄だったり、役柄に合わせて凝っている。オレンジ色、赤なんて序の口。白足袋に桜の花弁が散らしてあるのが実に「傾い」ていた。娘役は白足袋が多い。これだけ色とりどりの足袋を見た後では、娘役の白足袋が余計に清楚に見える。これからご覧になる方は、足袋にも注目していただきたい。

幕間の後はショー、My Dream TAKARAZUKA。このたび宇崎竜童・阿木燿子が壮一帆の為に曲を書き下ろしている。この曲が、退団にふさわしいないようで、いつも聞いている宝塚のメロディーとはちょっと違う感じで、実に良かった。

これほど満足出来て、何度も胸が熱くなったショーは久しぶりだ。作・演出の中村一徳はかなり「雪組」を意識している。指揮は佐々田愛一郎。この人の指揮でショーを見る事はあまりない。衣装が白を強調した物が多く、主役二人のデュエットで雪がちらちら降ってくる。最後のシャンシャンは雪の結晶を模した物。今回もとても満足できた。