観劇日10月12日（月・祝） B席２階13列71番
柴田侑宏、と言えば宝塚を代表する作家・演出家の一人、敬愛するファン・生徒は多いと聞く。僕は柴田作品を見るのは今回が初めてである。見ていて、なるほど、ファンや生徒の敬愛を集めるだけの事はあると思った。
原作は紫式部の原文ではなく田辺聖子の「新源氏物語」、文庫本にして全三巻、ほとんどすべてを現代語にしている。この大長編のほとんどすべてを１時間40分で、しかもわかりやすくまとめた事に感心した。見るまでは、とにかく原作が長いのだから、その一部を取り出して劇化するのかと思っていた。ここまで多くの内容を短い時間で、しかもわかりやすく脚色している。人気があるはずだ。
幕開きからなんとも豪華である。ほとんど勢揃いのチョンパから始まる。本舞台には赤い毛氈を敷いた階段。まるで雛祭り。そこで歌われる主題歌がまたいい。題して「恋の曼荼羅」、作詞は田辺聖子、七五調の詞がこの舞台にぴったりだ。
演出で一番見事だったのは、紫の上が子役（と言うより子供時代の生徒）から大人に替わる所、「ライオンキング」顔負けである。
ただ、出演者はこの脚本演出音楽に十分応えているとは言いがたい。六条御急所に男役を配したのは良い、しかし、もう一つ突っ込んで欲しい。ただ、怖い女、ではなく恋故に、生き霊となる、と言う解釈はうなずけるが、演じる柚香光がもう一つ物足りない。また、弘徽殿の女御がわがままな女だと言う解釈は面白い、出演の京三紗は期待に応えている、しかし、その父親の右大臣が物足りない。この人、娘を入内させ孫を天皇にしようとするほどの策士である。そこが出ていない。
ショーは「Melodia」、いつものショーかな、と言った感じ。ただ、ロケットがちょっと違って階段をつかう所が面白い。
これは源氏物語の「総論」である。次は「各論」が見たい。また、宇治十帖も上演してもらいたい。柴田が無理なら、彼の弟子がやってくれないものだろうか。
柴田侑宏、と言えば宝塚を代表する作家・演出家の一人、敬愛するファン・生徒は多いと聞く。僕は柴田作品を見るのは今回が初めてである。見ていて、なるほど、ファンや生徒の敬愛を集めるだけの事はあると思った。
原作は紫式部の原文ではなく田辺聖子の「新源氏物語」、文庫本にして全三巻、ほとんどすべてを現代語にしている。この大長編のほとんどすべてを１時間40分で、しかもわかりやすくまとめた事に感心した。見るまでは、とにかく原作が長いのだから、その一部を取り出して劇化するのかと思っていた。ここまで多くの内容を短い時間で、しかもわかりやすく脚色している。人気があるはずだ。
幕開きからなんとも豪華である。ほとんど勢揃いのチョンパから始まる。本舞台には赤い毛氈を敷いた階段。まるで雛祭り。そこで歌われる主題歌がまたいい。題して「恋の曼荼羅」、作詞は田辺聖子、七五調の詞がこの舞台にぴったりだ。
演出で一番見事だったのは、紫の上が子役（と言うより子供時代の生徒）から大人に替わる所、「ライオンキング」顔負けである。
ただ、出演者はこの脚本演出音楽に十分応えているとは言いがたい。六条御急所に男役を配したのは良い、しかし、もう一つ突っ込んで欲しい。ただ、怖い女、ではなく恋故に、生き霊となる、と言う解釈はうなずけるが、演じる柚香光がもう一つ物足りない。また、弘徽殿の女御がわがままな女だと言う解釈は面白い、出演の京三紗は期待に応えている、しかし、その父親の右大臣が物足りない。この人、娘を入内させ孫を天皇にしようとするほどの策士である。そこが出ていない。
ショーは「Melodia」、いつものショーかな、と言った感じ。ただ、ロケットがちょっと違って階段をつかう所が面白い。
これは源氏物語の「総論」である。次は「各論」が見たい。また、宇治十帖も上演してもらいたい。柴田が無理なら、彼の弟子がやってくれないものだろうか。
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コメント(5)
今日11月8日もう一度宝塚大劇場で「新源氏物語」を見てきた。15:00開演。日曜日、明日は千秋楽、ということもあってか、満席、立ち見も出ていた。それに、羽織袴の紳士が奥さんをつれて見に来ていた。
舞台はチョンパ、のような感じで始まる。プロローグの後、惟光の「源氏の君様、お車の支度が整いました。」と言う台詞で芝居は始まる。全体的な劇評は前回と同じだが、今回見て良くなった。まず、柚香光の六条御息所がうまくなった。この人の悲しみ、思いの強さ、プライドの高さが前回よりもよく出ている。源氏物語の六条御安所と言えばとても良い役なのだ。また、弘徽殿の女御の京三紗、右大臣の天真みちるが良くなっている。柴田・大野の意図が良く理解するようになったようだ。それに右大臣の策士ぶりがよく出ていた。
六条御息所が葵の上をとりころす所は、生演奏ではなく録音を使う。しかし、録音を使うところでこの超常的な所が良く出ている。こういう所まで計算が行き届いている事に改めて感心した。
それに今回特に感じたのは、楽曲の多彩さ。古風な歌謡曲調の主題歌は素晴らしいが、それ以外の曲も良く出来ている。中にはスウィング調の曲さえある。王朝の時代なのに、ジャズっぽい曲やトランペットやサックスの活躍する曲が出てくるのが又宝塚らしくて良い。特にトランペットの高音が素晴らしい。一番関心したのは、花の宴で夕霧と柏木が踊る所。曲が前衛的なのだ。
この芝居の最後台詞は最初と同じ「源氏の君様、お車の支度が整いました。」後ろ姿の光源氏を見ていると、これぞ宝塚と言いたくなる。まさに、これは柴田の傑作である。
続く、「Melodia」も結構楽しめた。柚香光はもともと男役、このショーで男役として見ると、とても素敵だった。ここでも金管楽器が大活躍する。
この「新源氏物語」は又再演して欲しいものである。
舞台はチョンパ、のような感じで始まる。プロローグの後、惟光の「源氏の君様、お車の支度が整いました。」と言う台詞で芝居は始まる。全体的な劇評は前回と同じだが、今回見て良くなった。まず、柚香光の六条御息所がうまくなった。この人の悲しみ、思いの強さ、プライドの高さが前回よりもよく出ている。源氏物語の六条御安所と言えばとても良い役なのだ。また、弘徽殿の女御の京三紗、右大臣の天真みちるが良くなっている。柴田・大野の意図が良く理解するようになったようだ。それに右大臣の策士ぶりがよく出ていた。
六条御息所が葵の上をとりころす所は、生演奏ではなく録音を使う。しかし、録音を使うところでこの超常的な所が良く出ている。こういう所まで計算が行き届いている事に改めて感心した。
それに今回特に感じたのは、楽曲の多彩さ。古風な歌謡曲調の主題歌は素晴らしいが、それ以外の曲も良く出来ている。中にはスウィング調の曲さえある。王朝の時代なのに、ジャズっぽい曲やトランペットやサックスの活躍する曲が出てくるのが又宝塚らしくて良い。特にトランペットの高音が素晴らしい。一番関心したのは、花の宴で夕霧と柏木が踊る所。曲が前衛的なのだ。
この芝居の最後台詞は最初と同じ「源氏の君様、お車の支度が整いました。」後ろ姿の光源氏を見ていると、これぞ宝塚と言いたくなる。まさに、これは柴田の傑作である。
続く、「Melodia」も結構楽しめた。柚香光はもともと男役、このショーで男役として見ると、とても素敵だった。ここでも金管楽器が大活躍する。
この「新源氏物語」は又再演して欲しいものである。
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