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詩人の森コミュの詩集《限界耐性》

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二〇一三年九月 詩作開始。

死するまで書き続けるであろう。

コメント(822)

大袈裟にはにかみ笑い七夕と棚ぼたかけて昇天の父
短冊に懐かしい字の願いごとぎこちなく母「長く、生きたい」
ふりさけて目にいる水よ天の川流れもあへぬ七夕の夜
新暦のときならぬ空七夕にながめてつゆの恋はかなしも
高千穂の社の星にむささびの神楽舞い飛ぶ七夕の夜
雨待ちのかささぎの羽にかくしたる青もれい出てつがう恋橋
天の川時うつろひて流れおり七夕の夜は星にくらめり
『落ち葉の命』

余白は211有るが
余白が無くなれば
この葉は文字の重みと
落ちてくる他の落ち葉に隠され
この森の地中深くに沈んで
もう二度と
陽の目を見ることが出来ない
あと211の命を使い切る直前に
晴れやかな気持ちになるんだろうか
『善良』

幾ら稼いでも
稼いでも税金、稼いでも保険料、稼いでも税金、稼いでも経費、稼いでも税金、稼いでも生活費、稼いでも税金、稼いでも詐欺、稼いでも、
世界遺産って搾取や殺人から成り立っているものばかりじゃないかと思うこの頃、
善良な人々というのは、自然界のオキアミや、エビや、イワシや、カメや、カエルや、ウサギや、牛や、喰われる為に生まれてくる動物で、
喰う奴になった方が、喰う奴や喰われる奴の両方から称賛されるんじゃないのかって、
違うのか?

*税金は社会を住みよく維持する為に必要な物です。つべこべ言わずに気持ちよく支払いましょう。
『身』

人の身になって考えましょう
そんなこと出来るわけねえじゃねえか
腹が痛いって言っている奴の痛みを感じる事が出来るか、とんでもなく頭が良い奴が考え出すような事を考えだす事が出来るか、やかましい、お前が騒いでいるからって俺は騒ぎたくないし、あいつが虐げられているからって俺は耐え忍ばないといけないのか、分かった、分かった、静かにするから俺の身にもなれ。
『形見』

シャポシニコワは金魚の名前で、子供の頃、家で飼っていた金魚のうち、一番綺麗な金魚がコマネチで、それは姉がそう名付けたから、コマネチは姉の金魚になり、だったらこの金魚はシャポシニコワだと名付けて私の金魚になったというだけで、その初代シャポシニコワはその後どうなったかは忘れてしまったが、私たち子供が皆家を出て両親だけになり、あれほど金魚は手がかかるからやめとけと言ったのに、大きな水槽に金魚でも飼おうかと、両親はペット屋で大型魚の餌になる金魚を買って来て、父が死に、水槽はヘドロになり、私は金魚を救い出して自分の家で飼うことにして、そのうち母が死に、金魚は飼い主を失い取り残されて、飼い主じゃない私の家でこれからずっと飼われることになるが、もう私の金魚だからシャポシニコワな訳で、時々病気になって薬をあげて復活して、猫に狙われるから蓋を丈夫にして、水が漏れて大慌てだったり、猫が覗いているのを見て楽しんだり、水を替えたり、メダカを飼いたいんだけど、ずっとシャポシニコワの面倒を見るってことになってる。
柱から打ちでる未来は現在の過去へと落ちる文字盤の裏
青空をボンレスハムに絞めあげた路面電車も墨の画を馳す
坂道をのぼる青空入道もいただきて見れば雷雨を吐けり
振り返ることなくここを退去せよ余生静かに令和のコロリ
「ばあちゃーん」と孫のよぶ声毛筆の墨は濃くなりまた薄くなり
夕しぐれ格子に芽ぶくひと雫空をはらみて赤光を受く
『超能力』

詩を書いていたくせに、詩とは何だろうといつも思う。
子供の頃、ユリゲラーという男がテレビに出ていて、ブルースリーを観た時のように自分が主人公になってみる。出せるはずもないが超能力、脳みその筋肉に力を入れて、哀しいような、痛いような意識で、よほど馬鹿っぽくエネルギーを脳みその多次元の奥底から何かを引っ張ってくる。しかし引っ張って来た物に実体は無く、それが超能力の見えない正体かどうかは全く分からない。ただそういう意識から生み出される物は、頑張って出来上がる物とは違っていて、それがアートという物なのだろうなあと思う。
そんな風に書いていた物が私の詩なのだろう。
この文は詩ですか?
いいや、違うでしょう。

この詩集、あと200作ほど埋める事はできるか
さて
『笑って怒って泣けてくる睡眠薬』

 請求書の縦計をやっていると、計算機を打っている指が止まっている。眠さを堪えて再び打つが、やはり途中で止まっていることに気づく。今度は絶対とチャレンジするが同じく止まる。この数字は睡眠の呪文なのだと発見したので、この数字の列を別の紙に書き留めていくと、残念ながら、睡眠の呪文を書いているうちに、紙によだれを垂らして眠っている。こうする事で呪文の全文が明らかになった。つまり、この数列を記入した紙を睡眠薬として売り出せば巨万の富を得られるはずだ。しかし、どうやってこれを移しとれば良いのだ。よし、と閃いたのはコンビニでコピー。順調に100枚のコピーが終わり、コピー機の上で仕上がりを確認しようと思ったが、そこで立ったまま寝てしまっては倒れて怪我をするはずだから、確認をせずに家へと帰る。家で紙に包んで、テーブルと一緒に持ち出し、街頭で販売にかかる。誰にも相手にされない。確かにそうそう信じられるものではないだろう。まずその数列を見せろ、という人が現れ、これは企業秘密だ、と見せないでいると、その人は笑いながら去って行く。なるほど、この数列の束を包んだ物は人々を笑わせるアイテムなのだ。笑わせて眠らせる一石二鳥の徳用品であるとして販売を始めると、興味を持った人が、それならまず笑わせてくれというので、こちらは商売なのだから先に金を払えというと、では払うが、笑わなかったら金を返せと要求してくる。まさか、病院の薬が効かなかったからといって返金を受け付けてくれるのかと言えば、ふざけるな、と怒って去っていく。ブラーボー!笑って怒って眠れるアイテムじゃないか!と調子に乗っているが、結局売れずに泣けてくる。
耳鳴りとまがう通奏高音が公園にふる夏は暮れやり
虫の音の間隙に落ち深閑の底で聴こえる細胞の声
アクセルは容易にしずみ撥ねられた猫は苦しみ容易にしなず
蟋蟀が工場の隅で泣いている庭へ放そう生きてるうちに
『干からびた愛』

好きすぎて
俺のシーソーが砂にまみれているから
ワザと飛び上がって
可憐なあなたに尻もちをつかせた
便所のように汚い俺は
暴君を装いながらも
ふわふわしたバランスを夢見ながら
いつだってハラワタが煮えていた
赤い闇の底のヘドロが
透き通った甘い水を吸い寄せて
吹き出す蒸気で目が見えなくなる
もがく両手は赤く腫れ上がるが
脈打つ臓器は灰色に
冷たくなって
空気になった水を
いつまでも欲しがる
屍の視線はわたしの瞳を貫いて
底なしに黒い水晶体を見せながら
とこしえの衣をかけてくる
命を吸った銃なら、吐き出すことも出来るんじゃないのか!
『遠征』

サインペンのような物で書いた方が
綺麗に見えるが、
ボールペンしかないので仕方ない。
だらしなく流れていくボールが嫌い。
ただ、下手くその方が
「頑張って書きました!」感があって
逆に笑えて良いかもしれない。

取引先獲得のために
活字の手紙を出した。
あまり反応は無かった。

関東での或る集会に出席した。
「実は数ヶ月前手紙を出しました。」
やはり読まれてなかった。
胸に菊の御紋のバッジをつけた女性が
「そこには居ないからここに出して」
と名刺をくれた。

チャーンス!

滑ったり引っかかったりボールペン。
手書きの文を添えて書類を出した。
「先日お会いして少しだけお話しできました。」
電話をくれたらすっ飛んでいきます。

人と会い話しをすると、
それぞれに共通の言葉が生まれる。
ちょっとズルくなーい?
と思いながら4件の電話を待っている。
『アンブレラ』(一応、題名)

やるせなくぶら下がる感じが
そこはかとなくうらめしい
感涙風の湿っぽさ
あれやこれやと痛がる妻へ
ご機嫌とりの能天気
細胞が死んでいくにつれ
掠れていく愛
否、愛は意志だ!
愛はベクトルだ!
何か食わせろ!
思い出せ、
あの透き透った空ににた
汗の景色
肌の光を!
雨が降っていようが
少しくらい濡れていこう
溶けそうな脳の日よりは
ましだ。
しかし
腹がへった。
『こんなもの読むな!だったら書くな!』

箸にも棒にもかからないとは!
読めない奴は書けないのか!
俺の芸術性は結局職人止まりなのか!
びっくりマークをつけてはいるが
実際には穏やかに残念がって
冷静に詩を書いてみようと思い立ち
仕事をしながらダラダラと入力
隣の道路屋、朝早ええなあと気を散らせ
この作業モールの開店までに間に合うか?
何にでも興味を持つ感動屋は
熱しやすく冷めやすい味気ない金属
こんな日記詩を誰が読むか!
俺は才能なんか無えー!
もう一個びっくりマークつけとけ!!
偉そうにしている奴は
全く偉くなんかねー!!
俺はバカラロウだ!
本当はびっくりなんかしてないし
びっくりマークつけたって
言葉から滲み出るものなんて
何も無い
俺ももう少し勘違いしてりゃあ
何やら違ったかもしれないが
理性的なバカはつまらん!
かと言って知性なんてもものも無い
ああ、出発まであと45分や
『青い影』

愛するという意味を問いつづけた時の記憶が蘇り哀しくもないのに涙が滲んで戸惑う俺の芯に幼稚で美しい影がシミのように残っている事を知る
『流転』

なにがどうというわけでは無い
クラシックギターをやっていたから出来るだろうと思い始めたかったことを始めることにした
物を買いあるいは作り
体のまわりに並べることは
侘しみから遠ざかるための工作なのだろう
なりゆきで家を買い
増えすぎた要る物要らぬ物を新居へうつし
家が傾きドアが開かなくなった
どんどん物を捨て
スペースが空きドアも開け
新しい生活がすこしずつ動き始めるが
なにかどういうわけか
捨てた物の残像へあてがうように
新しい物を買い求める
明日はエレキギターが届く
珍しく自信が無い
器用さも歳に流れて
なにに変わっていくだろう
バカは死ななきゃ治らない
って言葉がどこから出てきたのか知らないが
生きていたら治らないのか?
おかしいじゃないか
じゃあ悪行更生施設なんて意味ないじゃないか
死んだら治るのか?
確かに文法上は正しいんだろう
彼奴はバカな男だった
なるほど
死んでいればバカをやらない
つまりは死ねば全て赦される
真っ当に生きても
バカをやっても
同じ仏様ってね
奪っても
与えても
人類皆平等
答えはどこにある
『ネコのように』


水風船はなめらかにたわみ
ネコは仰向けにたわる
草原は毛布のようにぬくみ
野良のおもいは深くうずもれる


言葉を残しはじめたのは
天地がわからなくなったから
底の抜けた地球にひとり
私は宇宙になって誰でもなくなった

夜になればいつだって
あたたかい寝床があり
床は足音をつたえていた

目をとじた空は
映画館のスクリーンのようで
オーケストラの指揮者や
映画監督にだってなれた

恋は遠く微笑んで
手を伸ばしても届かない
こらえきれない涙を両手でぬぐい
歯を食いしばった青春

ギターが喜びと悲しみを歌い
僕は俺になった

靴底はアスファルトを強く叩いた
背に日をあびた影は濃く
遠い道は見えない
それでもその先に
果てがあることは分かっていた

生と死を教えてくれたのは父だった
その姿が夢に現れたことがある
甲高いほがらかな笑い声が
私の胸をやさしく刺した


逆さまになったネコの顔が
うつろなまま彷徨う
ぴたり
視線のかさなりが宇宙にのびる
そして
私は微笑んで視線をそらした
「命の」


はじまりは
見なれた窓枠を通りすぎただけのこと

伏し目がちのまぶたはわずかに開き
前髪の隙間にまなこを忍ばせた

遠く遠くはなれた時のむこう
源流からとどく熱い血に
しだいに巻き込まれ
息もできないほどに

長い手足は冷ややかに舞い
そこから吹いてくる風が
やさしく髪を撫で
頬にふれる

光は眩しく
闇は重い

夜はどこまでも深く
朝はいつまでも来ない

至上の夢と絶望の現が
入り混じる赤と黒
血は胸を破り
そして途絶えた

川は流れつづける
小舟は澄んだ水の上
砕けた命のの行きさきは
無数に生まれる波のまにまに
「一世一代」

恋が破れると
とりあえず
セロファンテープで繕って
そのまま歳月にシワを重ね
カサカサになって
粉々になるまで
恋しいとマジックで書き消しゴムで激しくこすりビリビリ破る
恋なんて水色じゃない真っ黒な灰に埋もれた溶岩の赫(あか)
最哀を楽譜におこし奏でれば頭蓋をぬけて空へ昇れり

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