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●川井ブログコミュのどしゃぶりの夜の小さなお話

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今日のどしゃぶりは突然やってきた。自転車で原宿まで出かけ
新しく入ったカフェが気に入りゆっくりしているとテラスから轟音
のような雨の音がきこえてきた。うわっ、すごい雨だな。

しばらく、その激しさに驚いていると会社を出るときに前日の
パーティの臭いを消すためにすべての窓を開け放してきた
ことを思い出した。血の気が引いて、カフェを飛び出した。
かわいい女の子がふたりでやっているそのカフェは会計を
するときに、タクシーだとしても濡れますから傘をどうぞ!と
ビニール傘を差し出してくれた。ボク以外に客はいなかった。

ありがとう!傘を借りて自転車を放棄して猛烈な勢いで原宿
商店街を抜け、天空の城へ急いだ。雨は、笑ってしまうくらい
の勢いでコンクリートを楽器のようにたたきまくっており、道は
ベトナムやタイの都市部のように川のようになっていた。自然の
力が突然で強烈であると、なんだか笑ってしまう。なすすべが
ない人間の小ささを感じて、ヘラヘラと腰砕けになってしまうからだ。

肩からかけたバッグもずぶ濡れになり、走れば走るほどジーンズ
は下半身にまとわりついてくる。重くなっていくジーンズに息も
たえだえだ。大きな水溜りを避けて走っていたが、もはや関係
ない状態になり、逆に水溜りを楽しみながらの全力疾走だ。

と、人気のない神宮前2丁目商店街を駆け抜けているときに
閉店した店先の小さな軒先で雨宿りをしている女の子が見えた。
傘に入れてあげたいところだが、窓を開けた事務所が気になり
それどころではない。そのまま走り抜けた。

天空の城に戻ると風向きもあり、一部浸水したものの思った
ほどの被害ではなかった。雨がかかった電化製品を拭いて
ひとまず落ち着いたところで、あの軒先の女の子を思い出した。

まだ、あそこで立ち尽くしているのだろうか?
いや、さすがにタクシーでもつかまえただろう。
でも、あそこは車もあまり通らないしなあ。

ふと、見れば自分が傘をさしてここまで走ってこれたのは
あのカフェの女の子が親切だったからだ。親切は回さなければ。
「一日一善」なんていうコミュニティをやっている自分が傘を
借りてはいよかったですね、ではいかんだろ!

そう、思って傘を2本つかみ、さっきの商店街に戻った。
すると視界の中に彼女がまだいた。彼女は手をあげていた。
タクシーが近づいてきたのだ。しかし、少し前で違う客に
止められてしまう。彼女は手をゆっくり降ろした。

「ねえ!タクシーは外苑西まで出たほうがつかまるよ!
 さっき、通り過ぎてごめんね!気になってたからこの傘あげる!」

「あ、えっ?あ、ありがとうございます!」

(うーん、ドラマだ!これぞ運命の出会いだ!)

「いいんですか?」

「いいよいいよ」

(そう!ここで名前を言うとかどっかに誘うのは野暮だ。
 それじゃペイフォワードじゃないからな!ダンディズムだ!)

「その代わりさ!」

「えっ?」

「途中に君みたいな人がいたらこの傘をあげな!」

自分の傘以外の2本を軒下の彼女に渡した。

「あ・・」

(ふっ、いい感じだぜ!彼女の目から見た雨の中を去る俺!
 記憶に残るぜい!)

と妄想爆発しながら、ボクは早足で歩き出した。少し遠くから

「ありがとうございますっ!」と声が聞こえた。かわいい声だった。
彼女はきっと同じようなどしゃぶりの日にこの時の10分間を思い出すだろう。
寒かった10分、さみしかった10分、1時間に感じたかもしれない10分。

彼女のこの体験が、次の人に回るとき、新しいサークルが生まれる。
そして、そのサークルはいつかボクをも包み込む暖かいものになるんだ。

※一筆書きコラム
この文章は構成や校正をせずに感情のまま一筆書きのごとく
バックスペースなしで書いたものです。

コメント(26)

うふん。いいね。カワイ節。

私も最近意識的に小さなペイフォワード活動してる(つもり)。
それが無意識にできるようになればいいなぁと思いつつ。
服が乾いてきた今読むとくせーなー、この文章。
プンプン匂うぜい〜!一筆書きだから許してね。
いやー、この臆面も無いくせに笑っちゃう可愛いさが川井さ。
川井さんってロマンチストなのね。
そしてとっても可愛い。
素敵だ!!
さすがです^^

そういうちょっとの気づきと、パワフルな行動力って大事だな、って思いました。うはー!
もちろん、軒下にいたのが「おじさん」だったら
なにも始まらないわけです。人生そんなものです。
>彼女の目から見た雨の中を去る俺!

これってすごく男性特有の3D空間ビジュアライズ
なんだよね。中心に自分があるのではなくて鳥瞰視
した中に自分がいるという。おそらく女性はそういう
アングルはあまり持たないと思うんだけどどうかな?
少し切なく、少しムーディー、そして3D
何故か読み終わった後の涙は笑いと感動で一粒流れました。
ユビさんがどんなシャツを着ていたのかが気になります。
濡れたジーンズ、濡れたシャツ、濡れた靴。
外苑西通りに降りそそぐ雨。

(・・*)。。oO(想像中)
素敵だ!ゆびさん。

僕も昔、ハワイで同じようなこと言われました。
パイナップル畑のど真ん中で車が故障したことがあって、
現地の人に助けてもらったんですけど、御礼をしたいと
伝えたら、「その必要はないよ。ただ、君がこの先
困ってる人に出会ったときに、その人のことを助けて
あげてくれ。オレはそれで十分だ」って言われました。

ユビさんの話し聞いて、それを思い出して、ちょっと
あったかくなりました。
ハワイの畑の話は本当に映画の「ペイフォワード」で
いきなりベンツをくれたシーンを思い起こさせますね。
旅をしていると自然にそういうことを感じますよね。
それを日常にもちこめばもっと楽しいはず。
ベンツなら大したことないんですが(?)実はジャガーくれたのがペイフォワードの印象的なところなんですよ(とかゆう)(^^;;;;
私は女だけど結構鳥瞰視しちゃいますね。
もっと上から自分と相手の距離感も含めて全部。
さめてるな〜ってよく言われます(笑

あと自分の場合は軒下にいたのが「おじさん」のほうが
何かが始まる気がします。。。
かっこいい……いいお話です。
川井さんだなあと思った。
すごく状況が映像で浮かんで、いいお話でした。
大好き♪
今度から雨が降った時は傘を貸してくれる誰かを待ってみようかな・・・。
いや〜〜〜〜んッ
かわいさん☆ す☆て☆き☆””

ちょっと違うけど、私も昔こういう事した。
何の裏もない単にコチラ側の純粋な気持ちなのだけど
素晴らしい笑顔で御礼を言われると照れくさいのよね〜

ん〜〜でも、傘を受け取った彼女の心の内はきっと
『私が今ハッピ〜に見える?』
と言っていたと思うな〜〜ッ
ん〜軒下で雨宿りしてるひとが
「素敵な女性」か幼稚園か小学生だったら私も戻るかなぁ。
アハハ☆ 

男なら?ひきかえすなんて、ありえない!
走ってかえれっ! 。。。え?何か趣旨が違う?
ほんわか暖かい気持ちになるお話ですね♪ 優しいユビさんらしいです(^^)
一気に読んでみて、「あぁ、彼女すごく嬉しかっただろうなぁ。」って思いました。

同じように一人ぼっちで待ってたこともあるし、突然親切にされたことも経験してますが、あの時の気持ちって、上手く表現出来ないんでが、こころの底からぱ〜〜♪っと湧き上がってくるような感覚なんですよね。

なんだか幸せになれる日記を読ませて頂きました〜
男だ、アンタ男だよ。そう言う人間を「ハンサム」て呼びたいよ。

私、仕事柄、バイクで高速道路を多く走行しています。たまに、パンクや、故障しているバイクがいると必ず停まります。修理を手伝い、直った時、相手はしばしば「お金」を出してきます。しかし、絶対受け取りません。それは、私自身、同じ様に、名も無い人々に助けられてきたから。
ですから、「もし、同じ様な人がいたら、声だけでもかけてあげてね」とお願いします。
<(ふっ、いい感じだぜ!彼女の目から見た雨の中を去る俺!記憶に残るぜい)
思い切り共感します。爆笑しました。
boku mo
kono text yonnde
dareka ni
shinnsetu shitai to omoimashita
人は他人の記憶に残りたいという願望がありますね。
それを「忘れないでね」というのは野暮なんですが
「偶然」のスタイルを借りた好意のペイフォワードが
できればいいのでしょうね。
例えそれが「下心」であったとしても、行動する原動力としては「純粋」なんじゃないでしょうか。
「野暮」を照れて自己完結するより、「恥」かきながらでも行動するってこそが「粋」だと感じます。

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