☆深草☆コミュのブログエッセイ２３

～涙～

夏のビッグイベントである、全国歯学部体育大会。

団体戦男子決勝リーグ進出を決める大切な試合が近づいていた。

団体戦はそれぞれの大学が５ペア出場し、３つとったほうが勝ちになる。

誰が何番手に出場するかをオーダーとして提出する。
不正が生じないためだ。

試合開始の放送がなる。

そのとき・・・事件は起きてしまった。

３面平行（３ペアが同時に試合を開始すること）で、試合は始まった。

始まってからしばらくして、主幹校の学生が集まってくる。
審判が、提出されたオーダーと出場選手を確認する。。。

私たちはコートの外から、何が起こっているのか理解できずにいた。

なんと、、オーダーで提出した順番と、実際試合に出ている順番が違っていた。。。

これは不正行為とみなされる、絶対にしてはいけないミス。。

オーダー表を書くのは、キャプテンの仕事だ。。。

まさか・・・と思った。

背中に、何か冷たいものが走った。。

その試合は、不戦敗となってしまった。

私は、彼に近づけないでいた。
落ち込んでないわけがない。
１年間、この大会のために毎日練習しているのだから。

でも、１年生の私には、何もかける言葉が見つからなかった。

今まで以上に距離を感じさせられた。

彼は一人コートから出て行ってしまった。

足がなかなか動かない。

立ちすくんだ私の背中を暑すぎる風が押す。

私はゆっくりと彼の消えた方向へと歩き出した。