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サンダーボルトワークスコミュの事件簿1-2

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事務所に戻った。あれから女の方はスタコラ自宅に帰って、まあそのままという事だ。写真をどうしたものか、このまま一週間手抜きをしてお金をせしめるのも無い事は無いが、それ以上に疑問だ。

「・・・で、ちっとも妙な様子がなかったの。」
「あえぎ声も、衣擦れも、妙な定期的振動も、消し忘れの個人的ポートレイトも何もなかったね。」
「静にするのが趣味だったんじゃない?」
「いや、其れだったら多少は動く筈だ。二時間以上、机の前で悩んだ風を見せながらヒソヒソ話というのは、よっぽどのマニアでなければ、痴情の沙汰じゃないな。」
「こないだ、股間にオモチャ仕込んで引っ張り回されるだけの妙なのを見た事在るけど・・・。」
「・・・誰だ、そういうケシカラヌ悪趣味の友人さんは。馬鹿馬鹿しくてガッカリする気にもならないよ。」
心底呆れたが、困った事に紅子ちゃんはこういう妙ちきりんに麝香をぶっ掛けたような冗談を飛ばすときがあるのである。あっさり交わすのがスジである。
「別に良いじゃない。マンネリ打破には効くのかもぉ。浮気だってそういうもんかもよ。」
「ハァ。実際の所な、傍目にどう見ても不細工です、なんてのばっかりなんだ。美男美女は意外に出会いがないし、ちんぴらヤンキーは浮気の前に結婚するし、どーってこと無いのが多いんだよ。しかし・・・」
紅子の焼いたイングリッシュマフィンにクリームチーズを塗りたくりつつ、考えている。どう考えても妙だ。浮気じゃないとして、何か弱みを握られているとか・・・?待ち合わせ場所としてのカムフラージュじゃないかとか・・・。ならば脅迫側はどちらだとか・・・。
「ねえ、其の二人がエッチしたかどうか、増所長でも分からないの?」台所から湯沸かししながら声が聞こえた。どうやら琺瑯のポットを準備しているらしい。
「状況的な身体のほてりなんかでしか分からないからな。一応、身もふたもない判断方法としては精液に反応する染色液が在る。」
「まー、ヤなアイテムねー。」
「マニア向けのナニやらを観賞していて言う言い草か。まあ、カップルや夫婦が冗談半分に使うには面白いものでね。接触すると特異的に反応して蒼くなる。正直相手に真ん前に向かって掛けないと行けないし、流石にどこまで変色するか分からない。また、これはあくまでそういうのが在るのが前提だから、紅子ちゃんが大好きそうなそういう変態プレイだけだと反応しないわけだ。」
「面倒くさいんだ。別に大好きじゃないけれど、増君、そういうの、やってみたい?」
「セクシーさに問題在りそうな紅子チャンじゃ、そういうのには向かないと思うがねえ。」
これだからいやなんだ。だが、実際妙な変態趣味という線も少しは在る訳だ。

「あ、増所長。この後一時間後にお客が来るわ。」
「お客か。どんな客だ。」
「なんか、背広着てて偉く真面目くさった男のひとだったけど。名刺置いてったわよ。コレ。」
紅子ちゃんから受け取った名刺を見た。とある大手企業の名刺だった。其れにはご丁寧に写真が在った。

・・・どうやら、またまた妙な具合になりそうだった。偶然ならニヤニヤ出来る位には驚くものだ。
「今日追っていた間男は此奴だよ、紅子ちゃん。」
「エーッ!」
「うわ!紅茶をこぼさないでくれ!まあ落ち着くんだ。マッフィンでも食って、落ちつく事だ。」
クリームチーズがぐったりと蕩けたところで、齧り付く。私も落ち着いてきた。然し、事実同一人物だったとしたら、私がぶら下がっていたホテルからここまで来るって事である。確かに妙な具合である。撥ねた分がカーペットに若干しみを作ったダージリンのカップをすすり、今後の思案をしてみるが、なんだろうか。
続く?

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