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2023年12月31日23:26

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wonderland(前編)

 頭の中で、音楽がずっと鳴っている。
 これを英語圏ではmusic wormと言うのだそうである。なんちゅう怖い表現をするのか。
 私の頭の中ではだいたい常に音楽が鳴っているので、そんなふうに言わないでいただきたいものである。もし実体のあるワームだったら私はとっくに廃人だ。
 気になるのは脳が流す曲を選んでいる基準についてだ。直近に聞いた音楽で印象に残っているものが脳内で再生されるのは自然であり、これは納得できる。私の場合、それ以外に、体がしんどい時にカジウラ音楽の中でも暗い曲調のやつが流れることがわかっている。去年の夏に前夜の水分補給をアイスコーヒーのみで済ませて軽度の脱水症状を起こすという馬鹿をやらかし、出勤して数時間働いたものの結局動けなくなって早退した日は、朝起きた瞬間からAimerの『I beg you』と『花の唄』が入れ替わり立ち替わり流れていた。ちょっとした地獄である。
 ♪アワレミヲクダサーイ(『I beg you』)
 同じカジウラ音楽でも明るい曲調の、kalafina『夢の大地』『One light』『未来』あたりが流れてくれればまだ前向きになれるものを……。
 私の頭の中には小さいDJがいて、チェケラ的なハンドサイン(よく知らんが)の代わりに中指立てているのかも知れない。
 そう言えばさっきからFictionJunction『あんなに一緒だったのに』が流れ始めた。しかもイントロから歌い出しまでの部分だけ延々と繰り返し。おのれ小さいDJめ!
 そんなわけで(どんなわけだ?)基本的に毎日しんどいやつが、今年も一年をざっくり振り返るやつをやります。
 いつも通りひどい内容です。むしろ例年より闇が深い。
 ♪アワレミヲクダサーイ。


 ダイエットの話、あるいは腹肉のあがない

 《一年ぶりの前回までのあらすじ》宿敵・腹肉を殲滅することに成功した河童さん。だが勝利の代償は大きかった。減量で弱体化した河童さんに、低血糖四天王の頭痛、慢性疲労、肌荒れ、そして四天王最強の存在・冷え性が、次々と襲いかかる!!

 まず現状において河童さんの腹がどうなっているか報告すると、皮下脂肪がちょっと戻った。その下の腹筋は相変わらず健在なので、うっすらシックスパック……くらいの、なんとも評価のしづらい、見方によってはむしろ一番ダサい状態である。
 今年の三月くらいまでは腹筋バッキバキだった。なにしろ主食が豆腐とキャベツと鳥胸肉、たまに豚コマ、だったからのう。毎日水炊き(と称する肉とキャベツ入りの湯豆腐)とかスープカレーとか豚汁とか作ってそれだけ食べていた。
 さすがに体がぶっ壊れていく感覚があったので炭水化物をとらなければ! と野菜炒めにインスタントラーメンをぶちこんで煮たやつを食べ始め、そのうちにワンパンパスタにはまり、今に至る。
 それにしても低血糖状態はつらい。
 気を抜くと襲ってくる頭痛。
 鉛入りのマントを肩に被せられたような慢性疲労。
 精神的にもきつい男子高校生レベルの肌荒れ。
 体に直接氷を入れられたような冷え性。
 特に冷え性がつらい、つらいを通り越してもはや意味がわからない。真夏に徒歩で通勤中、汗をかいているのに、寒い、のである。顔と背筋と手足の指先がずっと冷たいのである。
 自分が冷え性になってようやくエアコンの温度設定争いが起きる理由がわかった、こいつエアコンのリモコンだけは絶対譲らねえな!? っていう人がいる理由が。ひざ掛けやふわふわ靴下やモコモコスリッパやあったかい飲み物なんかじゃ冷え性はどうにもならんのだよ。季節関係なく室温が18℃を切ると震えが来るし冬はあったかグッズをフルアーマーで装備してなお寒いんだよ……!!
 体だけではなく脳にも影響が出るのが低血糖の恐ろしいところである。まったくダイエットなどするものではない。思考が鈍くなるばかりか、脳内のいわゆる幸せホルモンというやつもおそらく減少する。と経験者(河童)は語る。いわば鬱病に近い状態になるわけで、当然、メンタルヘルスに非常によくない。ここ最近、河童さんは食欲も料理を作る気力もなくなり、コンビニのパンとフルーツグラノーラ(バナナチップスとチョコクッキーを追加でブレンドした河童さんスペシャル)で生きていた。食事制限の挙げ句に食事できなくなってたら世話ねえっつうのよ。死なないためになんとか食ってたコンビニパンもチョコバナナグラノーラもカロリーが意外とあるので腹肉がさほど減りもしなかったのがまた馬鹿らしい。
 結論。飯は食わぬより食った方がよい。
 暴飲暴食でストレスが解消できるのはむしろ健全な状態であることをこの河童さんが保証する。
 河童さんそういえば去年の夏は一合半チャーハンとかやってたなあ……。
 説明しよう! 一合半チャーハンとは! 一合半炊いた米をそのまま中華鍋で炒めて全部食らう荒業である!! 具は卵とポールウインナー、味付けは胡麻油と鶏ガラスープ粉末と隠し味に昆布茶、炒め上がったらモコミチ的に高所から追い胡麻油だ!! 二合だとさすがに多いかと思って一合半にしていたがよく考えたらもうあんまり変わらねえな!?
 と、このくらいの馬鹿をやっている方がメンタルヘルスにはよろしい、と断言する。ただ、腹肉は確実に増えるがな……。
 今後はこれ以上腹肉を増やさぬよう、食事量と運動量を両方増やしてバランスを取りたい、そしてそれがとてもむずかしい。
 来年はがんばろう、と河童さん言うだけ言う。
 
 中間管理職もどきvsパートのマダム仁義なき戦い。

 世の中の大体の職場において、現場のリーダーとか中間管理職とかは、パートのマダム達のお世話役の一面を持つと思う。かくいう私、数年前からそれ―みたいなもの―をやっている。もともとコミュニケーション能力の高くない私のこととて、マダム達との距離の取り方が難しい。何の話をしたらよいのかわからないし、話を聞くのは好きでも何か返しのコメントを求められると気の利いたことが言えなくて困る。というか私も向こうも『あ、うん……』てなる。つらい。
 仕事の上でも完全にお任せにするとどこかで引っかかってルーチンワークが回らなくなる、かといって私が手を出しすぎるとどうやらマダム達のプライドを傷つけるらしい。ジレンマである。つらい。
 マダム達を見ていると、結構単純明快、原因はAだから結果はA'、みたいな考え方が多く、すっぱりしていて、ある意味それはそれでよろしいと思う。私などは“帰納・演繹、よろこんで! ”の自称くされ文系であるから、自分が実はかなり複雑なものの考え方をしている(してしまっている)のだなと気付かされる。 
 だが単純・簡単なら良いわけではない。マダム達のような直線的思考をする人の世界で何が起こるかというと、しばしば仮定、仮想、比喩などが成立しなくなるのだ。
 先日、マダムの一人が私の仕事用伊達メガネに興味を持った。花粉症対策のメガネに近いようなデザインで、実は工業用規格の安全メガネである。
 私が
 「あ、これ安全メガネで……ハンマーでぶん殴っても割れないやつ……」
 と答えると、その場にいた二人のマダムから、異口同音に
 「ハンマーで殴られたらメガネは無事でも頭つぶれるやん!?」
 といった内容のツッコミが返ってきた。
 いや待て! ハンマー云々は喩えというかスペックの話だから! さすがに私も仕事中にハンマーで顔面を殴打されることを想定してないから!! 私の左眼は距離感がないのでうっかり眼球に何か刺さったら嫌だから保護のためにかけてるのよ!
 ……と説明する元気は、その時の私にはなかった。

(後半へ続く)
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