『伊坂芳太良の世界』は46年前に3600円で購入した本ですが、
現在は付録まで揃っていると30000円超の価値があるようです。
伊坂芳太良氏は50年前に42歳で亡くなったイラストレーターです。
本業はアート・ディレクターでイラストレーターとして精力的に活動したのは
亡くなる前の僅か5年間程です。
1960年代後半、挿絵画家がイラストレーターと呼ばれ始めた頃に
人気があって注目されていたのが横尾忠則、宇野亜喜良、和田誠、伊坂氏でした。
中でもボクは伊坂氏の作品に一番魅かれました。
ボクは幼い頃から漫画好きで、
小学生頃は北斎や広重の浮世絵を見るのが好きでした。
日本画や洋画の絵画も鑑賞するだけで充分で、
自分も描いてみようとは思いもしませんでした。
が、高校生頃に伊坂氏のイラストを見たら、こんな絵を描いてみたいと思いました。
和洋折衷の繊細な美しい描線、
漫画の様なPOPでシュールな構図に一目惚れしました。
後にボクは藤田嗣治やノーマン・ロックウェルの絵にも魅かれましたが、
伊坂氏もその二人の絵に影響されていたことを後に知って驚きました。
多分同じ様な趣好を持った人だったのかもと嬉しくなりました。
間違いなく伊坂氏の作品の影響はボクの根っ子にありますが、
それでも全く同じ様な絵は描けないし、
既にあるものの単なるマネでは何も面白くないのです。
自分も描いてみるとその点が悲しくもあり、燃えてくるところでもあります。
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