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2020年06月01日08:04

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キリシタン紀行 森本季子ー134 聖母の騎士社刊

私の奄美紀行ー99

私が大島で接した人たちは純朴でくったくなく、根っから親切な人たちだった。計算ずくということがない。日本人がエコノミック・アニマルと非難されようとも、奄美の人たちは除外しなければ、と思ったものである。住みよい所とは、こうした人々の中ではなかろうか。大島を訪ねた人は口をそろえて言う「もう一度奄美に行きたい」。
 だが地元の人はどう考えているのだろう。私はこの回答を帰京後の大島新聞に見出したと思った。少し長いが引用させていただく。
◆この夏「やはりシマはいい」という何人かの帰省者を囲む機会があった。シマはたしかに低賃金で、娯楽施設がなく、活気がないかもしれない。だがあふれるような光と海と緑の健康な環境があるではないか。都会で心身を摩滅させて働くより、どれほど人間的か、集約すれば大方がそんな”ふるさと讃歌”の主張だった。
◆酒がまわって、だれからともなく反論が出た「東京で三倍収入があってもシマの暮らしと変わらんというが、子供を都会の学校に送り出さねばならん。将来が思いやられる」「あんたらは空気がうまいというが腹の足しになるか。都会がいい生活ができるからシマをでたんじゃないのか」「過疎化や高齢化はどうする。理屈や感傷でシマが守れるか」。(中略)

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