転載13年２月

安部首相へのマスコミの評価は、おおむね好意的だし、アベノミクスと囃し立てる向きもある。

ま、大マスコミは、権力と一体化した保守腐敗構造の一員だし、政官財の既得権の中にどっぷり浸かり、それも自民党とズブズブの関係だから、当然な事だ。

俺は、反権力＆民主主義の立場に立って、批判してみたい。

但し、昔の社会党＝現社民党のような、批判の為の批判では無いと、お断りして置く。

安倍首相の経済政策は、決して日本を良くはしない。

新自由主義経済とは、かっての自由主義経済の焼き直しに過ぎない。

自由主義経済の元で、19世紀の世界は、労働者は搾取され、悲惨だった。

資本の論理＝弱肉強食の資本主義から、マルクスは共産党宣言を書き、独占資本の弊害から、独占禁止法も生まれ、自由主義経済は廃れていったのが、20世紀の社会だった。

そして、秩序ある競争を志向する事で、資本主義の行き過ぎを修正し、共産主義との戦いに勝利した。

先進国は、国民福祉にも力を入れ、中産階級と言われる人達が多量に生まれ、日本では、国民皆中流と言われたりもしたのだ。

共産主義との戦いに勝利した頃から、アメリカは金融国家へと舵を切った。

しかし、資本主義経済の基本的な宿命＝技術格差が値段の格差以上で無い限り、先進国は追い上げて来た新興国に勝てない。

この命題は、金融国家としての成立も危うくする。

それが可能に見えているのは、ドルが基軸通貨だからという理由だけであり、ドルは貿易赤字分は確実に安くなり、労働集約産業たる自動車産業は、初めて国の援助を受け、辛うじて倒産を免れた。

アメリカは、ドルを背景にしているから、金は無尽蔵に近く沸きだしてくる。

金融国家として成立しているのも、同じ理由なのだ。

世界中も、ドルが紙くずになっては困る。

今のアメリカは、巨大な恥知らずな、搾取国家であり、その仕組みは、アメリカ国内でも、１％の富裕層と、残った貧困層とに為りつつある。

リーマンショック後の、ウォール街のデモを見たら、アメリカの本音、真の姿が判る。

では、日本はどうなのか？

かって日本が、今は韓国や中国、インド等が、この資本主義経済の宿命を甘受し、世界市場を席巻するかに見える。

日本の現状は、製造業の宿命そのものなのだ。

輸出立国は良い。

しかし、大量生産タイプの商品での、輸出立国は無理なのだ。

それが証拠には、大企業は、生産拠点を、次々に海外に移しているではないか。

研究と技術開発に特化し、職人の長い伝統と技能を生かす。

そして、高付加価値のある製品＝少量生産の製品と、大量生産の製品の、研究開発に因って得る、利益を生み出すしか無いのだ。

温暖化への異常気象に対して、アメリカやオーストラリア等の、大量生産農業は弱い。

日本の食料品は、世界中で高い評価を得ているのだが、農林水産物でも同じで、例えば、日本の米は、中国の富裕層に大人気になっている。

それはそうだ。

廃油から天ぷら油を作ったり、危険な物が入っている食料品に、平気ででたらめな表示をする高級食材。

これは中国人の国民性であり、それを知っている中国の富裕層が、信頼の置ける高級品として、日本の食材を選ぶのは、当然の事でもある。

日本の農林水産業は、世界的にも手を掛ける特長があり、必然的に、異常気象にも強い＝大量生産農業に比べてだが

今の日本は、食料自給率が４割以下なのだが、これを引き上げ、新たな農業立国を目指すべきなのだ。

全ての日本製品＝農林水産物を含む に、高い付加価値を付ける努力をする事こそ、新たな輸出立国となるのだ。

林業に触れておけば、日本の植林技術は凄い。

レバノンは、今は砂漠だが、かっては杉の生い茂る大森林だった。

これは聖書に書かれているから、誰でも確認が出来る事だが、そのレバノンに、大森林を復活させる事も可能なのだ。

かって、江戸時代には、江戸は世界１のインフラの整備された都市だった。

上下水道の完備に、リサイクルの完備があり、世界１の清潔な都市だったのだ。

それだけでは無い。

世界最初の為替取引を行い、世界最初の先物市場を大阪の堂島に開き、スイスの時計商が舌を巻くほどの、素晴らしい職人の腕で、当時の世界１と言われた時計を凌いで見せたのだ。

また、地方では、各藩が、殖産向上に務めて、特産品は各地方に溢れていた。

江戸時代に帰ろう。

明治維新のどさくさに紛れ、坂本竜馬や高杉晋作を祭り上げる事で、それに連なる有象無象が出世した明治維新。

西郷隆盛を始め、坂本竜馬や高杉晋作等、実像では無い虚像を崇拝するのは止めて、江戸時代に戻ろう！

職人の技と、先端技術の融合は、東京の１極集中では駄目なのだ。

ここまで読めば、安倍首相の政策は、先ず新自由主義経済を選択し、金融重視の政策だけを見ても、誤りであると判るだろう。

経済とは、実体経済の裏付けが無ければ、余ったお金はマネーゲームに向かうしかない。

円安も、喜んでいるのは、経団連を牛耳る大企業だけであり、国民の為にはならない。

震災復興もしかりだし、消費税増税は、それだけで実体経済を縮小させる。

ＴＰＰなど、百害あって１利無し！

今後の輸出立国の種を殺してどうなる？

以前の日記に、１年後は、安倍首相を選んだ事を後悔しているだろうと書いたが、また、宣言する。

アベノミクスはまやかしであり、結局は失敗する。

福島４号機は、建て屋の復興もせずに放置され、相変わらず放射性物質はダダ漏れ状態であり、福島の子供から、甲状腺障害が報告されている。

国民を思う政府やマスコミなら、この問題の解決に、必死になるはずだ。

それを、何もしないで放置している事こそ、俺の主張を裏付ける証拠なのだ。

江戸時代に帰ろう！

もっと声を上げよう！

もっと行動しよう！