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2019年10月25日13:26

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1986年 須磨の風ー6

ボブ・マーリイ・メモリアル・フリー・コンサート

☆次々にバンドが変わり、夕闇が近づく。ボブ・マーリイ・デイにふさわしく、飛び入りの出演希望者が続出。しかしそのどれもが素晴らしい!観客の方も、フリ・コンサートに相応しく、油ぎった太めのヤクザの親父から、ギリシャ人、アフリカ人、土地の漁師の若者や、おじさん、おばさんまで、色とりどりだった。海を往来する漁船や貨物船にも音は届いているだろうし、浜近くに浮かぶウインドサーファー達にはライブの音がコンサート会場の近くと大して変わらぬ音量で聞こえているに違いない。ゆったりとした広がりのある素晴らしいコンサートだ。5年間も頑張って続けてきた中野さんは偉大な人だと思う。今年で最後との事。寂しい気もするが、個人の手にあまる企画をここまで続け、ボブ・マーリイ・も天上で喜んでいることだろう。充分レゲエの世界に貢献したと思う。ゴクロウ様でしたと言いたい。

☆ルーツ・ロッカーズの演奏が始まった。浜辺に散らばっていた観客達もこの頃になると、一斉に前に押し寄せ暗闇の中に熱気と怒号が充満している。一升瓶を回し飲みして、「今日は騒ごうぜー!」と声をかけ合っているグループ。朝からの酒とレゲエに酔って、コントロール出来なくなった連中も多い。客席側の石敷きの広場から僅か石段を4段上がると舞台。勢いにまかせて、舞台に駆け上がろうとする人々。僕は最前列でビデオ撮りと、観客の制止に忙しい。一曲目が終る頃、舞台に駆け上がろうとする若者が一人現われる。「ダメだよ。君が上がったら、他にも舞台に上って騒ぎたい人間は多いんだから」怒鳴って止めようとする。彼は「いいじゃないか、俺一人ぐらい」と食い下がる。他にもあちこちで乱入しようと叫び声が上がる。ビューンビューンと、ルーツロッカーズも、不思議な挑発的な音を出す。若者はかなり酔っていて、話が通じない。「ワーン」と会場に叫びや歓声が反響し合い、一つの音のカタマリになっている。あくまでも乱入しようとする若者に、思わず殴りかかろうとしてしまう。周りが止めて、彼は渋々あきらめた。白人青年が上半身ハダカで最前列で踊り狂っている。後ろの方の仲間と真っ赤なフリスビーを投げあっては狂喜する。演奏するミュージシャンにぶつかりそうになる寸前でキャッチしては奇声を上げる。「ノー!フリスビー、ノー!」と、僕は大声を出して止めようとする。ブツブツ文句を言いながらも分かってくれる。「変ナ日本人ネ!」仲間に不満をブツけている。(その後、現場の状況をようやく理解して「ボク、変な外人ネ」と僕にあやまった)

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