その昔、と言うほどすっげー昔ではなくて、写真と言えば一般に
まだ銀塩写真が中心だった頃は、記憶媒体は当然「フイルム」
であり、写真屋さんでサービス版にプリントしてもらってアルバム
にしまうのが普通であった。
写真撮影よりもむしろ暗室作業を楽しみに感じていた私にとって、
ここまですごいスピードで画像のデジタル化が進むのはまさに
”想定外”であって、時代の変化についていけない私はいまだに
デジカメに馴染めないでいる。
そのデジカメすらもある意味、普通ではなくて、今は電話(スマホ?)
で写真を撮る方が普通になってしまった。
そして、プリントの文化も廃れつつあって、写真は画面で見るのが
当たり前。
で、やっと本題に入るのだけれど、さっきビックカメラに行って
セルフサービス式のデジカメプリント機と格闘をしてきた。
先月末、退職した方に送別会の時に撮った写真を差し上げるため、
プリントアウトをしたかったのだ。
我が家には、なぜかまともなプリンタが無いのである。
実際にはデジカメは持って行かず、USBメモリだけを手にする。
プリンタ機は対話型の画面で、オペレーション自体は悪くない。
1枚40円。
拡大/縮小、ふちアリ/ナシ、色調整も出来るし、日付挿入する/
しないも選べて、万人向けの機械にしては多機能であると思った。
操作開始からほんの5〜6分ですべてのプリントが完了。
すげーな。
でもなぁ。
やっぱり、感動が薄いと思うのだ。
まず、フィルムの現像。
白黒でも、薬剤準備を含めるとドライヤーを使っても3時間はかかる。
コマを選んで暗室で、悪戦苦闘しながら引き伸ばし機で焼いた
印画紙に、現像液の中で次第に浮かび上がってくる画像。
定着して、水洗して乾燥させて、撮影が失敗だったか成功だったか
わかるのは更に数時間後。
これが感動を産む「写真」なのだと思ってしまうのだけれど。
古い人間だなぁ。
別に私は尊敬していない人だが、故・ダーウィンさんが言うには、
『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるの
でもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』
なのだそうだ。
私、生き残れそうにないから、早めに店仕舞いをしよう。
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