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2019年05月17日17:24

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文化で食うことの難しさ

幻冬舎の見城徹社長、実売部数のツイート削除し謝罪
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=5623348

文化をカネにして、メシを食う出版社の立場は
作家たちには実感しきれまい。
感性の向上と、それを再現するための
表現技法の追求に専念する芸術家や職人には
美術品や工芸品をカネに変える美術商や古美術商の苦労が
理解しづらいようなものではないか。
ライターと営業マンと、二足の草鞋で長年生きてきた自分には
双方の立場が理解できる。
           ◇
かつて観たドラマの切ないワンシーンを思い出す。
詩人を目指す青年が、自作の詩集を世に出したいと考えるが
取り扱う出版社はない。
出版社が扱わないものを、書店が店頭に並べてくれるわけがない。
それでも夢を諦めきれない青年は、詩集を自作して路上販売に乗り出すが
通行人は、どこの馬の骨とも知らぬ
無名な個人の自己満足詩集などには目もくれない。
彼と親しかった同窓生は、そんな彼に夢を捨てて現実に生きるよう
何度も説得するが、決して聞き入れようとしなかった。
ある日、職場から帰宅中だった同窓生が
偶然にも、路上で絶望に満ちた生気のない目で
力無く自作詩集を通行人に渡そうとする青年の姿を目撃する。
見るも哀れな姿に、捨て置けなくなった同窓生は
彼に近づき、彼を捕まえ揺さぶりながら
「いつまで、こんなことを続ける積もりだ。
 いい加減に夢を捨てたらどうだ!」と、一喝。
しかし、その言葉がまるで響かない青年の様子に苛立ち、彼を突き飛ばした。
突き飛ばされながらも、青年は通行人たちを見る目と同じ弱々しい視線で
一冊を渡そうとする…………。        
この青年は、社会に対する不満や
個人的な理念、理想像を詩に託していたのだろうが
おそらく、その思いは誰にも伝わらないだろう。
           ◇
反面、画家を目指しながらも挫折したヒトラーは、画架のキャンパスではなく
政治というキャンパスに理念を描くことに成功した。
理念そのものに間違いは無かったが、それを構成する要素が
ありにも危険すぎたために、大惨事をもたらし破滅したと言えるだろう。

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